絶望モモンガ様(勇者ガゼフ編完結/本編完結) 作:思いつきと実験
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今日もサクサク飛ばしていきます(おい
英雄の誕生エ・ランテルは今、未曾有の危機に直面していた。
突如発生したアンデット軍団。
一体一体の実力は大したことはない。
だが、無限のように湧き上がる軍勢に疲労する人間では時間と共に劣勢となる。
しかし、所詮は低級アンデットである。
それだけならばどうにかなるはずだった。
計算が狂ったのは一瞬であった。
低級アンデッドの群れの中から突如巨体のアンデッドが湧き出したのである。
その巨体を確認したとき、どれほどの人間が敗北を覚悟し、死を覚悟しただろうか。
冒険者ならばその異様がどれほど厄介な者かを知っている。
スケリトル・ドラゴン。
魔法を無効化する並の冒険者では歯が立たない存在。
それを見た兵隊が逃げ出しとしてもそれを責めることは出来ない。
その驚異は戦線を蹂躙する。
魔法の掃射によって拮抗していた状況において、魔法を無効化する存在は敗北の具現となった。
たった数度の攻撃で冒険者まで徴収してまで作り上げた防衛戦は崩壊した。
もはや壊滅は時間の問題でしかない。
誰もの思考に弱気なものが浮かび上がる。
ならば逃げる?
家族を捨てて?
自分だけでも?
絶望の未来を予期し、己の弱さを嘆く。
もうこの街は終わりだ。
誰かが呟いたそのとき、かつて聞いたことがない巨大な衝撃音と共にスケリトル・ドラゴンがまるでハンマーによって押し潰されるが如く、砕け散っていた。
「は?」
誰かが間抜けな声をあげる。
これは夢ではないだろうか。
勝手に砕け散った?
ありえない。
衝撃の中心を見れば、陥没した地面の上に一人の品の良い執事服を着た老人が立っていた。
「加勢いたしましょう」
それは場にそぐわないほど静かで重厚な声。
老人……、セバスはもう一体の迫り来るアンデッド軍団とスケリトル・ドラゴンを見る。
「調子に乗るのもそこまでにしていただきましょうか」
呟き、腰だめに拳を構える。
完全な本気を出す必要などはない。
だが、セバスはこの状況に本気で怒りを覚えていた。
困った人がいたら助けるのは当然。
創造主の信念はセバスの根幹に焼き付いている。
ゆえに、この状況に遠慮などない。
心の赴くままの全力を拳に乗せて解き放った。
その拳の動きを見切れた者はいなかった。
音を引き裂き、遅れて発する神速の拳の衝撃は前面全てを地面を抉りとるようにしてアンデッド軍団を消滅させていた。
そう、文字通り消滅である。
完全にやりすぎだった。
もしここにデミウルゴスがいたら間違いなく頭を抱えていたに違いない。
それほどまでに完全無欠にオーバーキルである。
メタなことを言うとしたら、対陽光聖典の際に超位魔法を使用するくらいの容赦のない無駄打ちである。
いくら予定通りで、主犯ごと消し去るほどの攻撃をするという作戦であったとしても実行が早すぎて何を考えているんだと言われるレベルだ。
裏では本当に間一髪でナーベラルとエイトエッジアサシン達が主犯の老人、カジットと女戦士のクレマンティーヌを眠らせて転移させたところであり、裏方の彼女らはあまりのギリギリさに死ぬ思いをしていた。
「これで大体片付いたでしょうか」
そんな裏側を知ってか知らずか、セバスはいけしゃあしゃあと言葉を漏らす。
瞬間、怒号のような歓声が響き渡った。
幾重にも重なる歓声は生き残った喜びと英雄の一撃への興奮であった。
鳴り止まない歓声の裏で悪魔は笑う。
計画の一段目は成った。
次の段階へと進むとしよう。
そして、黄金の姫は悪魔の手を握った。
突如発生したアンデット軍団。
一体一体の実力は大したことはない。
だが、無限のように湧き上がる軍勢に疲労する人間では時間と共に劣勢となる。
しかし、所詮は低級アンデットである。
それだけならばどうにかなるはずだった。
計算が狂ったのは一瞬であった。
低級アンデッドの群れの中から突如巨体のアンデッドが湧き出したのである。
その巨体を確認したとき、どれほどの人間が敗北を覚悟し、死を覚悟しただろうか。
冒険者ならばその異様がどれほど厄介な者かを知っている。
スケリトル・ドラゴン。
魔法を無効化する並の冒険者では歯が立たない存在。
それを見た兵隊が逃げ出しとしてもそれを責めることは出来ない。
その驚異は戦線を蹂躙する。
魔法の掃射によって拮抗していた状況において、魔法を無効化する存在は敗北の具現となった。
たった数度の攻撃で冒険者まで徴収してまで作り上げた防衛戦は崩壊した。
もはや壊滅は時間の問題でしかない。
誰もの思考に弱気なものが浮かび上がる。
ならば逃げる?
家族を捨てて?
自分だけでも?
絶望の未来を予期し、己の弱さを嘆く。
もうこの街は終わりだ。
誰かが呟いたそのとき、かつて聞いたことがない巨大な衝撃音と共にスケリトル・ドラゴンがまるでハンマーによって押し潰されるが如く、砕け散っていた。
「は?」
誰かが間抜けな声をあげる。
これは夢ではないだろうか。
勝手に砕け散った?
ありえない。
衝撃の中心を見れば、陥没した地面の上に一人の品の良い執事服を着た老人が立っていた。
「加勢いたしましょう」
それは場にそぐわないほど静かで重厚な声。
老人……、セバスはもう一体の迫り来るアンデッド軍団とスケリトル・ドラゴンを見る。
「調子に乗るのもそこまでにしていただきましょうか」
呟き、腰だめに拳を構える。
完全な本気を出す必要などはない。
だが、セバスはこの状況に本気で怒りを覚えていた。
困った人がいたら助けるのは当然。
創造主の信念はセバスの根幹に焼き付いている。
ゆえに、この状況に遠慮などない。
心の赴くままの全力を拳に乗せて解き放った。
その拳の動きを見切れた者はいなかった。
音を引き裂き、遅れて発する神速の拳の衝撃は前面全てを地面を抉りとるようにしてアンデッド軍団を消滅させていた。
そう、文字通り消滅である。
完全にやりすぎだった。
もしここにデミウルゴスがいたら間違いなく頭を抱えていたに違いない。
それほどまでに完全無欠にオーバーキルである。
メタなことを言うとしたら、対陽光聖典の際に超位魔法を使用するくらいの容赦のない無駄打ちである。
いくら予定通りで、主犯ごと消し去るほどの攻撃をするという作戦であったとしても実行が早すぎて何を考えているんだと言われるレベルだ。
裏では本当に間一髪でナーベラルとエイトエッジアサシン達が主犯の老人、カジットと女戦士のクレマンティーヌを眠らせて転移させたところであり、裏方の彼女らはあまりのギリギリさに死ぬ思いをしていた。
「これで大体片付いたでしょうか」
そんな裏側を知ってか知らずか、セバスはいけしゃあしゃあと言葉を漏らす。
瞬間、怒号のような歓声が響き渡った。
幾重にも重なる歓声は生き残った喜びと英雄の一撃への興奮であった。
鳴り止まない歓声の裏で悪魔は笑う。
計画の一段目は成った。
次の段階へと進むとしよう。
そして、黄金の姫は悪魔の手を握った。
セバスは自重しない。
これは全ての世界線でも何一つ変わらないただ一つの真実である。
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