SNSを見ていると、記事タイトルに加えてその感想が流れてきます。それを見ていると、考えさせられる指摘に加え、「あれっ?」と思うような反応もいくつか見られることがあります。
その反応と記事の内容を見るに、どうも「タイトルのインパクトに引きずられる」のが原因として大きそうだという感覚があります。記憶にある「インパクトのあるタイトル記事」でいうと、「ウイルス対策ソフトは死んだ」や「(エンジニアは)10年は泥のように働け」などが挙げられるかもしれません。
インタビュー記事などでは、1時間ほどの対話の中で最も印象に残った言葉をタイトルに持ってくることが多いです。しかし、その言葉の背景には、その言葉が持つ印象とは大きく異なる事情があるかもしれません。もちろん記事内ではそのポイントも押さえているでしょうが、本文を読まないことにはそれが伝わりません。
SNS時代、シェアされるのは「タイトル」と「感想」のセットです。感覚的な話で恐縮ですが、世の中の反応には、多くの場合「タイトルだけしか読んでない感想」が含まれているように思えます。
「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。
私が編集職に就いたときに、先輩編集者からは「タイトルは重要だ」と教えられてきました。そのときはまだSNSがメジャーではなかったので、その意味は「記事全体を10数文字で簡潔に表現した上で、筆者の意見をきっちり反映したもの」であると私は認識しています。タイトルが興味をそそらなければ、誰も本文を読んではくれないからです。
SNS時代になってもその基本は変わらないと思っています。しかし、そこには「とにかくクリックさせたい」という、より強い欲求が生まれてきたとも思っています。「ページビュー」が増えれば「広告閲覧/クリック」が増え、「お金になる」からです。クリック数が利益につながるため、ページビューの悪魔に取りつかれてしまうと、タイトルはどんどん扇情的になってしまいます。
今のインターネットでは、性善説を前提にすることは難しくなりました。インターネット上で無料で見られる記事群は、むしろ「全てのタイトルは真実ではないかもしれない」と構えてからクリックするくらいの心構えが必要かもしれません。
では、私を含め「記事を書く側」のタイトル心構えを考えてみましょう。
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