オーバーロード 活火山の流れ星《完結》 作:日々あとむ
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よくある話だし、きっとコラボ的な意味でこういうモンスターもいたよねって話。
ひゅうひゅうと、風が山頂から吹き寄せていた。
いつもなら涼しげな空気であるその風は、その日何故かいつもと違う温度を漂わせていた。
――熱い。
山頂から吹き寄せる風は、何故か熱を持っている。熱い風であった。このような熱気を感じるなど、彼が生きてきた中で一度も無かったというのに。真夏の時でさえこのような熱い風が吹く事はない。
その奇怪な熱気に首を傾げながら、彼は山の傾斜を登っていく。周囲は木々に囲まれて、その葉群の隙間からは済んだ青空が見え隠れしていた。
ひゅうひゅうと吹き寄せる熱い風。そして気づく。その熱い風に乗って、不快な臭いが運ばれてくる事に。
彼は山頂から運ばれてくる不快な臭いに、唸り声を上げた。この一帯は自分の縄張りである。その自分の縄張りに入ってくる敵を許すわけにはいかぬ。彼は敵に知らせるように木々を騒めかせるような咆哮を上げ、臭いのもとへ向かって行った。
山頂へ。ひたすらに木々をその巨大な体躯で薙ぎ倒しながら真っ直ぐに突き進んでいく。
だが近づくにつれ、凄まじい熱気が彼の身体を押し戻すように叩きつけていく。熱風は、既に燃え盛る炎のような熱さを感じさせ、彼は次第に足の進む速度を緩めていった。
彼のもっとも自慢すべき攻撃手段は、その頭脳である。他の同族達と違い、舌先三寸こそが彼の得意技。その彼の自慢の狡賢さが、彼に最大音量で警戒音を鳴らしていた。
彼は自らの勘に従い、歩をゆっくりと進めていく。魔法を使って木々で自分の体躯をカモフラージュし、体色も相まって彼の身体を見辛くした。風下であるため、臭いで気づかれる事もないだろう。
ひゅうひゅう。山頂から、熱い風と焼け焦げた臭いが吹き寄せてくる。次第に彼の自慢の尾は、腹に巻きつくように下がり曲がっていった。
そろり、そろり。恐ろしさに身体を震わせながら、彼は先へ進んでいく。そして――
そこで、彼は見た。
それは自分と同じ、巨大な爬虫類を思わせる姿をしていた。しかしその体躯の巨大さが違う。村の小屋程度の大きさという人間より巨大な彼の体躯が、まるで鼠のように小さい。人間の世界で言うところの、ちょっとした貴族の館ほどもあろう大きさをそこにいた者は持っていた。
全身はアダマンタイトより硬いであろう事を思わせる、金属のような光沢を放つ真っ赤な鱗で覆われており、今は折りたたまれている左右の翼は蝙蝠のそれに似て、太い骨格に薄い被膜がついている。
頭から尾の先までは背骨に沿い、鋭く立派な棘が何本も突き出ていて、頭部には特に大きな棘が斜め後ろに向かい六本も生えていた。尾の先端にある四本の棘も同様に鋭く、大きい。巨大な咢からは、恐ろしく鋭い牙が幾本ものこぎりの刃のようにびっしり生えていた。
その姿を、彼は木々の隙間から震えて見つめる。あの巨大で真っ赤な彼と比べ、自分はなんと矮小な生き物なのだろう、と。まさに月とスッポン。ゾウとアリ。鼻息一つで、彼は軽々と飛ばされてしまうだろう。
真っ赤なソレは、足元に何かを捕まえていた。彼はじっとそれを見つめて――それが自分の縄張りの近くに棲む、黒い鱗の夫婦の片割れだと気づき――真っ赤な鱗で気づかなかったが、アレの口から血が滴っている事にようやく気がついた。
前脚で押さえつけられている黒い鱗の片割れが、痛みと恐怖で悲鳴を上げる。そのみっともない叫び声と、一つの感情に支配され歪んだ顔を見た赤い鱗の巨大な者は、表情を歪めた。
