今日のニュース
なんかすごいやつ来ました。
Nintendo Switchを利用した新しい遊びの提案です。
・「つくる」段ボールを使って工作する。スイッチの画面を見ながら。
・「あそぶ」作ったものをコントローラーにしてスイッチで新しい遊びができる。
・「わかる」自分で作るから仕組みがわかる。
と言ったものの、任天堂のページを見たほうがはやいので見ていただければ。
こういうことができる大企業ってすごい
だいたいの大企業では、思い切ったことがやれなくなるものです。大企業になるまでには成功体験がはびこっていて、それを持った高齢の方が君臨し、新しいことができにくくなります。
任天堂という会社は伝統もあり、だんだん腰が重くなって新興ベンチャーのスピード感についていけなくなるのかと思いましたが、こんな製品が出てくるということは将来明るいですね。
任天堂を振り返ると
任天堂自身も、ずっと絶好調だったわけではなく、何回かの山谷がありました。
大きな1つめはスーパーファミコンの後の低迷期。プレイステーションのソニーに市場を奪われました。
大きな2つめはWiiUの失敗。また3DSもローンチはうまく行かなったと思います。
1つ目については、故岩田社長がHAL研究所という任天堂の子会社から引き抜かれ、そこからのWiiとNintendo DSの快進撃で盛り返しました。
2つ目については、実は現在進行形で、WiiUで大きくつまづいてしまったプラットフォーム戦略を、Nintendo Switchで大きく盛り返している今の状況です。2つ目については主役は故岩田社長ではなく、その部下で、故岩田社長は病床でサポートされていたと聞いています。
ニンテンドースイッチの開発を率いた任天堂の高橋伸也・企画制作本部長と小泉歓晃副本部長のインタビュー記事を置いておきます。
低迷期からよみがえるための定常パターン
以前、ファイナルファンタジー14が盛り返した件でも触れましたが、中堅を新規に登用して権限を集中させ、意思決定を早くするというのが定常パターンと言えます。
故岩田社長は、私の理想のサラリーマンです。ものすごい誰にもできないスキルがある前提で、組織の生産性を究極まで高めようとされていました。一方で、組織の隅々まで目を配り、感情的にならず、人の悩みまでも最適化するという。
もし、今時間があるなら、下記のリンクにある故岩田社長のインタビューを読んでいただきたい。私はこの記事は自分が仕事をするうえで宝物だと思っています。
↓↓↓↓↓宝物↓↓↓↓↓
しかし、スーパーマンの岩田さんでも、成功体験のワナに入り込み、WiiUで大きくつまづくことになります。もし岩田さんのワンマンの会社であれば、今のSwitchによる復活はありえなかったでしょう。故岩田社長は社内の最適化に専念し、部下に製品開発を任せたことで成功したと思っています。
いつまでも現場にしがみつき、過去の成功体験から外れることのできない文化を醸成しがちな日本企業において、去り際までスーパーだったのが故岩田社長だと思います。
中堅が強い会社は伸びる
1つの会社において、複数の中堅社員がいて、その中堅社員に権限を持たせることができる会社が伸びると思います。たぶんにアップルでもスティーブ・ジョブズの亡き後、引き継いだティム・クックも調整型の社長で、優秀な中堅が今のアップルの隆盛を率いていると思います。
アップルのプレゼンでも、序盤はティム・クックがリードしますが、入れ替わり立ち代わりプロダクト担当者がプレゼンします。
一方で、上層部が強く、現場にストレスをもたらすような会社は衰退します。例を紹介しておきます。
もともと東芝は、私が事業部長をやっていた80年代くらいはオープンで外向きな会社だったんですよ。むしろ日立製作所の方が、予算主義で内向きだったかもしれない。私が半導体事業部長だったとき、先日なくなった渡里杉一郎社長には『本社にはお金は落ちていない。お金が欲しければ外へ行け』といわれたものです。渡里さん自身は半導体の素人だったけど、私の半導体のレクを聞いて、すぐさまカシオ社長を訪問して、堂々たるプレゼンをやっていたものです。つまり、トップがどんどん外へ出て営業をしていたのです。
しかし、いつしか、東芝本社ビルにお金が落ちていると思い出した社長が出てきたのではないでしょうか。部下をぎゅうぎゅうと締め上げて、朝から晩まで利益を出せと詰め寄ったところで、東芝ビルにお金は落ちていないんです。「予算は社長との約束である」などと言って、会議ばかりやって部下を締め上げていれば、みんな無理をしてしまうでしょう。そして、数字をごまかしたら覚えがめでたくなるなら、誰も顧客のところに行かなくなってしまうのではないですか。いつの間にか、予算主義になって内向きな姿勢の会社になってしまった。これが経営危機に至った最大の原因ではないでしょうか。
中堅は、時代とともにトップになります。そのときに、自身の下の中堅をおさえつけるようにはなってはいけないなあ、と言うことを思います。
会社が倒れるほど、あぶないことだと。
さて、本記事、実は100記事目でした。
岩田さんのことは100記事目にしたかったので、夢かないました。今後も更新がんばります。