「悲惨な食生活を送る一流の料理人はいません。それと同じく、良い書き手は例外なく読書家です」
LINE田端さんがTwitterで推奨していた本『はじめての編集』菅付雅信さん著は結構示唆的で面白かったです。冒頭の言葉にはドキッとしますね。
- 編集とはブログ運営にも通じる
- 美しく正しい文章は素人のもの、そしてプロはこころを躍動させるものでなくてはならない
- 結局みんな流し読み、それなら紙面のデザインもとても重要。
- 雑誌の裏側とは、ここまで力を入れているものだったのかという驚き
編集とはブログ運営にも通じる
編集とは「ことば」「イメージ」「デザイン」であると菅付さんはいいます。そして企画も重要であると。たとえば
といったまずは企画の重要性が説かれています。
こうした企画のサンプルはブログ運営にも役立ちますね。以降は、「編集」ということばを「ブログ運営」や「Webメディアで執筆すること」に換えて読みました。
美しく正しい文章は素人のもの、そしてプロはこころを躍動させるものでなくてはならない
孫引きになりますが、永江朗さんというライターが書いた文章の本音として「正論を書くな。つまらない」「天下国家を論じるな。それができるぐらいなら政治家か政治評論家になれ」「好きなことだけ書け」というものがありました。これも、文章についてヒントになります。
そして文章力とはまた別の編集力の問題として、「タイトル付けには永遠に悩む」という本音も吐露されています。たしかに、私もうまくキャッチコピーがつけらないのですよね。
結局みんな流し読み、それなら紙面のデザインもとても重要。
身も蓋もない事実ではありますが、みんな斜め読みですよね。私もそうです。そしてピックアップつつ情報を得ていくには、そもそも「ながら読み」や「スマホで空き時間に読む」といった行為に合わせていくことが大切だそうです。
たしかに、ブログに広告入れるにしてもデザインを考えるにしても、スマホファーストですよね。今回から、アイキャッチ、フォント、見出しや目次、そして強調やデザインなどに少しは労力を投入しようかと思います。仕事の案件なら、テキスト納品だけでも良いでしょうが、ひとりでブログメディアを運営していくには、叡智がなくてはなりません。
「自分が最先端だと思わないこと、先人の肩に乗って遠くを見つめること」
この言葉もとても響きます。
また、糸井重里氏のことばとして、「誠実に仕事に取り組むこと。スピーディにデタラメを書ける技術をもっていても仕方ありません。」といった記述も。キュレーションが話題になる前から気がついていたのですね。
雑誌の裏側とは、ここまで力を入れているものだったのかという驚き
紙の編集さん、紙のライターさんへのリスペクトがますます持てるようになりました。これだけ信念を持って働き、相互にアイデアを出し合って刺激しあい、丁寧に仕事をし、取材を意欲的に行って、最新のカルチャーを紹介する。そりゃ、雑誌が面白いわけですね。
しかしそんなに熱量が高い雑誌が、なぜ売上が伸び悩むのでしょうか。出版不況もありますが、紙面というフォーマットにもはや限界が来てるのでしょうか。しかも雑誌関係のクリエイターは軒並み報酬がさがっていると聞きます。その代わり伸びているのが私のようなWebライター。(コタツ記事だと揶揄されることもありますが。)
これだけのコンテンツ力を備えたポテンシャルの高い人材が、いよいよWebに軸足を移すようになったら、業界の勢力図は変わりますね。楽しみなような、心配なような・・・。
2012年の本ながら古びておらず、書く仕事(ライター)、Webメディアをやってみたい人、そしてブログをセンスよく読まれるサイトに仕上げたい人にとっては、必読だと思いました。良い本だと思います。
田端さんが紹介していた本は、あと2冊あるのでまた。
スポンサー