ミライのクルマ――自動運転とコネクテッドカー

自動運転EXPO:高性能PCいらない自動運転向けステレオカメラ スバル「アイサイト」を生んだ会社が開発

» 2018年01月19日 17時18分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 スバルの運転支援システム「アイサイト」を開発した実吉敬二さんが会長兼CTOを務める東京工業大学発ベンチャーのITD Labは、クルマの自動運転技術などに活用できる新型ステレオカメラ「ISC-100VM」を「第1回 自動運転EXPO」(1月17日~19日、東京ビッグサイト)に出展した。高性能なPCを使わずに、カメラ単体で物体までの距離計測や形状認識を行えるのが特徴だ。

photo

 ステレオカメラと高性能PCを組み合わせて実現していた複雑な処理をカメラ単体で行えるようにした。これまで、ステレオカメラで撮影した映像をもとに、物体までの距離を検知したり、形状認識を行ったりするには、高性能なPCを接続して処理を行う必要があった。

 同社が開発したISC-100は、主な処理を行う専用チップをカメラに内蔵した。物体までの距離データを含むリアルタイムな映像をカメラ単体で取得できるため、小型コンピュータ「Raspberry Pi」程度の性能で、画面上に色づけしてそのデータを視覚的に表示できる。

photo

 ステレオカメラの本体は262グラム。システム全体を軽量化できるため、自動車や建設機械はもちろん、小型ドローンやロボット向けに、より高度な衝突防止システムへの応用も見込めるという。

 同社は、ステレオカメラを使った自己位置認識、自動地図生成機能も開発中だ。ステレオカメラで撮影しながらコースを走行してマップを作成すると、以降はステレオカメラの映像でから位置を推定して自動運転ができるほか、障害物も自動でよけられるという。

photo ステレオカメラを使った自己位置認識、自己地図生成機能のデモに使われる「SRIM CAR」
photo ぬいぐるみの目にステレオカメラを搭載
「SRIM CAR」の動作デモ

 これらは、アイサイトで使われている「ステレオカメラ3次元距離測定技術」を基礎とするもの。同社は、アイサイトで実績があるステレオカメラの技術を「世の中のいろいろなところに広めていきたい」と話す。

Copyright© 2018 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Special

- PR -

人の何百倍もの大きさの航空機。その不具合を電話やメールで正確に伝えるのは困難。「まるで伝言ゲーム」だった現場を変えたのは、スマホで使えるWeb会議だった。

「2020年までにクラウドでナンバーワンになる」は本当ですか? Oracle Cloudの「強み」「違い」をユーザー視点で聞いてみた。【Shift, Cloud】

どこでも働ける環境によって、柔軟な働き方を実現。しかし、ビジネスリスクも高まることを理解していますか。どのような対策が有効なのか、ここをチェック

「AIは万能だ」──間違った知識を身に付けていませんか? AIの現状をいち早く知ることで、他社に差を付けるチャンスを掴めるかも。ビジネス活用の今がここに

クライアントに会社の電話番号で不安を与えていませんか? 月額900円で03番号が持てる・使える通話アプリ「ShaMo!」なら、スマホでどこでも発着信可能で利便性も抜群です