冬になると、風邪をひいて鼻づまりに悩む人が急増します。鼻がつまると、息苦しさから仕事や勉強にも集中できず、ゆっくりと眠ることだってできません。
そうなると、誰もが鼻をかんですっきりしたいと思うものですが、残念ながら、ここで間違った鼻のかみ方をしてしまうと、鼻づまりをさらに悪化させてしまう可能性があります。
多くの人が、鼻水が鼻の通り道をふさぐから苦しくなるのだと勘違いしているようですが、実のところ原因は、鼻の通り道の炎症にあります。そのため、鼻をかむことが刺激となって、症状を悪化させているのです。
ここでは、鼻をかむときに注意すべきポイントや、正しい鼻のかみ方、鼻づまりの症状を和らげるための対処法について分かりやすく紹介します。
鼻をかむとよけいにつまる理由
鼻をかむとさらに症状がひどくなるのは、鼻腔(鼻の穴)に圧力をかけて、鼻水を、体外ではなく、鼻の奥深くに押し込んでしまうためです。
私たちが厄介に感じている鼻水は、体内に侵入した菌を殺して、外に出すという大切な役割があります。そして、病原菌に感染した場合、鼻水は、ウィルスや細菌が増加して、膿(うみ)を多く含んだ粘液になります。
この細菌やウィルスが、鼻をかむことによって、鼻腔の奥深くの空洞(前頭洞や上顎洞など)にまで入り込むと、感染が広がり、より一層症状が重くなってしまうことがあります。さらに、耳管付近まで鼻水が届いてしまうと、中耳炎の原因にもなります。
驚くかもしれませんが、鼻づまりの息苦しさは、鼻腔内の血管の炎症が原因であるため、鼻で吹くだけで、これらの血管はさらに刺激されて、腫れが増し、鼻づまりがよけいにひどくなる可能性があるのです。
そのため、鼻は正しくかまなければなりません。
正しい鼻のかみ方や鼻づまりの対処法
まず、片方の鼻の穴を閉じてください。そのまま、もう一方の鼻で少しずつ、やさしくかんでください。
つまった感じが残っているからといって、決して強くはかまないでください。
抗炎症剤は、鼻の血管の腫れを抑えて鼻腔を開き、鼻水が通りやすくするのに役立つでしょう。
鼻に入れるタイプの潤滑スプレーもまた、粘膜を覆っている乾いた鼻水をやわらかくして、優しく鼻をかんだときに外に出やすくしてくれます。