ザ・ローリングサンダーレビューでは、洋楽ロックに関する様々なガイダンスも掲載しています。
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レビューアーティスト情報
【アーティスト名】
Mansun
マンサン
【ホーム国】
イギリス
【イントロダクション】
稀代の偏屈天才野郎ポール・ドレイパー率いる4人組。ブリットポップの狂騒の最中登場したものの、明らかに異彩を放っていた。未だに熱狂的なファンは彼らの復活を待ち続けている。
【デビューアルバム発売年】
1997年
【公式サイト】
※リンク切れの際はご容赦下さい。
【このレビューをリンク一覧】
レビューアルバム情報
【アルバム名】
Kleptomania
【アルバム発売年】
2004年 4th Album
【このアルバムの良い点】
【このアルバムの良くない点】
特記ポイントはありません |
【このアルバムの購入ガイド指標】
朝の起床時に聞きたい
パーティで流したい
夜の睡眠時に聞きたい
芸術を鑑賞したい【←オススメ】
休日の午後に流したい
ロマンティックな場面で流したい
ドライブ時に車内で流したい【←オススメ】
暴れたい
心折れた人達へ【←オススメ】
大合唱したい
【このアーティストのその他のレビュー】
※画像はAmazonへ。タイトル名はレビュー画面へ
※レビュー済のアルバムは、タイトルが青色です
※最新作はリスト抜けの場合があります
Mansun | |
1st : Attack of the Grey Lantern 1997 | |
楽曲試聴 : Amazon英国 PV試聴 : YouTube内検索 | |
2nd : Six 1998 | |
もったいないおばけが出るぞ | |
3rd : Little Kix 2000 | |
楽曲試聴 : Amazon英国 PV試聴 : YouTube内検索 | |
4th : Kleptomania 2004 | |
ファン3000人の署名 | |
Paul Draper | |
1st : Spooky Action 2017 | |
Revaluation of Mansun International Committee |
※未レビュー作品は、視聴サイトへ誘導しています
【このアルバムの制作メンバー一覧】
- Vo / G / B / Key : Paul Draper
-
Backing Vo / G / B / Keys
: Dominic Chad - Dr / Percussion : Andy Rathbone
【お役立ちリンク集】
【レビューするアルバム名とジャケット画像】
Kleptomania
※ジャケット画像はAmazon.co.jpのアルバムページへ
【総合得点】
4.5点(5.0満点中)
【ジャンル】
ブリット耽美プログレギター
※ジャンル表記はザ・ローリングサンダーレビューの独自命名です。
「ファン3000人の署名」
※採点基準について ※ジャンル表記について ※購入するリンクについて ※リンクの色について
Kleptomania REVIEW | |
文責:ロリング君 編集・構成:織衣草安(ジャスティス森本) レビュー投稿日時:2013.03.10 AM1:13 | |
レビューNo:180 ショートカット:▼全曲採点表 ▼注釈 | |
今回のテーマソング
- 私は
- 素晴らしい作品がリリースのタイミングを逃すなどして、正当に評価されないまま埋れてしまう様を何度か見てきた [1] 。そういう作品に出会ったとき、優等生は 「残念だ。こんな素晴らしい作品が世に知られていないなんて…」 と嘆くのだろう。
ローリングサンダーポイントその1
隠れ(過ぎ)た名盤が多いのはロックの特徴
- しかし
- 私クラスの洋楽痛になるとまず興奮が押し寄せる。 「ぬおぉ!!こんな誰も知らないようなアルバムが名盤だなんて!!あぁたまらん…」 と昇天する。私だってアーティストを思って気の毒には思うし、業界のためには良いアルバムは正しく評価されるべきだ。
- が、 「市場に評価されなかった名盤」 を見つけると、若干の後ろめたさを感じながらも、とてつもない快感を得る。これぞロックの醍醐味である。つまり 「売れていない名盤がある」 = 「まだまだ自分の知らない名盤がある」 というわけだ。これほどロックファンにとって嬉しい事実があるだろうか。隠れ(過ぎ)た名盤が多いのもロックの特徴だと思っている。
ローリングサンダーポイントその2
正式にリリースされなかったのが信じられない
- その
- 代表例が今回ご紹介する不遇の天才 ポール・ドレイパー 率いる Mansun の 「 Kleptomania 」 である。3rd 「 Little Kix 」 をリリースし、解散した Mansun 。解散から4年後の2004年に発表された、(メンバーいわく) 「未完成の」 4th アルバムだ。
