アダルトビデオ(AV)に出演経験のない20代の女性を説得し、出演を強要したとして、警視庁保安課は19日までに、淫行勧誘と労働者派遣法違反の疑いで、AVプロダクション「ディクレア」元従業員の雪本剛章容疑者(35=横浜市西区)ら男3人を逮捕した。逮捕は17日。

 刑法の淫行勧誘罪は、売春婦らとは異なって「淫行の常習がない」女性を勧誘し、営利を目的として、みだらな行為をさせた場合に適用。3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。保安課によると、同容疑での摘発は極めて珍しいという。

 保安課によると、ほかに逮捕されたのは、ディクレア元従業員の森田智博容疑者(31=東京都新宿区)と、AVを制作した「ビエント」社長の中野斉容疑者(51=中野区弥生町)。

 逮捕容疑は2015年6月、無修正で配信するAVであることを隠したまま女性を勧誘し、撮影現場となった中野区のスタジオへ派遣して、出演させるなどした疑い。

 女性は15年4月にプロダクションに所属し、AV出演を拒否したが、雪本容疑者らは「あなたのプロフィル写真の撮影にいくらお金がかかったと思っているの」などと言って、出演させた。AVはオランダに所在する映像配信会社を経由し、有料で配信されていた。

 中野容疑者は容疑の一部を否認しているが、雪本容疑者ら2人は認めている。(共同)