デキる人は「質問するだけならタダ」と考える

「忖度しない」をドイツ人に学ぶ

「言われる前にやっておくのが当たり前」だという前提を疑ってみる(写真:zon / PIXTA)
「ドイツ人に生産性の高め方を学ぶ」シリーズ記事の第4回。ドイツで通算20年のビジネス経験を持つ隅田貫氏(著書に『仕事の「生産性」はドイツ人に学べ』がある)が「ドイツ人のコミュニケーション」を紹介します。

ドイツのスーパーでは、レジが何台もあるのにたった1台しか開いてない、というのはよくある光景です。ほとんどのお店が日曜日には開いていないので、土曜日は決まって長蛇の列ができます。そんな状況でもレジ係は気にせず、知り合いが並んでいたら「今日は寒いわねえ」などとおしゃべりをしながら、のんびりとレジを打っているのです。

私はドイツに住み始めたばかりのころはイライラして、よほど「ほかのレジも開ければいいんじゃないですか?」と言おうかと思いました。ところが、並んでいる買い物客は、誰も文句を言いませんし、不満を感じている雰囲気でもない。

店員のほうも「並んでいるお客様の気持ちを考えて……」などの忖度(そんたく)はしませんし、客側もそれを受け入れているのです。

「質問はタダ」と考える

一昔前ならほとんどの人が読めなかった“忖度”という言葉が、日本では今や流行語になってしまいました。

日本の社会では、気配りや忖度、思いやりなどが美徳の1つと考えられています。相手の気持ちや言葉の裏にあるものを推し量って、便宜を図るのが、気が利く人、空気が読める人として評価されます。反対に、思ったことをすべて口に出してしまう人、俗に言う「ひと言多い」人は、デリカシーがない、無粋などと嫌がられることも多いようです。

丁寧な気配りや思いやりはもちろん、これはこれですばらしい日本の価値観です。日本のおもてなし文化のサービスとして成功しているところもあるでしょう。しかし、ビジネスにおいては忖度の行きすぎが、仕事の効率化を妨げ、生産性を下げる原因になります。

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  • NO NAME6b1d8b6c9c4e
    効率化の話なのに冒頭のレジのくだりでめちゃドイツは非効率の国に読めてしまう。それこそ忖度せずに隣のレジも開かないの?と質問したら良いのにと。
    up74
    down19
    2018/1/19 08:22
  • NO NAMEc13d8826ce0c
    忖度せず隣のレジを開けるよう言うべきですよね。忖度を問題視するならば。
    up53
    down12
    2018/1/19 08:50
  • NO NAME0e66448bbd64
    なんというか物凄く国民性を枠にはめたがる記事ですね
    ドイツ人だって人を気遣って戸惑うことは多々ありますし、日本人だって大企業の会議でもない限り下の人が提案や意見言うことなんて当たり前にありますよ

    レベルの高いドイツ人とレベルの低い日本人、あるいはレベルの低いドイツ人とレベルの高い日本人を比較して納得するような胡散臭い記事、そろそろ読むのも疲れてきましたわ
    up47
    down7
    2018/1/19 09:25
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