連続テレビ小説 わろてんか(91)「笑いの新時代」[解][字][デ] 2018.01.20

201月 - による admin - 0 - 未分類

風太の奮闘むなしく団吾師匠の声がラジオから流れ…。
(ラジオ・団吾)ラジオをお聴きの皆さん。
(風太)放送始まってんのか。
(トキ)普通に。
(団吾)わしは今京都の放送所からしゃべってまんねん。
やられた!ハハハハ!
(藤吉)さすが団吾師匠や。
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」・「ありがとうと言いたいあなたのために」・「ごめんねと言えないあなたのために」・「パレードはまわり続けてる」何より怖いいうたら死ぬ事でんな。
ホンマに魂抜いてきよりますのが死神っちゅう奴でして…。
なんとも縁起の悪い噺におつきあい頂きます。
ここに1人死神に取り憑かれた男がおりまして借金で首が回らんようになったこのどうしようもない男。
「ああ金のないのは首のないのと同じや。
もうこうなったら死んでしまうよりしかたないわ」。
「おいおい」。
「だ…誰や?あんた」。
「わしゃ死神や」。
「死神?あっお前わしをあの世に連れに来たんやな?急に死にとなったんはお前のせいやな!」。
「そうやない藤吉。
お前にはまだ寿命がある。
勝手に死なれたら困るさかい出てきたんや」。
「そやかて金がなかったら死ななしゃあないやないかい」。
(アサリ)藤吉!?藤吉言うたで!
(万丈目)これ東京落語の「死神」や。
(トキ)東京の?うん。
甲斐性なしの男が死のうとしてたら「まだ寿命がある」言うて死神に助けてもろて金儲けするっちゅう噺や。
(団吾)「お前医者になれ」。
「医者?アホな事言いなはんな!死んで花が咲くかいな」。
すごいな。
こんな東京の噺まで勉強してはったんやな。
この男大金に目がくらみ死神との掟を破ってしまいます。
そして死神に捕まって人間の寿命のろうそくが並んでいる所へと連れていかれます。
(団吾)「これが皆人間の寿命や」。
「この目の前の半分ぐらいの長さで威勢よう燃えてんのは誰のでんねん?」。
「そらお前が大金もろうて助けた病人や」。
「さよか。
元気になりましてんな。
あれその横のは?暗うて短うて今にも消えそうな…。
あっこれまさか…」。
「そうやこれが藤吉お前や。
消えそうや。
消えたら命ないで。
お前の寿命はもっと長かったのに欲張り過ぎたんや。
気の毒に。
もうじき死ぬで」。
「命が助かるんやったら何でもする。
まだまだ俺にはやり残した事がぎょうさんあるんや!」。
「ほなここに灯しかけのろうそくがある。
これにその消えかかってる火ぃを移すんや。
あんじょう移せたら助かるかもしれん」。
「分かりました。
はよ貸しとくなはれ」。
「はよせんと消えるで」。
「横からゴチャゴチャ言いなはんな!死んで花が咲くかいな」。
「そない震えたら消えるで。
消えるで。
ああ…消えた」。
すごいわ。
ラジオやのにろうそく消えたん見えたわ。
人の一生は限られてます。
そやけど限られてるからこそ美しいんや思います。
ろうそくみたいに最後まで明るう燃え尽きたいもんや。
それでは最後に皆さんこの男が末永う生きられますようご唱和を。
死んで花が咲くかいな落語はまだまだオモロなりまっせ!皆さん明日は風鳥亭の高座でお待ちしとります。
月の井団吾でございました。
やっぱり団吾師匠は天才や。

(ラジオ)
(風太)お前ら何わろてんのや。
俺らは今笑いの歴史のとんでもない瞬間を味わったんかもしれん。
(てん)へえ。
てん。
何や分からんが力湧いてきたで。
へ?この団吾師匠のラジオ放送が今まで当たり前やった寄席の世界をぶち壊そうとしてるんや。
俺もはよ退院して働くで!へえ。
また頑張っていきましょ。
やられた。
もうしまいや。
しゃあないわ。
あんたより団吾師匠の方が一枚上手やったんや。
そんな事ない!何わろてんねや!そうかて…。
お前は俺の味方ちゃうんか。
味方って?いつもそばにいてて俺の事よう知ってるやろ。
大口たたいてるけど気は小さいとか。
饅頭粒あんよりこしあん派とか何かそう…。
そやな。
うちはいつもあんたの味方や。
いやちゃう!え?その…そっちの…そういう味方やのうて。
何?お前が好きや。
結婚して下さい。
嫁さんになって下さい。
一生そばにいて下さい。
ホンマに…ホンマにうちでええの?アホ!お前しかおらへんわ。
そのかわり約束せえ。
え?結婚したら俺の三歩後ろを歩け。
飯には甘いもんを一品つけろ。
それと一番大事な事や。
俺より…俺より絶対長生きせえ。
よろしゅうお願いします。
風太とおトキにとって特別な出来事があった翌日。
カラカッチカッチ。
「おいおい…」。
ラジオで初めて団吾の落語を聴いた人々がその面白さに驚き生で見たいと寄席へ押しかけたのです。
ただいま戻りました。
社長。
お帰りやす。
(岩さん)待ってましたで。
(歌子)お帰りやす。
よかったな。
(2人)お帰り。
もう休むんは飽き飽きや。
これから頑張って働くで。
そない無理せんでも何やったらもうひとつきぐらい休んどったらよかったんや。
ここは俺とおトキがいてたら安泰や。
俺と?おトキ?ようやっとこの二人祝言挙げる気ぃになったんや。
お〜っやっとか!おめっとさん!おめでとう風太おトキ。
おおきに。
おめでとうさん。
おおきに。
(亀井)あんたらが結婚できんのも団吾師匠のおかげちゃうか?確かに寄席が繁盛してんのは師匠のおかげやしな。
俺も新しいもんに挑戦する気持ちもろたわ。
へえ。
これからはラジオとケンカせんと仲ようしていきまひょな。
(一同)へえ!こうして北村笑店は笑いの新時代を歩み始めたのでございます〜。
2018/01/20(土) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 わろてんか(91)「笑いの新時代」[解][字][デ]

てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は、ラジオから流れてきた団吾(波岡一喜)の落語に思わず引き込まれラジオで演芸を披露するという新しい変革の波をまざまざと感じた。

詳細情報
番組内容
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は、団吾(波岡一喜)の声がラジオから流れてきたことにびっくりするが、団吾が語り始めた落語に思わず引き込まれる。風太(濱田岳)は団吾に裏をかかれたショックでぼう然となり落ち込んでしまう。藤吉は演芸をラジオで披露するという新しい変革の波をまざまざと感じ、早く仕事に復帰したいと熱望する。おトキ(徳永えり)は元気のない風太を励まそうとするが、風太は意外なことを言い出す。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,濱田岳,徳永えり,大野拓朗,前野朋哉,枝元萌,藤井隆,内場勝則,波岡一喜
原作・脚本
【作】吉田智子

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:10582(0x2956)