たいむかぷせる2

何年か後に見なおして頭を抱えてくなるものたちのあつまり

Japanese Traditional Big Companyのインターンシップを2日で辞めるということ

はじめに

この夏に,とある日系企業,いわゆるSIerインターンシップをしてきたよという話です。結局のところ「合わなかった」という話なのですが,コレは企業の側に落ち度があったとかいう話ではなく,単純に色んな出来事が重なって「ぼくとは合わなかった」という話です。また当たり前ですが,このタイトルに書いているような日系大企業一般に当てはまるということもなさそうなので,まあこういう人もいるんだなくらいに読んでおいていただけるとありがたいです。

なぜ受けたか

そもそも「お前は絶対にSIerには向いていないからやめとけ」と言われたのに受けたのには理由があります。 Web系ばかり見ていて少し不安になった というのが大きいと思います。
ずっとWeb系でインターンやアルバイトをしていて,じぶんはこのままWeb系に就職するんだと思っていました。でもやっぱり新卒というのは不安になってしまうものなんですね。まだまだ入る会社に対して中立になれる立場ですし,少しは今まで見てきた業界を離れてみるのもいいかなと思って行ってみることにしました…。今思うと行かなくてもよかったなという気はしますが。

どんな会社?どんなインターン

いわゆるSIer,システムインテグレータと呼ばれる会社ですが。ITもコンサルもやっているのでITコンサルといったところでしょうか。超大手だし秘密保持契約を結んでいるのであんまりは書けないのですが,流通とか金融とかがつよいところだと思います。給料が高いことで有名です。(そのぶん激務らしいですが)。
インターンの内容としては,実際の業務を体験しよう!みたいな感じの5daysインターンでした。2,3人でグループになって,会社の各部署に配属されるというものです。ITナントカコースと書いてあったので,いちおうIT系の仕事をすることが想定されていたようです。

日程 内容
1日目 オリエンテーション・配属決定
2-4日目 現場配属
5日目 成果発表・打ち上げ

だいたいこんな感じの日程です。5日間のうちの2日目で辞めたということになりますね…。

選考は?

Web系とはまったく違う選考でした。なんかしゅっと決まるかなと思ったら意外とめんどくさくてびっくりしたことを覚えています。

  • SPI試験
    • わざわざ試験場に行かないと受けられないので少しだるい
  • 面接
    • なんかどんなことしてきたかとか,どんなことしたいかとか聞かれた気がする
    • あんまりプログラミングできるかとかは気にされてない感じだった
  • グループディスカッション
    • とある会社の事業戦略を決めるとかだった気がする
    • 時間が少ないので色々と強引に仮定しないといけない
    • ぼく以外のチームメンバーはなぜかみんな女の子だった

面接で「どんなことやってきたか」と「どんなことしたいか」を聞かれたといえば聞かれたんですけど,あとから書きますがその希望に配属されることはありませんでした。ただ今思うと「あんまりプログラミングとかする感じではないし,プログラミングとかは滅多にしないと思う」とはそれとなく伝えられていたような気はします。そこでやめろよという話はありますが,わざわざ試験場まで出向いて受けたSPIを無駄にするのも嫌だったし,受かってから考えればいいかなくらいに思っていたような気がします。

1日目

オリエンテーション

大手町の本社に9時集合とかだったので朝早いなあと思った覚えがあります。この時間設定だと通勤ラッシュと被るので勘弁してくれと思っていました。なんか明確に服装規定が書いてありましたが,そう書いても就活生はみんなどうせスーツで来ると思うのでもうスーツで来いと書いてくれればいいと思います。服装規定に抵触しないような服装で行ったのですが,スラックスとシャツで来ていたのはぼくだけでした…。
なんかそのあとは軽い会社説明会と各種書類の記入をしたあと,チームメンバーの自己紹介をしました。たしか6人チームで, 情報系をやっている人はひとりもいなかった と思います。大学としては早慶旧帝大関関同立MARCHといった感じでした。
印象的だったのは,

「大学ではディープラーニングというのを使った研究をしています」と言ったら
「ああ!教育系なんですねー私もアクティブラーニングを」

みたいに言われたことですね。いちおうIT系を目指しているはずなのにそれで大丈夫か。
当たり前ですが特に技術でがりがりやりたいという人は少なく,ITだと今後安定してそうだし会社も大手だし給料もいいしとりあえず会社見てみるかみたいな人がほとんどでした。意外と女の子も多かったです。
ただし,技術がすきみたいな人はぜんぜんいませんでした。一般的に高給だと言われてるし,なんか今後IT業界まだまだ伸びていきそうだからIT見てみた!みたいな人がほとんどでした。

パスタ立てるやつ

制限時間内にパスタタワーをどこまで高く立てられるかみたいなやつをやりましたた。なんと優勝でした。

グループワーク

いい感じにオリエンテーションをこなした後は,なんか「ITコンサルの仕事を体験しよう!」みたいなやつでした。とある架空の会社があって,そこの現在の状況を書いた資料があるので,色んな分析をしつつ可能な限りでソリューションを提供するとかいうやつです。
技術力すごいね!かしこいね!みたいなことをチームメンバーから言われてなんか嬉しかったのを覚えています。順位はつかなかったけど色々とがんばったらかなり高評価だったので,こんなもんなのかーと思っていました。

