概要
魔理沙が死んでも「アリガト☆」と平静を装うアリスと、彼女を心配する幽々子たち。彼女たちはスカーレット・マネジメント社社長の別邸へとやってきていた。
そこにはレミリア、咲夜の他、今回の容疑者たるパチュリーと小悪魔が呼ばれていた。アリスは、余裕の様子で工学三原則の欠陥について尋ねるパチュリーに、前日のボーダー商会での顛末を説明しはじめた。
重度のきのこアレルギーであるアリスに、きのこエキスの入った紅茶を「ロボット」(魔理沙)から手渡され、それを飲んで昏倒してしまった事。
そして、その紅茶は元々別のロボット(橙)の持ってきたものであり、それにより安全だと判断してアリスに紅茶を手渡した、という事。
飲み物を入れるロボット(橙)は、「入れたもの(きのこエキス)が、大多数の人に対して無害であること」が認知出来れば良い。
飲み物を人に渡すロボット・・・(魔理沙)は、「それが、飲ませる相手(アリス)に害の無い物」であるかが認知出来ればいい(お茶を持ってきた自分以外のロボット(橙)も第一条の下で動いているハズだから安全だと認知する)。
故に、アリスは第一条を
ロボットは人間に危害を加えてはならない
またその行為を看過することによって、
人間に危害を及ぼしてはならない
ただしロボットはその行為が人間に危害を
及ぼすのか、知っていなければならない
と書き換えるべきだ、と指摘する。
そして、エーリン殺人事件では、"橙の役をうどんげ"が、"魔理沙の役をてゐ"がやらされたという。
それでも私がやったということにも証拠にもならない、と言うパチュリーの前に、うどんげがやってきて証言を始める。エーリンはアレルギー疾患で、パチュリーが事件の前日に、免疫抑制効果のある薬をエーリン・うどんげの家に持ってきており、うどんげはそれを薬溶液に混ぜたのだという。
うどんげが証言していることに驚くパチュリー。アリスは、ロボット工学第二条「ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。」という条件を破らせ、人間の命令(幽々子たちからの事件の真相を話せという命令)を拒否させる方法が見付かったという。
それは、第二条の後半部分「ただし、与えられた命令が第一条に反する場合はこの限りではない。」を利用したもので、うどんげが与えられた命令に服従する(事件の真相を話す)ことで、パチュリー(人間)に危害が及ぶことを教えたのだという。
こうすることで、パチュリー(人間)に危害が及ぶ故にうどんげは真実を話すことが出来ず、幽々子たちと押し問答を繰り返していたのだが、にとりら優秀なロボット技師のおかげでなんとかなった(笑)という。
パチュリーが置いていった薬はアレルギー疾患の際に飲む免疫抑制作用のある薬ではあるが、もし妊娠している時に飲んでしまうと急性肝不全を引き起こしてしまう副作用があるのだという。エーリンはアレルギー疾患のことといい妊娠のことといい自分の弱みを他人に見せたがらない性格で、うどんげはエーリンの妊娠を知らずに薬を出してしまったのだ。
パチュリーはこの三原則の問題点を利用し、レミリアらにも内緒でロボット兵器の作成に着手していたようで、それをエーリンに知られて犯行に及んだのだ。
こうして全ての真相が解き明かされ、パチュリーと小悪魔は逮捕されることとなった。
しかし、アリスにはまだやるべきことが残っているのだった・・・
登場人物
アリス ・人間
幽々子 ・人間
妖夢 ・ロボット
パチュリー ・人間
小悪魔 ・ロボット
霊夢 ・人間
文 ・人間
にとり ・ロボット
うどんげ ・ロボット
輝夜 ・人間
レミリア ・人間
咲夜 ・ロボット
紅美鈴 ・ロボット
魔理沙 ・ロボット
事件考察
ほんへだけでは語られ無かった事件についての考察。考察であり公式(HZN)の考えと同じかどうかは不明。
考察1、ボーダー商会での顛末
- アリスと魔理沙のことを鬱陶しく思った八雲紫が、事前に"アリスがきのこアレルギーである"ことをリサーチする
- "橙にはアリスがきのこアレルギーであることを告げずに"紅茶にきのこエキスを入れさせ、運ばせる
- ただし橙にはそれとなく魔理沙に紅茶を渡すように指示し、魔理沙に紅茶を渡すことで、魔理沙の手からアリスへ紅茶が手渡されるように仕向ける。
- アリスが魔理沙から受け取った紅茶を飲んで昏倒、魔理沙も第一条に矛盾して破損する
