俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

小室哲哉さんが看護師と不倫して引退表明する騒動を見て、男はいつまで「現役」でいられるのかを考えた。




僕はチンコがたたない。
ネタではなく、本当にたたない。

このたたないチンコのせいで、どれだけ悔しい想いをしてきたかわからない。

祈るような気持ちでメールを送り、デートの約束を取り付け、薄暗い横並びのダイニングバーで必死に口説き、勇気を振り絞って家に誘い、部屋で飲み直し、覚悟を決めてベッドに誘い、いい雰囲気で盛り上がり、そしてチンコがたたない。

「君を大事にしたいだけなんだ」

とか

「時間をかけて関係を深めていきたいよね」

とか、チンコがたたない言い訳ばかりがうまくなり、愛は大きく育っても、肝心のチンコは全く大きくならない。


無論、性欲がないわけではない。
むしろ溢れんばかりの性欲で、いかにおっぱいが世界を平和にしているかについて、いつも真剣に考えている。

おっぱいよ、本当にありがとう。


ベッドの上でチンコが反応しないこの苦しさ、この焦燥感、この切なさは、豊かなチンポを持つ男たちには決して理解できまい。

「立つんだ...立てよ...立ってくれよ...」

と祈るような、すがるような気持ちで念を込めても微動だにしない。

そのチンコ、動かざること山の如し
立たざるチンコ、枯れ枝の如し


そんな不動のチンコを持つ者として、30歳を過ぎた頃から常々


「引退」


について考えてきた。

性的なものからの「引退」である。


長い間、女の尻を追いかけてきた。
チンコの死期を身近に感じていたからこそ、生き急いでいた部分はある。

この胸の奥にある溢れんばかりの性欲が、枯れ果てる時期が刻一刻と近づいてきているのではないかと。

「男なら死ぬときは、例え溝の中でも前のめりに死にたい」

と坂本龍馬が言ったように、チンコの生を、いや性を全うして前のめりに生きていきたかった。
立てなくなっても後悔するまいと。


男は40代になる頃には性欲が枯れ、チンコはまるでのように何に対しても反応しなくなり、仙人のような気持ちで日々を過ごすことになるのだろうと思っていた。

しかし、実際に自分が40代に近い人と関わるようになって、どうもその予想は正しくはなかったらしいことがわかった。


おっさんは意外と、性欲が強いのである。


たしかに多くのまともな社会人は、性の匂いなど感じさせず、家族思いの素晴らしい父親として日々を過ごしている。

その一方で、人間の欲望を隠すことなく表現するツイッターのような場所では、40代でもチンコビンビンで女の尻を追いかけているのである。


40代、意外と性欲あるじゃんと。
仙人になれてねえじゃん。


そんな豊かなチンコを持つおっさんが数多くいるツイッターで、小室哲哉さんの不倫の話を見つけた。

週刊文春がスクープしたらしい。久しぶりの文春砲である。

まだニュースを読んでいない人のために、内容を簡単にまとめておきたい。

  • 小室哲哉さんが都内のクリニックに勤める看護師と不倫していたらしい
  • 小室さんは妻・KEIKOさんの看病に疲れ果てていて、心に隙間ができていたらしい
  • 不倫報道を受けて、音楽活動からの引退を表明
  • 小室さんの記者会見は多くの人の同情と共感を呼び、引退を惜しむ声が上がっている
  • 鈴木亜美やTRFなど、多くの人が「小室さんは父のような存在。涙が止まりません」と悲しんだ
  • アラサー世代が多いツイッターでも多くの人が悲しんだ


「踊る君を見て 恋がはじまって
あなたの髪にふれ 私ができること 何だかわかった」

という歌詞と共に、小室ファミリーの思い出がフラッシュバックする。
小学校の給食の時間にいつも校内放送で流れていた。

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これは「Can't Stop Fallin' in Love」のYoutubeの映像である。

小室哲哉とKEIKOが手を合わせる瞬間がとても良い。

小学校高学年の頃に「小室ファミリー」という言葉が流行って、細い眉毛に小麦色の肌をした「アムラー」が街に現れた。
厚底の靴を履いて、ヤマンバのようなメイクをしたヤバいギャルが渋谷を歩き、白いたまごっちが4万円で売れた。

小学生はミニ四駆に熱中し、俺達のヒーローはミニ四ファイターで、学校ではハイパーヨーヨーの技を披露した。

1990年代の終わりのことだった。

「どこまでも限りなく、降り積もる雪とあなたへの想い」

globeの曲がラジオから流れ、その後に鈴木亜美の曲が流れ、安室奈美恵の曲が流れ、最後にPUFFYの「アジアの純真」が流れた。


「CAN YOU CELEBRATE?」

ドラマ「バージンロード」で安室奈美恵の曲が流れる。

永遠ていう、言葉なんて、知らなかったよね。

作詞・作曲。小室哲哉。


今のようにスマートフォンを持つ人はおらず、インターネットを使う人もいないあの時代で、誰もが小室ファミリーの曲を口ずさんでいた。

小室哲哉は間違いなく、あの頃の時代を作っていたのだ。


正直に言うと、僕はこの記事を書き始めたとき、小室さんが59歳にもなって不倫して、チンコがしっかり立っていたことをイジり倒すつもりでいた。

哲哉(59)のチンコはしっかりと立っていたのだ、と。

でもなんでだろう。
僕の胸に刻まれた数々の曲を思い出すと、とてもじゃないけど小室さんをいじる気にはなれなくなってしまった。

文章を書きながら、globeの曲がエンドレスにリピートしてる。


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Departure、紅白歌合戦で流れてたっけ。
不倫をしたことが間違っていないというつもりはない。

それはそれとして、ここでは大きな声でお礼を言いたい。


小室さんありがとうと。


俺は小室さんが作った曲を忘れないよ
不倫して、少し間違っちゃったかもしれないけど、曲の良さは変わらないよ。
永遠ていう言葉なんて知らなかったけど、小室さんの曲はこれからも忘れないよ、と。


「Can't Stop Fallin' in Love」
www.youtube.com


「Departures」
www.youtube.com


「CAN YOU CELEBRATE? feat. 葉加瀬太郎」
www.youtube.com