そしてその表情を見た彼は、喉から悲鳴が出そうになったのを何とか抑えて、来た道を逃げ出した。気づかれないように必死に走る。背後から悲鳴と、バキバキと色々なモノが砕けてひしゃげて、潰れて千切れる音がした。彼は自らの優れた知覚を呪いながら、必死に山を下っていく。
もう、この山は駄目だ。出て行かなくてはならない。この山はあの赤い鱗の巨大な者に渡そう。あの山は、全てアレのものだ。
逆らおうとは思わなかった。そんな恐ろしい真似は、決して一度も頭に思い浮かばなかった。
頭に浮かぶのは赤い鱗の巨大な者が、黒い鱗の片割れに見せた嗜虐の貌。恐怖に震え、悲鳴を上げるその姿を瞳と頬を吊り上げるように歪めて嗤った、あの表情だ。
赤い鱗の巨大な者は、弱き者が最後に見せる断末魔を、瞳と頬を吊り上げて嗤い喜んでいた。それが何よりの喜びである、と。
……背後で、雷鳴のような空気を揺らす轟音が鳴り響いた。それは赤き鱗の巨大な者の咆哮であった。その音に追い立てられるように、ついに彼は悲鳴を漏らし木々を薙ぎ倒しながら一刻も早く森を抜けようと走った。
森を抜けて広い草原に出た時、その緑の翼を広げて彼は空へ飛び立つ。一刻も早くこの山から離れるために。
背後では、相変わらず雷鳴のような咆哮が響いている。それは逃げる彼を嘲笑うような哄笑を思わせる、引き攣るような轟音であった。
その咆哮に追われて、彼は必死になって山を飛び去った。恐怖に歪んだ表情を貼りつけて。
――それから、どれほどの時間が立ったのであろうか。必死になって空を飛び、山を下りて山脈付近の大森林に降り立った彼は、空を不安になって振り返る。何度も、何度も。
空を飛んでいる間は逃げる事に懸命で気にならなかったが、今となっては追いかけてくるのではないかと不安で仕方なかった。
だが、何度も空を見上げても、赤い鱗の巨大な者の影は全く見えなかった。あれほどの巨大さだ。追いかけてくれば、一目でそれが分かるだろう。しかしその影は一向に見えない。
その事に安堵しながらも、彼はトボトボと歩き出した。この森で、新たに縄張りを作らなくてはならない。あの山に自分の宝物も何もかも、全て置いてきてしまった。しかしあの山に帰って回収しようとは思わない。そうなると一からやり直しだ。
とりあえず、まずはこの森の力関係を調べる事から始める事になる。気に入った場所に先住民がいれば、追い出さなくてはならない。そいつを使って先程の事で傷を負った心を慰めるのもいいだろう。
彼はそう決意し、あの赤い鱗の巨大な者の事は忘れて森を駆け回った。先程と違い、吹き抜ける風は涼しく熱を感じさせない。それが嬉しく、彼はつい調子に乗って森を駆け回った。
そうして駆け回った先で、彼は大きな湖を見つけた。彼はこの森にひょうたんのような形の大きな湖がある事は知っていたが、それほど巨大ではなくとも大きな湖がある事は知らなかった。彼は喜びを顕わにしながら湖に近寄り、中に数多の魚達がいるのを見つけて喜んで頭を突っ込み片っ端から捉えて胃の中に収めていく。
周囲は騒々しくなり、二本足の蜥蜴達が自分を見て震え、怯えたように様子を窺うのも気分が良かった。湖には幾つも敷居が立ち網が張っており、賢い彼は二本足の蜥蜴達がわざと食料の魚を溜め込んでいる事が分かったが、彼にはどうでもいい事だ。
二本足の蜥蜴達は、彼の足元にも及ばないほどに弱い。彼らは自分にダメージを何一つ与えられはしないだろう。それが分かっているからこそ、彼は二本足の蜥蜴達を無視して魚を食い漁っていく。
