トルコ、シリアのクルド人勢力に砲撃 全面攻撃の構え

2018.01.20 Sat posted at 10:32 JST

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トルコ・ガジアンテップ(CNN) トルコがシリア北部のクルド人支配地域、アフリンへの全面軍事作戦に踏み切る構えを強めている。19日にはクルド人戦闘員に対する砲撃を強化、トルコ国防省は軍事作戦が「事実上」進行中だと明らかにした。

米国がシリアで3万人規模の国境警備隊の訓練を進めていると発表したことを受け、トルコ高官はここ数日アフリンへの攻撃が間近だと警告してきた。国境警備隊は主にクルド人戦闘員で構成されている。

エルドアン大統領は、米国がシリア国境沿いに「テロの軍隊」を作り出していると非難。トルコ政府は国内南東部で長年クルド人勢力と対峙(たいじ)しており、シリアにクルド人国家が建設される事態を断固として阻止する構えだ。

シリアのクルド人勢力は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」との戦いの中で、北部の広範な領域を掌握した。これに対して、トルコは以前にもクルド人勢力に対し軍事力を行使したことがある。

ただ、今回クルド人戦闘員のみを標的にした新たな作戦に踏み切れば、既に7年近く続くシリア内戦における新たな前線を開くことになりかねない。

米当局者は19日、CNNに、米政府は新作戦に関し深刻な懸念を抱いていると述べ、トルコによる全面軍事進攻の可能性が今週末の焦点になると明らかにした。別の国防当局者によれば、戦車や重装備運搬車などを含むトルコの車両50台以上がシリア国境地帯で確認されているという。

国防総省のナウアート報道官は18日、トルコに対し作戦開始を見送るよう要求したと説明。「軍事行動に踏み切るのではなく、引き続きISIS対策に焦点を置くよう求める」と述べた。

トルコ国営アナトリア通信によると、トルコ陸軍幹部は18日、モスクワでロシア軍関係者と会い支援を求めた。ロシアはシリアの最も強力な同盟国で、内戦終結に向けてトルコ、イランとともに停戦合意の仲介に動いてきた。

トルコのチャブシオール外相はCNNトルコに対し、ロシアとイランに作戦での領空使用について相談していると明らかにした。ロシア国防省はコメントをしていない。

シリア外務省高官は、トルコの作戦は「敵対行為」に値し、シリア軍は領空に侵入したトルコ軍機を撃墜する準備を整えていると反発した。

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