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【社会】

オウム裁判終結 「サリン」など死刑13人

 オウム真理教による地下鉄サリン事件など四つの事件で殺人罪などに問われた元信者高橋克也被告(59)の上告審で、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は被告側の上告を棄却する決定をした。一、二審判決の無期懲役が確定する。国内犯罪史上、類を見ない凶悪犯罪となった一連の事件の刑事裁判は、強制捜査から二十三年ですべて終結する。決定は十八日付で、裁判官三人全員一致の意見。

 教団を巡っては坂本弁護士一家殺害(一九八九年)、松本サリン(九四年)、地下鉄サリン(九五年)各事件などで計二十九人が死亡、負傷者は六千人以上となった。教団関係者計百九十二人が起訴され、元代表麻原彰晃(しょうこう)死刑囚(62)=本名・松本智津夫(ちづお)=ら十三人の死刑、五人の無期懲役が既に確定している。刑事訴訟法の規定に基づき、共犯者の刑の確定までは死刑を執行しないことが慣例となっており、今後は執行の検討が本格化するとみられる。

 一、二審判決によると、高橋被告は地下鉄サリン事件で、日比谷線でサリンをまいた教団元幹部豊田亨死刑囚(49)を車で駅まで送迎。高橋被告は「サリンをまくとは知らなかった」と無罪を主張していたが、判決は、高橋被告が犯行後に解毒剤の注射を求めたとする元幹部の証言などから、毒物をまくと認識していたと認定した。

 高橋被告はこのほか猛毒VXガス襲撃(九四、九五年)、東京・目黒公証役場事務長監禁致死(九五年)、東京都庁小包爆弾(九五年)の各事件にも関与。この四事件の死者は計十五人に上るが、検察側は従属的な立場だったとして、死刑ではなく無期懲役を求刑した。一、二審判決ともに求刑通り無期懲役を言い渡した。

 高橋被告は九五年に特別手配され、二〇一二年六月に東京都内で逮捕された。

<オウム真理教> 1984年、麻原彰晃死刑囚が東京でヨガサークル「オウム神仙の会」を設立。87年にオウム真理教に改称し、2年後に宗教法人の認証を受けた。教団は「アレフ」と名前を変えた主流派、元幹部上祐史浩代表が設立した「ひかりの輪」、アレフからさらに分派した集団の三つに分かれて活動を続けている。

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