――少しして、何だか更に騒々しくなった。しかしどうでもいい事だ。今はただ、こうして魚を追っていたい。腹いっぱいに食い漁っていたい。悲壮な覚悟で自分と戦う事を決めたのだろうが、彼にはどうでもいい事なのだ。後で相手をしてやるから静かにしていろ。
彼はそう煩わしく思いながら、頭を湖に突っ込んだまま、魚達を魔法を使って捕まえていく。
そうやって夢中になっていると、身体をトントン、と叩かれる感触がした。煩わしく思い、尾をくねらせて邪魔をするなと意思を示す。
「――オイ」
だが、更に身体をトントンと叩かれ直し、声をかけられた。ギチギチとした、硬質で酷く聞き取り辛い音だ。水の中に頭を突っ込んでいるせいかとも思ったが、それにしても変な音質である。
そうして気になると、先程の二本足の蜥蜴達よりも背の高い位置で身体を叩かれた事に気がついた。二本足の蜥蜴達では、軽く叩かれた箇所は背丈が足りないだろう。だというのに感触があった事実。それを不思議に思い――彼は水の中に沈めていた頭を持ち上げて、ようやく視界にソレを入れた。
「――――」
そこにいたのは、二・五メートルほどの大きさにライトブルーの甲殻を持つ二足歩行の昆虫だった。蟻とも蟷螂とも思わせる歪み切った顔立ちは、悪魔に歪められて作られた融合体を思わせた。
全身を包む甲殻には冷気が纏わりついており、彼らと同じ種族にも似たたくましい尾からは、鋭いスパイク状の棘が無数に飛び出していて、その咢は人間の腕程度なら軽々と噛み千切るだろう。
更に鋭い鉤爪を備えた四本の腕を持ち、それぞれに煌びやかな手甲をつけている。首からは円盤型の黄金色のネックレス。足首には白銀の足輪。そして腕の一本には透き通るような美しい刀身を持つ大太刀が握られていた。
――その全てが、彼が今まで見た事も聞いた事もないような一級品の――伝説めいたマジックアイテムだと一目で分かる。
いつもであれば喜びの笑みを湛えてそれを献上するよう強く命令するであろうが、今回の彼にそんな余裕は存在しなかった。……おそらく、先程の赤い鱗の巨大な者のせいであろう。感覚が麻痺していて、いつもならば気づけるはずの気配も気づけなかった。
その姿を確認した彼は、全身を雷撃が貫いたような気分に襲われた。自慢の緑の鱗が全て逆立ち、全身からぶわりと汗が滴り落ちる。
だが、彼がそんな自分の変化に気がつく事は無かった。その姿を見て――そしてもとの縄張りで遭遇した赤い鱗の巨大な者を思い出し――彼はふっと意識を失ったからだ。
だが、意識を失ったのは一瞬だった。生存本能が刺激したからか、いや、単純に現実がしっかりと認識出来なかったからであろう。彼はすぐに目を覚まし、なんだ夢かと再び目蓋を開き――
そこにやはりライトブルーの昆虫型の悪魔を見つけて、彼は再び気絶した。
この間、実に三秒の出来事である。
気絶した彼を、ライトブルーの昆虫型の悪魔と二本足の蜥蜴達は、ぽかんとした表情で見つめていた。
◆
――
だからこそ、陸地である森の中は彼らにとって危険である。しかし、湿地帯には美しい立派な花は咲かない。咲くのは小さくて慎ましい花ばかりだ。それが美しくない、とは言わないが神に捧げるには少しばかり敬意が足りないと言わざるを得ない。近くにある手頃なもので済まそうなど、信仰心が足りないと折檻されても文句は言えないだろう。
そのため、彼らは危険な森の中に花を取りに行く。それは優れた狩人や戦士達の役目だ。他の者達は聖殿の掃除や、生け簀の中のもっとも立派な魚を選び献上しなくてはならない。
彼らの朝はそうして始まる。この日も、彼らの朝はそう始まった。