- そのほかにアルバム未収録のシングルやカップリング集、レア曲集の2枚がついた3枚組で発売されたためコンピレーションアルバムという扱いだが、このアルバム、なめてもらっては困る。お蔵入りになっていたアルバムのクオリティではない。ここまでしっかりと作り込んでいながら正式にリリースされなかったのが信じられない(ファン3000人の署名を集めてようやくリリースできたとのこと)。
グッドサンダーポイントその1
Getting Your Way。彼らの最高傑作
- 「Getting
- Your Way 」 のアレンジの凝り具合は彼らの作品の中でも随一だ。生とデジタルが融合した見事な音像である。イントロのドラム(とシンセ?)のみのパートからベースが入ってくる瞬間が萌える。
- メロディとビートの絡みもクールで、曲の骨格だけでも一級品だが、随所に織り込まれるノイズがこの曲を特別なものにしている。ストーンローゼズをスタイリッシュにしたようなグルーヴといい、伝家の宝刀ポールのエロいボーカルといい、彼らの最高傑作としてもよい。
グッドサンダーポイントその2
2曲でワンセット的な印象を与えることに成功
- 思わず
- 上手い!と唸ってしまうのが2曲目の 「 Slipping Away 」 。この曲、 「 Getting Your Way 」 に似てるのだ。基本的にリズムは同じだし、 「うぇ~い」 というメロディ(ジョンレノン節といいます)が多用されているのも共通している。
- 「 Slipping Away 」 もシングルカットにふさわしい名曲だが、 「 Getting Your Way 」 と離れた曲順で収録されていた場合、 「またこんなんか」 感は否めないだろう。しかし、連続で収録することにより、2曲でワンセット的な印象を与えることに成功している。お見事!
グッドサンダーポイントその3
いい具合にクサい歌が感情をかきむしる
- 2001
- 年9月11日 [2] に書かれたという 「 Keep Telling Myself 」 でもジョンレノン節が連発。Aメロでは全て最後に挿入されている。もはやポール節になってしまっているではないか。
- いい具合にクサい歌が感情をかきむしる。さらにギターソロが熱い。こんな感情のこもったギター、ポールの哲学では却下されそうなもんだが、 「9・11」 の影響もあってのことなのだろう。めちゃくちゃカッコいいです。それにしてもこれ、本当にお蔵入りしたアルバムなのか。
グッドサンダーポイントその4
名作SIXに続きもったいないお化けが出る内容
- 「Love
- Remains 」 ではお得意のロッキン転調が炸裂。ポップなメロディをあえてコード進行で外す。なんという高貴な志し。 「お得意の」 といいながら、過去のどの作品とも異なる空気感が新鮮だ。
- 「 Home 」 は麗しいメロディとチリチリギターの伴奏の相性が良すぎる。メロディも哀愁のフックがあるし、めちゃくちゃ作り込まれてますやん。
- とにかく名作 「 SIX 」 に続き、もったいないお化けが出る内容だ(洋楽痛的には余計に興奮する)。レディオヘッドのトム・ヨークも認めた [3] Mansun の実力を思う存分に堪能してほしい!ちなみに3枚組のうち残り2枚もハイクオリティどす [4] 。
- Kleptomania REVIEW / 5.0サンダー
- あなただけの名盤に出会えることを願って
Kleptomania | ||
Mansun 2004年 4th Album | ||
総合得点 4.5サンダー | ||
シルバー・サンダートロフィー授与 | ||
THE ROLLING THUNDER REVIEW | ||
| ||
※授与トロフィーについて |
注釈
- 注釈 [1] : 創ることと売ることはまったく異なった才能である。ものを見る感性・とらえる感受性・あますことなく表現する技術など、前者は感情・情景を瞬間的に封じ込める才能。一方後者はものを長期的に宣伝・販売し続ける才能。そのものの本質的な魅力を見抜く目・消費者に適切に届ける戦略・渉外能力・見向きもされないものを良いと伝え続ける精神力などである。両者がうまく作用しあったとき、大きな成果をなすことができる。(↑本文 [1] に戻る)
- 注釈 [2] : 2001年9月11日アメリカ合衆国で発生したアメリカ同時多発テロ事件のこと。(↑本文 [2] に戻る)
- 注釈 [3] : Radiohead は 「SIX」 が彼らのインスピレーションの源となったことをインタビューで公に認めている(ライナーノーツより)(↑本文 [3] に戻る)
