絶望モモンガ様(勇者ガゼフ編完結/本編完結) 作:思いつきと実験
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ストッパー(モモンガ様)のいないさすデミで世界がヤバイ
変わり始めた勢力図ナザリック大地下墳墓、第5階層の一角「真実の部屋」に配置された僕であるニューロニストは大忙しだった。
ナーベラルたちから送られてきたエ・ランテルの事件の首謀者からの情報の引き出し。
デミウルゴスの依頼の八本指の支配者たちの洗脳と調教。
調教については恐怖公に手伝ってもらったが、久しぶりに忙しかったと、ニューロニストは振り返る。
だが、それ以上に楽しかったのだ。
創造者にそうあれと作られた存在はそのためにいる。
拷問洗脳こそが役割であるがゆえにそこに本懐を感じていた。
この先、デミウルゴスが暗躍を続ける限り彼の仕事が減ることはないだろう。
楽はさせてくれないわねと、呟きながらもその声は弾んでいた。
***
デミウルゴスの号令の下、セバスを除いたモモンガの事実を告げられたメンバーは再び一堂に会していた。
「お集まりいただきありがとうございます。
さて、ここまでの報告となりますが……」
デミウルゴスは時間が惜しいと挨拶をそこそこに報告を開始する。
現在、王国と呼ばれる人間の国の裏社会は完全に掌握し、表側も時間の問題。
セバスは英雄としてエ・ランテルを拠点にして冒険者として活動中。
冒険者としてはアダマンタイト級から開始となる異例の大抜擢である。
本来ならありえないが、街を救い、拳ひとつで辺りを吹き飛ばす光景を多くの者が見ていたからこそである。
「ここまでは計画通りに進行しております」
「ふーん、いろいろやっているでありんすねぇ。
さすがデミウルゴスでありんす」
いい加減な廓言葉でシャルティアは絶賛する。
不貞腐れてるような発言にも聞こえるのはそろそろ自分にも役目を寄越せと言っているのかもしれない。
たしかに、このままデミウルゴス、セバスだけが活躍し続けてしまえばモモンガが目覚めたときに自分は褒めてもらえないではないかとシャルティアは考えていた。
「安心してください。
そろそろ貴女の力が必要となる場面がありますので」
デミウルゴスはシャルティアの機嫌を察し、先に告げておく。
さすがの気遣いであった。
さらにデミウルゴスの報告は続く。
ニューロニストによる情報の吸出しの結果、この世界には法国という国があり、人類の守護者と称して幾つかの特殊部隊を擁しているとのことである。
その特殊部隊の中でも漆黒聖典は最強の部隊であり、人類最強とワールドアイテムと思しき物も保有しているという情報であった。
「ワールドアイテム……」
誰かの息をのむ声が聞こえる。
かつて主人たちを苦しめたとされる最強のアイテムの一つ。
「あくまでもその可能性があるというだけです。
警戒しておくに越したことはありません」
デミウルゴスはワールドアイテムと言ったが、彼は正確なワールドアイテムの情報を持っていないため判断ができないのだ。
あくまでも聞き出した情報と、ナザリック内の記録などからワールドアイテムかもしれないという判断を導き出したに過ぎない。
デミウルゴスはこんなときモモンガ様がいてくださればと、己の無力さを痛感する。
やはり至高の御身の叡智には到底及ばぬようですと、自嘲する。
尤も、そんな内心をモモンガが知ればあまりの勘違いに間違いなく感情抑制で光り続けていたことだろう。
寝てても起きてても勘違いされるのはきっとモモンガのもつ隠しスキルなのかもしれなかった。
***
ザイトルクワエ。
世界を滅せる存在。
ナザリック陣営から見れば雑魚でしかないが、この世界の強さの水準を考えれば驚異以外の何者でもない。
ザイトルクワエの暴走を最初に気づいたのは陽光聖典の隊員だった。
不運だったのは彼らの中に相手の強さを見抜ける者がいなかったことだ。
ゆえにその先を語る必要はないだろう。
元々彼らに勝ち目などない。
