2018.01.19 08:35

高知の播磨屋橋で電車3両「奇跡」の重なり 軌道交差に熱視線

ダイヤモンドクロッシングに同時に入った3両の電車。写真右下方向に高知駅がある(16日午前8時12分、高知市の播磨屋橋交差点)
ダイヤモンドクロッシングに同時に入った3両の電車。写真右下方向に高知駅がある(16日午前8時12分、高知市の播磨屋橋交差点)
 とさでん交通の路面電車が行き交う高知市の播磨屋橋交差点が、一部の鉄道ファンらから注目されている。播磨屋橋交差点はもともと、鉄道の線路や軌道が平面で交差する「ダイヤモンドクロッシング」という全国的にも珍しい場所だが、高知市で観光ガイドをする男性は「播磨屋橋は世界一のダイヤモンドクロッシング」と胸を張る。いったい何がすごいのか―。


 外国人観光客の通訳やガイドをする高知SGG善意通訳クラブの三井幸一副会長(62)が、播磨屋橋交差点のダイヤモンドクロッシングに関心を持ったのは2017年夏。

 県民市民に見慣れた光景が実は、他には松山市の伊予鉄道など日本に数カ所しかないダイヤモンドクロッシングで、これを目当てに播磨屋橋を訪れる人もいるという。さらに写真を撮っていた鉄道ファンから、こんな話を聞いた。

 「三つの電車が同時に交差点を曲がる瞬間がある」

 多くの電車は播磨屋橋交差点を直進するが、右折したり、左折したりする電車がまれにあり、それが3両重なるタイミングがあるというのだ。

 とさでん交通によると、それは「平日の午前8時12分ごろ」。西から高知駅方面▽北から県庁前方面▽東から桟橋方面―に曲がる電車が重なる可能性があるという。

 本来のダイヤでは桟橋方面に向かう電車の通過時間は他の2両より早いが、運行状況によって遅れが生じ、3両の通行時間が重なる。三井さんによると「1カ月に数回しか見られない」。

 この「奇跡の瞬間」を三井さんは「トリプルクロス」と呼び、動画を撮るようになった。鉄道ファンらと「ダイヤモンドクロス委員会」を名乗り、動画投稿サイト「Youtube」で配信している。

 インターネットで世界中がつながり、ひょんなことからブームが起きる時代。三井さんは観光ガイドとして「高知新港に立ち寄る客船も増えている。世界の人にトリプルクロスのすごさを知ってほしい」と目を輝かせている。

カテゴリー: 社会