真剣に伝えなければいけないことを、顔文字で茶化してはいけない。

十数年前、まだ中学生か高校生かという時期の頃の話です。
初めて遠距離恋愛をしていたときに、こちらのほうで告白をされてしばらく悩み、悩んだ挙句に別れを切り出す決心をしました。
ただ、初めてでどう伝えればいいか分かりませんでした。
嫌いになったわけではないので、別れなければいけないのが正直辛くて、悲しくて。

まだ学生に携帯が普及していない頃の話で、自宅に電話して伝えるのはさすがに辛すぎると感じ、いつも連絡を取り合っているネット(正確にはパソコン通信ですが)のチャットで話をすることにしました。

悩んでいた段階でメールの往復が途絶えていたので、相手はうすうす気付いていたようです。
どんな言葉をつづったか、もう覚えてはいませんが、ただあまりに辛くて申し訳なくて、そんな自分を自分でごまかさないと「言わなければいけない言葉」が出てこないから、顔文字をいつものように使ったのでした。

そのとき言われたのがタイトルの言葉。
「こういう大事なことは顔文字なしで言って欲しかった」と。

まったくその通りでした。
幻滅されて当然。
真剣に伝えなければいけないことを、顔文字で茶化してはいけない。
自分は先述のような思いでも、相手にはとても失礼になってしまう。

その後はしばらく泣き続けました。

携帯のメール全盛になった現在、同様のことをする方は少なくないのではないか、と思います。
気持ちはとても分かります。でも私以外の方々には、どうか同じような間違いを犯さないで……という思いで、いまこれを書いています。
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