圧倒的な力の前に陽光聖典は、ガゼフ討伐の際に使用しなかった切り札ごとザイトルクワエによって蹂躙されることとなった。
ナーベラルたちから送られてきたエ・ランテルの事件の首謀者からの情報の引き出し。
デミウルゴスの依頼の八本指の支配者たちの洗脳と調教。
調教については恐怖公に手伝ってもらったが、久しぶりに忙しかったと、ニューロニストは振り返る。
だが、それ以上に楽しかったのだ。
創造者にそうあれと作られた存在はそのためにいる。
拷問洗脳こそが役割であるがゆえにそこに本懐を感じていた。
この先、デミウルゴスが暗躍を続ける限り彼の仕事が減ることはないだろう。
楽はさせてくれないわねと、呟きながらもその声は弾んでいた。
***
デミウルゴスの号令の下、セバスを除いたモモンガの事実を告げられたメンバーは再び一堂に会していた。
「お集まりいただきありがとうございます。
さて、ここまでの報告となりますが……」
デミウルゴスは時間が惜しいと挨拶をそこそこに報告を開始する。
現在、王国と呼ばれる人間の国の裏社会は完全に掌握し、表側も時間の問題。
セバスは英雄としてエ・ランテルを拠点にして冒険者として活動中。
冒険者としてはアダマンタイト級から開始となる異例の大抜擢である。
本来ならありえないが、街を救い、拳ひとつで辺りを吹き飛ばす光景を多くの者が見ていたからこそである。
「ここまでは計画通りに進行しております」
「ふーん、いろいろやっているでありんすねぇ。
さすがデミウルゴスでありんす」
いい加減な廓言葉でシャルティアは絶賛する。
不貞腐れてるような発言にも聞こえるのはそろそろ自分にも役目を寄越せと言っているのかもしれない。
たしかに、このままデミウルゴス、セバスだけが活躍し続けてしまえばモモンガが目覚めたときに自分は褒めてもらえないではないかとシャルティアは考えていた。
「安心してください。
そろそろ貴女の力が必要となる場面がありますので」
デミウルゴスはシャルティアの機嫌を察し、先に告げておく。
さすがの気遣いであった。
さらにデミウルゴスの報告は続く。
ニューロニストによる情報の吸出しの結果、この世界には法国という国があり、人類の守護者と称して幾つかの特殊部隊を擁しているとのことである。
その特殊部隊の中でも漆黒聖典は最強の部隊であり、人類最強とワールドアイテムと思しき物も保有しているという情報であった。
「ワールドアイテム……」
誰かの息をのむ声が聞こえる。
かつて主人たちを苦しめたとされる最強のアイテムの一つ。
「あくまでもその可能性があるというだけです。
警戒しておくに越したことはありません」
デミウルゴスはワールドアイテムと言ったが、彼は正確なワールドアイテムの情報を持っていないため判断ができないのだ。
あくまでも聞き出した情報と、ナザリック内の記録などからワールドアイテムかもしれないという判断を導き出したに過ぎない。
デミウルゴスはこんなときモモンガ様がいてくださればと、己の無力さを痛感する。
やはり至高の御身の叡智には到底及ばぬようですと、自嘲する。
尤も、そんな内心をモモンガが知ればあまりの勘違いに間違いなく感情抑制で光り続けていたことだろう。
寝てても起きてても勘違いされるのはきっとモモンガのもつ隠しスキルなのかもしれなかった。
***
ザイトルクワエ。
世界を滅せる存在。
ナザリック陣営から見れば雑魚でしかないが、この世界の強さの水準を考えれば驚異以外の何者でもない。
ザイトルクワエの暴走を最初に気づいたのは陽光聖典の隊員だった。
不運だったのは彼らの中に相手の強さを見抜ける者がいなかったことだ。
ゆえにその先を語る必要はないだろう。
元々彼らに勝ち目などない。
圧倒的な力の前に陽光聖典は、ガゼフ討伐の際に使用しなかった切り札ごとザイトルクワエによって蹂躙されることとなった。
※陽光聖典、ザイトルクワエに敗北&全滅
漆黒聖典がザイトルクワエ討伐に動き出しました。
※ピニスン死亡、森の賢王逃亡
トブの大森林3分の2崩壊