連続テレビ小説 わろてんか(88)「笑いの新時代」[解][字][デ][再] 2018.01.17
(てん)あっ。
(隼也)何やお母ちゃんか。
堪忍な気持ちよう寝てたのに。
何や?これ。
リンドバーグや。
ニューヨークからパリまで単独無着陸飛行に成功した有名な冒険家や。
へえ〜。
僕も冒険したいねん。
へ?お父ちゃんの跡継ぐいうてもお父ちゃんを超えられるとは思われへん。
僕はお父ちゃんを超えたいんや。
あんたやっぱり藤吉はんの子ぉやな。
え?
(うめき声)藤吉はん?お父ちゃん?藤吉はん!
(藤吉)てん…。
てんならここにいますえ!お医者さん呼んでくる。
てん…。
はい。
倒れてから3日目の事でした。
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」・「ありがとうと言いたいあなたのために」・「ごめんねと言えないあなたのために」・「パレードはまわり続けてる」ちょっと握ってもらえますか?はい。
はいはいいいですよ。
こちらはどうですか?はい分かりました。
まだ左半身に少しまひがありますが言葉もしゃべれるようですので大きな後遺症が残るような事はないかと。
よかった。
ホンマによかった。
手足をようもみほぐしたら動くようになるでしょう。
へえ。
ありがとうございます。
ほなお大事に。
お大事に。
ありがとうございます。
お父ちゃん大丈夫か?ああ。
ず〜っと眠ってましたんやで。
芸人さんらや伊能さんにリリコさん皆さん来てくれはって。
どうりでうるさいな思うたわ。
隼也手ぇかわろか。
お母ちゃんお父ちゃんの体ずっとさすってたんやで。
そうか。
すまんな。
寄席は?風太があんじょうやってくれてます。
ああ…。
あいつ好きにやらかしそやなぁ。
いいえ。
ああ見えて忠義もんでっさかいなぁ。
何も心配いりまへん。
そやな。
へえ。
ただいま。
(イチ)お帰りやす。
お帰りやす。
おはようさん。
皆さんご心配おかけしましたけど社長ちゃんと言葉もしゃべれてわろてくれました。
そらよろしゅうおました。
(風太)おおイチ。
芸人らにも知らしたって。
へえ!頼むな。
いや〜よかったなぁ。
おおきにな。
あんたらのおかげや。
もう寝てるんがいややとか暇やとか言うてはるんえ。
あいつらしいなぁ。
それやったら病院にあの家のラジオ持ってったったらどうや?
(トキ)それええな。
後でうちが運んどきます。
おおきに。
きっと喜ぶわ。
(お楽)ごりょんさん社長にお客さんですが。
大阪中央放送所さん。
ラジオの方がうちに何のご相談で?月の井団吾師匠をラジオに出してもらえませんか?師匠をラジオに?はい。
これからラジオも娯楽番組をどんどん放送せなアカンのです。
団吾師匠の落語を流したら聴かはる皆さんも大喜びですわ。
アホな事言うな!ラジオで落語流したら寄席に客が来ぃひんようになる。
いや…そこをなんとか。
お引き取り下さい。
(ラジオ)どないした?あ…いえ。
もし落語がラジオで聴けるようになったらどない思います?うん…ラジオで落語か。
へえ。
そらうちの会社潰れるわ。
そうですな。
(ノック)はい。
お母はんわざわざおおきに。
(しず)ああそのままでええさかい。
すんません遠いとこ。
こちらこそお見舞いが遅うなってしもてすんまへん。
お加減はどうどす?ええ。
日に日にようなってそろそろ歩く練習してもええて。
ああ…よかった。
(りん)姉さんホンマによろしおしたな。
おおきに。
夫婦水入らずで過ごせる休みをもろた思たらよろしおす。
藤吉さんもゆっくり骨休めしてな。
はい。
(団吾)そら夢みたいな話やな。
へえ。
ラジオやったら山奥に住んでる人でも家におって落語を聴く事ができるんです。
寄席の何十倍何百倍ものぎょうさんの人に聴いてもらえるんです。
そのうち日本中の人らが師匠の噺聴いて腹抱えて笑う日が必ず来まっせ!オモロイな。
そしたら考えてもらえますか?なんぼや?え?ラジオに出たらなんぼもらえますんや。
団吾師匠ラジオに出る気やないやろな。
(キース)師匠まんざらでもない顔してはったで。
(アサリ)けど落語減らす言うてたんやさかいほっといたらええんちゃうか?そういう問題ちゃう!ほかの芸人も皆ラジオ出るようになったら目も当てられん!あ〜社長がおらん間にそんな事になったら大変やな。
(アサリ)そやなぁ。
うう…。
まさか社長が入院してる隙にラジオに出る気やありませんやろな。
どやろなぁ。
北村の寄席から噺家締め出そうっちゅう奴がおるらしいやないか。
落語を甘う見たらアカン。
その腹いせにラジオに出るちゅう事ですか?日本国中にわしの噺が流れてお客さんがあちこちでわろてくれはる。
えらい夢があるやないか。
そんなんしたら寄席に客が来ぃひんようになります。
そうか?社長やったら喜んだかもしれんけどなぁ。
師匠!うちにぎょうさん借金あんの忘れた訳やありませんやろな。
次から次へと師匠の贅沢三昧の尻拭いさせられてまあもしラジオに出るんやったらその金返してもらいまっせ。
「返せ」言われてもない袖は振れ〜ん!ならこっちにも考えがあります。
おい!・はい!これでも出はりますか?
(ノック)てんか?
(栞)おてんさんじゃなくて悪かったね。
いや。
おおきに。
どうだ順調か?うん。
まあ一人でおったら何やこう…不安になってな。
手も足もあんまり動かへんしもしかしたらちゃんと歩けんかもしれん。
仕事も戻れんかもしれん。
このままやったらてんに迷惑かけるんやないか思て…。
怖いんや。
藤吉君。
そんな事二度と言うな。
おてんさんがどんな気持ちで君の看病をしていたか分かるか?どんなにつらくても君が戻ってくる事を信じて笑っているぞ。
いいか?必ず歩け。
這ってでも歩け。
おてんさんを悲しませるな。
分かった。
約束や。
ありがとうな。
2018/01/17(水) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 わろてんか(88)「笑いの新時代」[解][字][デ][再]
てん(葵わかな)の献身的な看病のかいあって、藤吉(松坂桃李)はついに意識を取り戻した。そんなとき、てんの母・しず(鈴木保奈美)が京都から見舞いにやって来た。
詳細情報
番組内容
てん(葵わかな)の献身的な看病もあり、意識を取り戻した藤吉(松坂桃李)だが、体に麻痺(まひ)が残り思うように動けず焦りを感じ始める。風太(濱田岳)はラジオ局から、天才落語家・団吾(波岡一喜)の出演を打診されるが、ラジオで芸を披露すれば寄席に客が来なくなると考え、その申し出を即座に断った。やっと藤吉の病状が安定した頃、京都からりん(堀田真由)と一緒にてんの母・しず(鈴木保奈美)が見舞いにやって来た。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,濱田岳,徳永えり,大野拓朗,前野朋哉,堀田真由,鈴木保奈美,波岡一喜,高橋一生
原作・脚本
【作】吉田智子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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