本日発表された「Nintendo Labo」すでに各所で話題沸騰ですが、僕もいちデザイナーとして大感動してしまったので、そのデザインについて書きたいと思います。
見た目のデザインについて
Nintendo Laboのインタラクション、コンセプトの面白さ、技術的な工夫についてはもう各所で語られているだろうと思うのでここでは割愛し、「見た目」のデザインについて書きます。
任天堂公式webサイトより引用
DIYプロダクトの文脈(色とグラフィックのデザイン)
まず目を引くのが、段ボールを使ったtoy-conのスタイルです。これは今までにある「DIYプロダクト」のスタイルを踏襲したものに見えます。例えばkano computer、Teenage engineeringのPOシリーズ、Google AIY Toolkitなど。
kano webサイトより引用
teenage engineering webサイトから引用
どの例も基板そのものや段ボールの素材感をあえてそのまま生かし、ポップな色を加えることで魅力を生み出しています。Nintendo Laboでも、段ボールとその折り目を素材のアクセントとしてとらえ、そこにswitch本体のカラーリングにプラスαしたアクセントカラーを入れることで、楽しそう、かつちょっとクールな実験器具のような雰囲気を作っています。
ものの重要な要素であるグラフィックも、toy-conだけではなくパッケージ、webサイトまで統一されて製品のクオリティアップに貢献しています。可愛い…
「デコる」のはmt.のマスキングテープ的なお洒落DIYの影響が見て取れるし、このデザインは、現在ある「クリエイティブなDIYプロダクトのスタイル」をいいとこ取りしたものだと言えます。
そして「nintendo switchをセンサーとして使い、ハックする」というまさに任天堂にしかできないアイデアが乗ることで強いオリジナリティを生み出しています。
自分でも作れちゃいそうな感じ(かたちのデザイン)
Toy-conの形状も、まるで3Dプリンタで作ったような「各要素が大きい、低解像度なかたち」にして簡単に組めるようになっていながら、細かく設計された段ボールの折り目を形のアクセントにすることで、ただの紙工作に見えないハイクオリティな印象になっています。また、段ボールの耳や切り欠きなどの形状をシリーズで揃え、かなりバラバラな形状をしている各Toy-conの統一感を確保しています。
かたちのデザインでもっとも良いな〜と思ったのは「自分でも作れちゃいそうな感じがする」こと。公式webサイトにあるように、「ちょっとこわれても、自分で直せちゃう」と思えるような、良い意味でラフなデザインだと感じます。
任天堂webサイトより引用
これって実は難しいことで、普通デザイナーは「もっと緻密な、隅々まで考え尽くされたかたち」を作りたくなっちゃうと思う。そこでグッと踏みとどまり、ユーザー目線に立ち「自分でも作れたり直せたりしそうなかたち」を設計する。なぜなら、それがもっともこの商品に適切な最適解であるから、と判断できる点に、任天堂のデザイン力をひしひしと感じます。
実際に「ちょっとこわれても、自分で直せちゃう」かどうかはわかりません。でも、盛大に壊したToy-conを、お父さんお母さんと子どもが 泣き叫びながら(大げさかも)直す風景って、なんだか微笑ましくて良いんじゃないかな。
「自分でも作れそう」だからと言って、「自分でも作れる」とは限らない。おそらく多数の子どもユーザーは、その難しさに音をあげてしまうと思います。でも、そこで火がつく子も絶対にたくさんいるはず。もし新しい遊びを自作できなくても、「世の中のものってよくできてるんだな」と思うだけでも、重要な学びになると思います。
まとめ
・先ほどswitchを予約しました。
・Nintendo Labの実物を早く手にとってみたいです。
・こういう夢があって社会的インパクトのあるデザイン、ものすごく憧れます!!