「そういえば、そろそろアインズ様のもとからコキュートス様がこの村の様子をご覧になられる頃か」
この
「……そうだったかしら?」
クルシュの腹は少し大きい。シャースーリューの弟、ザリュースの子を身籠っているためだ。とは言っても、まだそれほど大きくはない。だが過剰な運動は既に禁止されている。
クルシュはシャースーリューの言葉に首を捻り、少し考え――確かにそうだと納得し頷いた。
「そう……そうね。確か今はアインズ様のもとに人間の国の王が謁見に来ているんだったかしら?」
コキュートスはナザリック地下大墳墓の警備部門の責任者でもある。かつてはこの
そしてコキュートスからシャースーリュー達が〈
シャースーリューとクルシュが会話していると、慌てて村の若者がやって来た。若者はシャースーリューに口早にコキュートスがやって来た事を告げる。
「コキュートス様がいらしたか。では、俺はコキュートス様に挨拶をしてくる」
シャースーリューはクルシュにそう告げ、若者と共に慌ててコキュートスの待つ聖殿まで駆けて行った。クルシュはそんな養兄の姿を、手を軽く上げてひらひらと振って見送った。
シャースーリューが村の聖殿まで辿り着くと、聖殿の奥からライトブルーの武人が姿を現した。コキュートスである。
ナザリック地下大墳墓から来た者達は、まず必ずこの聖殿の最奥にあるアインズの石像に頭を下げ、忠誠を示してから村を見て回るのだ。シャースーリュー達もまた、決まった時間に必ず礼拝するようにしている。神に対して当然の事だ。
「コキュートス様、ようこそいらっしゃいました」
シャースーリューがコキュートスの前まで行き、頭を下げるとコキュートスは一つ頷いて口を開いた。
「ウム。今回ハ、少シバカリ話ガアル。時間ハアルカ?」
「は……大丈夫です。ではコキュートス様、こちらに」
コキュートスの言葉に内心で首を傾げながら、シャースーリューはコキュートスを別の建物に促した。コキュートスはいつも通り、自分の配下の者達を数人連れている。
コキュートスとかつては話し合いをしていた時の建物に促し座ると、コキュートスは口を開いてシャースーリューにこれからのナザリック地下大墳墓についての事を少しばかり教えてくれた。それはシャースーリューにとっては驚きの連続であった。
……数日前。人間の国……バハルス帝国の皇帝がアインズに謁見しに来たのは知っていたが、その際に同盟を結んで建国の手伝いを許可してやったのだと言う。
まず異形種の国を建国する、というのも驚きではある。しかし、これは少し考えればなるほどと思わなくもない。そもそも、アインズほどの神のごとき存在にひれ伏す者がナザリック地下大墳墓の者達とこの
驚いたのはその建国を、人間達に手伝わせてやる事であった。
それだけで、シャースーリューはあまりよくない生き物なのだろうと思っていた。そんな生き物達に建国の手伝いをさせるとは、自分が思っていたより人間は好意的な生き物なのであろうか。
ただ、その人間を語る時のコキュートスの表情は、間違っても好意的ではなかった。不快な気持ちを押し殺すように、コキュートスは一息つくと更にシャースーリューに語っていく。
建国するにあたり別の人間の国と戦争をするため、現在ナザリック地下大墳墓は兵達を集め、動きにきちんと統制が取れているか確認の最中なのだとか。そのため、今はほとんどの者達がナザリック地下大墳墓に帰っており、コキュートスも少し様子を見て回ったらナザリック地下大墳墓へ帰還すると言う。
シャースーリューはコキュートスから話を聞き、了解したように頭を下げた。
