絶望モモンガ様(勇者ガゼフ編完結/本編完結)   作:思いつきと実験
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遅くなって申し訳ない。
完結編載せるの忘れてました。


そして、伝説は始まった(完結)

「敗者は勝者に従うでござる。
お主達の言う通りこの森から出て行くでござる」
のそのそと巨体を立ち上がらせてガゼフ達に背を向ける森の賢王。
その姿にたしかな知性と闘う者としての誇りが見えた気がした。

「森の賢王殿」
だからだろうか、ガゼフは気付けばその背に声をかけていた。

「なんでござるか?」
顔だけ振り向き、ヒゲをぴくぴくと動かす姿はとても可愛らしいが、この世界の人間から見ればこの動きもまた深い思慮を思わせてしまうのがとても不可思議である。

「一つお聞きしたい。
これからどちらに向かわれるのか予定はあるのだろうか」
「……ないでござる。
どこか拙者が住みやすい森を探すつもりでござるよ」

「それならば、俺たちと一緒に行かないか?」
それは森の賢王もブレインも予想すらしていない提案だった。
「おいおい、ガゼフ!
お前何考えてんだ!」
先ほどまで死闘を繰り広げていた相手に何を言っているんだとブレインは焦る。

「その提案はどうしてでござろう」
意図がよめない森の賢王からしてみれば罠の可能性すらも疑う提案であった。

「俺とブレインは修行の旅をしている。
その中で初めて出会った強者である森の賢王殿と一緒に旅をし、修行が出来れば我らもさらなる強さを得られると思ったからだ」

「たしかに……俺たちと同じレベルで戦える相手なんてそうはいないってことを考えれば悪い提案じゃないな」
ブレインも強さを求める者として悪い提案ではないと思い始めていた。

事実、この世界には彼らと同格のレベルを持つ者は極少数である。
それ以上は逆に強すぎて今度は修行にすらならないレベルのため、強ち間違えた認識ではなかった。

「人間という者は同種族以外を許さぬ者が多いと思ってござったが、お主達のような者もいるのでござるな」

「ここで出会ったのも一つの縁だと思ってどうであろうか」
ガゼフは森の賢王に向けて手を差し出す。

「俺は人間がどうとかモンスターがとうとかは興味ねえし、俺が強くなるためなら大歓迎だぜ。
一緒に強さを求めるってのも悪くねえしな!」
にやりと獰猛に笑うブレインに邪気はなかった。

森の賢王は初めてこんな人間を見たと思い、誰もが恐れた己を求めてくれたことにわずかな喜びを覚えていることに気づく。

「拙者もさらなる強さを求めるのも悪くはないでござるな。
もしかしたら、旅の途中で拙者の仲間も見つかるかもしれんでござるし」

「おお、では!」

「よろしく頼むでござるよ。
ガゼフ殿、ブレイン殿」
森の賢王は差し出された手を傷つけないようにそっと握り返す。

これが後に伝説のパーティと呼ばれることになる。
2人と1匹の出会い。

その伝説は後の世では13英雄と同等のおとぎ話として語られることになることになるとは今の彼らは知る由もなかった。





俺たちの伝説は始まったばかりだ!

打ち切りのようですが、これが限界です。
ご愛読ありがとうございました。
またどこかの機会があればよろしくお願いします。






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