- 注釈 [4] : Disc3の 「 Rock'n Roll Loser 」 は3rd 「 Little Kix 」 のファーストシングルになる予定がボツになったとのことだが、こんなポップなナンバーをボツにするMansun、愛すべき大馬鹿野郎である(↑本文 [4] に戻る)
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全曲採点表 (黒雷は1点・白雷は0.5点)
【 Disc 1 Kleptomania 】 | |||||
5.0点 | 1. | Getting Your Way | iTunesで購入 | ||
4.5点 | 2. | Slipping Away | |||
4.5点 | 3. | Keep Telling Myself | |||
3.0点 | 4. | Harris | |||
4.0点 | 5. | Love Remains | |||
4.0点 | 6. | Cry 2 My Face | |||
3.5点 | 7. | No Signal/No Complaints | |||
4.0点 | 8. | Home | |||
3.5点 | 9. | Fragile | |||
3.5点 | 10. | Wanted So Much | |||
3.0点 | 11. | Good Intentions Heal The Soul | |||
【 Disc 2 Non-Album Singles, B-Sides and EP-Only Tracks ※レビュー対象外です 】 | |||||
※レビュー対象外です | 1. | Take It Easy Chicken | |||
※レビュー対象外です | 2. | Everyone Must Win | |||
※レビュー対象外です | 3. | Closed for Business | |||
※レビュー対象外です | 4. | Ski Jump Nose | |||
※レビュー対象外です | 5. | Can't Afford to Die | |||
※レビュー対象外です | 6. | Railings | |||
※レビュー対象外です | 7. | Flourella (Original Version) | |||
※レビュー対象外です | 8. | Decisions, Decisions | |||
※レビュー対象外です | 9. | Been Here Before | |||
※レビュー対象外です | 10. | My Idea of Fun | |||
※レビュー対象外です | 11. | When the Wind Blows | |||
※レビュー対象外です | 12. | Check Under the Bed | |||
※レビュー対象外です | 13. | Skin Up Pin Up | |||
※レビュー対象外です | 14. | I Care | |||
15. | The World's Still Open | ||||
【 Disc 3 Rarities, Demos and Unreleased Tracks 】 | |||||
※レビュー対象外です | 1. | Rock 'n' Roll Loser | |||
※レビュー対象外です | 2. | Secrets | |||
※レビュー対象外です | 3. | These Days (Full Length Version) | |||
※レビュー対象外です | 4. | It's OK | |||
※レビュー対象外です | 5. | Drones | |||
※レビュー対象外です | 6. | Right to the End of the Earth | |||
※レビュー対象外です | 7. | I Can Only Disappoint U (Home Demo) | |||
※レビュー対象外です | 8. | Love Is... (Home Demo) | |||
※レビュー対象外です | 9. | Love Remains (Home Demo) | |||
※レビュー対象外です | 10. | Shot by Both Sides (Live John Peel Session) | |||
※レビュー対象外です | 11. | Taxloss (Live) ~ Witness to an Opera | |||
※日本盤の曲数です(日本盤ボーナストラック [※] を含む) ※レビューの盤種について | |||||
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