部署紹介と配属先決定

そのあとは部署の紹介でした。やっぱり金融だったり物流だったりのシステムを動かしている大きな会社なので,部署ごとにやっているスケールが大きかったなとは思いました。金融の人たちが「ぼくたちは◯千億円動かしています」とか「うちは品質に定評がある」とか「社会の基盤を作っている」とか「業界最大手としての責任」とか色々なこと言っててすごいなとなりました。
そんなこんなで配属先が決定しました。上に述べたイケイケの部署ではなくて,情報セキュリティ系のことをやっている部署のようです。周りを見てみると,プログラミングは未経験だったけど気合でがんばるぞみたいな人たちが多く配属されているようでした。いちおう面接でコンピュータサイエンスを専攻していること,Webアプリケーションと機械学習やデータサイエンスの開発経験があることは伝えましたが,特にそれでなにか配属をしているということはなさそうでした。

2日目

配属先オリエンテーション

ぼくを含めて3人がその部署に配属されていました。いちおう情報系といえば情報系の方々だったようですが,特にセキュリティが専門というわけではないようでした。軽く部署と,実際に行う業務の紹介をされました。
どのような業務なのか簡単に言うと,とある規格を取得したいソフトウェアがあるが,いちいちチェックして作っていなかったので,規格の仕様書と見比べながらひとつひとつチェックしていってほしいといったものでした。簡単に言うと調べ学習です。なんだこれはというのが正直な感想でした。

合わないメンター

案の定,与えられたマシンはレッツノートでした。机もそんなに広くはなかったです。ぼくは机の上にごちゃごちゃ色んなものを出して仕事をするのが好きなのですが,机の上は綺麗にしてねとか,他の人の領域にはみ出してるよとか(境界線があるわけではない),服装がラフすぎるよとか(書いてあった規定は守っている),スマートフォン机の上に出してるけど遊んでるのとか,色んなことを言われたような気がしています。普通にぼくが悪いですね。

辞めることを決意

とりあえず1時間くらいぱらぱら仕様書とソフトウェアを眺めてみて,これは少なくともコンピュータサイエンスを専攻している学生がやる仕事ではないし,この仕事をするために朝早く大手町に来ることで得られるものはじぶんにあるのだろうかと考えました。考えて考えて考えて,それでも,得られるものはないなという結論だったんですね。
与えられた仕事を途中で投げ出すのは人間としてあるまじき行為ですし,この選択肢が正しかったのかとは今も疑問に思うことがあります。でも,それでも,これ以上続けるのは無理だな,という結論に至りました。さすがに精神面での消耗が大きすぎました。
思うように仕事ができなかったり,本質的ではない(と思える)部分を注意されたりするのってかなり精神的にダメージを受けるんですね。チームメイトには申し訳なかったと今でも思っています。

面談アンド面談アンド面談

そうして決意をしてから,とりあえずメンターに「合わないのでやめたいです」と伝えました。彼はそれほど驚く様子もなく「まあ君は合わないと思っていたけど,ぼくだけでは決められないので,とりあえず人事と話して」と言われました。急遽人事トップとの面談です。
面談では,
「じぶんが与えられるものも,得られるものも特にない」
「この配属はミスマッチではないのか」
「周りの学生のレベルが特に高いとも思えない」
「選考の時点でどのような業務をするのか伝えてほしかった」
といったようなことを伝えました。彼は,現在の業務が忙しくどうしてもインターンシップの内容が直前になっても決まらないこと,配属される学生のレベルがわからないためそれほどむずかしいタスクをまかせるわけにはいかないこと,君のような優秀な若者にぜひ会社の今の体制を変えていってほしいということ,などを伝えられました。
会社としてもいわゆる「虎の威を借る狐」というか「会社の威を借る若手社員」に対しては一考の余地があるということでした。会社の社会的名声が大きいので,自ら会社を変えようという社員が少なく(いてもやめていってしまう),とりあえず入っていっぱい稼ごうみたいな社員が大多数ということでした。そしてそこには技術は関係なく,ひたすらに体育会系のノリと人手でのがんばりがあるだけでした。会社としても国内SIer事業が尻すぼみであることは明確であって,なんとか持続可能な事業を生み出し続けなければならないが,会社全体の流れとしてはそうではないのが嘆かわしいということでした。だからこそ君のような人に入社してほしい。君には負担をかけると思うがということでした。
どれくらい本気で言っていたのかは不明ですが,この話を聞けたことでこのインターンシップに行った意味もあるように思えました。

まとめ

給料

5日間すべて出勤しないと報酬は支払われないということでしたが,後日振り込まれました。

Japanese Traditional Big Companyについて

今回はたまたまぼくの例がこうだったというだけであって,すべての日系大企業がこうであるとは思いません。ただし,Web系に慣れていると少々つらい職場であることも事実です。SIerとはいえトップ企業であれば少しは違うのかなと思ったのですが,あんまりそんなことはなかったです。中の人たちはものすごく頭が切れる人たちばかりなのは事実です。

さっさとやめよう

今まで色んなインターンシップに参加してきたのですが,つまるところこれがいちばん大事だと思っています。インターンシップは所詮インターンシップなので,色々と言ってきますがそれほど大したことを会社側も要求していません。我慢して消耗するくらいは,これはやばいぞと思ったらさっさと辞めた方がいいです。

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