「かしこまりました。では、現在の村の様子をご説明させていただきます」
「ウム」
シャースーリューはコキュートスが離れていた間に起こった出来事や、村の外の様子などを全て報告していく。とは言っても、全く問題など起きていないのでそれほど複雑な報告はない。
コキュートスはシャースーリューの報告を黙って聞き、全て聞き終えると満足そうに頷いた。
「ソウカ。アインズ様モコノ村ノ様子ニ御満足シテ頂イテイルヨウダ。コレカラモ一層ノ忠義ト信仰ニ励メ」
「かしこまりました」
シャースーリューはコキュートスの言葉に深く頭を下げる。神が喜ぶのは好ましい。
……そうして話を終えた頃であろうか、コキュートスやその部下達が途端に席を立ち、建物の出入り口を見つめる。見れば少し臨戦態勢を取っているようにも感じた。
その姿に驚き、シャースーリューも慌てて立ち上がり、臨戦態勢を取る。少ししてシャースーリューの耳にも慌てたような足音が聞こえてきた。
そして、その足音はシャースーリュー達のいる建物の前で止まると、ドアを叩く。コキュートスが許可を出したため、シャースーリューは慌ててドアを開けた。すると、村の者が息を切らして飛び込んでくる。シャースーリューはそのただならぬ様子に目を丸くした。
「一体どうした?」
落ち着くように背中を撫で、村の者を促すと彼は口を開いて震える声で叫んだ。
「む、村に大きな
「なんだと!?」
シャースーリューは仰天し、叫ぶ。この付近では目撃例の無い魔物だ。いたとしても森のもっと奥――アゼルリシア山脈に近い場所にあの
村の者曰く、急に姿を現し、自分達を無視して生け簀の中に頭を突っ込み、魔法で魚を食い漁り始めたのだとか。そして、今も自分達を気にせずに頭を突っ込んだままなのだと言う。
コキュートスにもそれが分かっているのだろう。コキュートスは話を横で聞くと頷いて、シャースーリュー達を促した。
「オ前達デハ荷ガ重カロウ。我々ガ行コウ。ドコダ?」
「コ、コキュートス様……!」
シャースーリューと村の者は、そんなコキュートスに必死に頭を下げ感謝を示す。コキュートスは構わぬと手を軽く振って、部下達を促し建物から出て目的の生け簀の方へと向かった。
目的の生け簀の方へ近づくと、明らかに巨大なモノがそこにいる。翼を折りたたんではいるが小屋ほどの大きさもある体躯を持ち、首の長い頭部を持つ緑の鱗を持つ爬虫類のような巨体。……それは明らかに、
その体躯から感じられる力強さに、シャースーリューは身を強張らせる。あれは駄目だ。絶対に勝てない。勝敗を競う事さえ愚かしい。仮にかつての湖の近くでこの巨体に出遭ったならば、シャースーリュー達は為す術無く見つめる事しか出来なかっただろう。
しかし、今は違う。この場には自分達よりも遥かに強いコキュートスやその部下達がいる。いつかはこの
コキュートスは
全員が不安そうにコキュートスと
しかし
コキュートスを無視するその仕草に、コキュートスの部下達が怒りで色めき立つが、コキュートスは部下達を再度止めると再びトントンと軽く巨体を叩いて
ついに
「え?」
「ム?」
スウゥゥゥ……と静かに倒れた。鋭い瞳は白目を向き、完全に意識を失っている。巨体が地面に倒れ込む音が周囲に響くが、シャースーリューは勿論、コキュートスも驚きで動きを止めていた。
その後すぐに
やはり、
この間、実に三秒。三秒の間に
「…………」
「え、えぇー……?」
周囲に微妙な空気が流れる。目が合った瞬間気絶されたコキュートス本人は、呆然とした様子で
「解セヌ」
彼(緑竜)の名前はハイエナのパッチ。
この作品内でもっとも不幸な登場人物である。