以上の予測が恐らく一番可能性としては高いと思われる。いとうあさこが幽々子に逮捕された際に「アリスがきのこアレルギーだと知らなかった」等言い逃れしなかったことからもうかがえる。
三行目のそれとなく魔理沙に紅茶を渡す点の難易度が高いことから、結果として一石二鳥にはなったものの、紅茶で狙ったのはアリス一人だけで、魔理沙に関しては別の排除プランを考えていた可能性もある。
ちなみにこの予測だと、いとうあさこを逮捕出来たのはほぼ99%運、というより彼女の完全な自滅であり、何も知らずに無邪気に紅茶を飲んで魔理沙を壊したアリスは棚から牡丹餅である。(仮にアリスがきのこエキスか何かを仕込まれるのをわかった上で紅茶を飲んでいたとしたら、魔理沙を壊したは完全にアリスの故意ということになる)
考察2、うどんげの口封じについて
パチュリーがうどんげに、人間の「事件の真相(パチュリーが薬を置いていき、その薬を自分が薬溶液に混ぜたという事実)を話せ」という命令を拒否させるために、後半の「ただし、与えられた命令が第一条に反する場合はこの限りではない。」を利用した、という点。
うどんげが「事件の真相を話す」という命令を実行することにより、人間に危害が及ぶ、という状況をパチュリーが作り出したという事らしい。
恐らく、うどんげが真実を話すとパチュリー(人間)が捕まってしまう、あるいは罰を受けて死刑にさせられてしまう、とか教え込んだことにより真実を話せなくなってしまったものだと思われる。
考察3、本事件の顛末
- ボーダー商会から武器を買い取り、ロボット兵器の開発を研究していたパチュリー。しかし、そのことを同じロボット工学者のエーリンに知られてしまう。
- 何らかの方法(笑)でエーリンのアレルギーと妊娠の事実を知ったパチュリーは、妊婦にのみ有毒な薬を手に入れてエーリンのもとに出向く。
- 薬をうどんげに与え、「私が薬を持ってきたことがバレると危害が及ぶ」と付け加え、薬をてゐを経由してエーリンに飲ませるように命令する(第二条)。
- てゐがエーリンに薬を飲ませる。しかし薬により急性肝不全を引き起こされたエーリンはその場で死亡。てゐはその様子を見て、自分がエーリンに危害を加えた(第一条)と思い、ショートを起こして機能停止する。
というものであったと考察される。
本作品における、いわゆる"ポカ"
これは、エーリンの殺害に使われた"ブレディニン"のことを指していると思われる。
ブレディニンは作中でも説明されているように一般にも市販されている免疫を抑える薬である。
ブレディニンは今作のエーリンのような、妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人には処方が禁止されている。
が、禁止されている理由は、ブレディニンの動物実験での胎児に対する催奇形作用(子供が奇形になってしまいやすい効能)が報告されているから、である。決して妊婦がブレディニンを採取してからといって急性肝不全で死んだりはしない、らしい。
一応、ブレディニンの副作用にて急性腎不全がおこることがあるらしいが、それは妊娠云々とは関係なく引き起こるらしく、また起こる可能性は高くない。
よって、今件は『毒性はあるが死亡率は低い薬を飲ませたらたまたまエーリン死んじゃった☆』という推理モノにはあってはならないガバガバご都合主義展開であり、今作品を推理モノではなく激寒SF人間ドラマ作品とせざるを得ない要因なのである。
ただ、ブレディニンでも妊婦死んじゃうかもしれない!という話を聞いたことがある兄貴がいたら是非とも編集していただきたい。
総評
まだまだツッコミどころは色々あるだろうがキリが無いので考察はこのあたりにしてあとはダッシュで帰っちゃえ!
犯人の特定、事件解決の糸口、さらには事件の真相まで何から何までご都合主義展開で、少なくとも推理モノとするならばとてもお粗末なものである。そもそも視聴者に解説・補填してもらわないと全ての謎が解決しない、というのはいかがなものか。
人間(ロボット)ドラマパートにしても、自分でロボット(魔理沙)を潰しておいてそんな感傷的になられても・・・と思わず言ってしまいがちなところ。
他、名推理兄貴(特にアシモフ作品既読兄貴)が居れば意見などお寄せいただきたい。
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