1995年3月の地下鉄サリン事件で実行犯を車で送迎し、殺人罪などに問われた元オウム真理教信者高橋克也被告(59)の上告審で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は19日までに、被告の上告を棄却する決定をした。18日付。1、2審の無期懲役判決が確定する。教団を巡る事件の裁判は、95年3月の強制捜査から約23年を経て、全て終結する。
一連の事件では、教団幹部ら約190人が起訴された。松本智津夫死刑囚(62=教祖名麻原彰晃)ら13人の死刑、5人の無期懲役判決が既に確定。死刑執行の検討が本格化するとみられる。
被告は95年の特別手配後に逃亡。約17年後の2012年に東京都内で発見され、逮捕、起訴された。地下鉄事件で初めて裁判員裁判で審理された。弁護側は「サリンをまくとは知らず、人が死ぬことは予想外だった」と無罪を主張していた。
15年の1審東京地裁判決は「毒物をまくと認識していた」として殺意を認定。2審東京高裁も支持し、被告側が上告していた。
1、2審判決によると、被告は95年3月20日朝、地下鉄日比谷線でサリンをまいた元教団幹部を都内のアジトから送迎した。地下鉄事件では13人が死亡した。猛毒VX襲撃、公証役場事務長監禁致死などでも起訴され、いずれも有罪と認定された。(共同)