【ニューヨーク=山下晃】米イーストマン・コダックは9日、独自の仮想通貨「コダックコイン」を発行すると発表した。写真家の活動を支援するサービスを立ち上げ、作品の販売などに独自の仮想通貨を活用する。発表を受け、米株式市場では同社の株価が一時前日比2.5倍に急上昇する場面があった。
コダックコインは、写真家の作品の保存や権利関係の処理、販売を手がけるサービス「コダックワン」の決済通貨として使用できる。ビットコインなど仮想通貨の土台となるブロックチェーン技術を活用する。1月31日からコダックがコインの発行を始め、希望者は資金を出してコインを引き受ける。
コダックは2012年に米連邦破産法11条を申請して破綻したが、法人向け商業印刷を柱にして再建し、13年にニューヨーク証券取引所(NYSE)に再上場している。米市場では社名を仮想通貨関連に変更した企業の株価が急騰するケースが相次いでいる。