Googleは、機械学習(ML)モデルの作成を自動化し、企業の開発者によるカスタマイズを可能にすることで、人工知能(AI)の活用を「Google Cloud Platform」(GCP)におけるユースケースの主軸に据えようとしている。同社の主な主張は、ML向けのGCPツールによって、より質の高いモデルをより迅速に作成できるようになるというものだ。
同社は米国時間1月17日、「Cloud AutoML」を発表した。これは、MLモデルの自動作成を可能にするテクノロジを開発者にもたらす取り組みであり、現在はアルファ段階にある。同社はCloud AutoMLスイートの一環として、まず画像認識を対象とする「Cloud AutoML Vision」をリリースした後、翻訳や動画、自然言語処理といったさまざまな分野へと展開していく予定だ。
同社のGoogle Cloud部門でAI/ML担当チーフサイエンティストを務めるFei-Fei Li氏によると、GoogleはAI分野における標準的な構成要素を提供しているが、企業ユーザーは独自のデータでモデルをカスタマイズする必要のあることが明らかになってきたという。同氏は「AIとMLは依然として、高い障壁が存在する分野だ」と述べている。
AIの民主化に向けた計画とはどのようなものなのだろうか?同部門でAI/ML関連の研究開発を率いているJia Li氏によると、転移学習や訓練、モデルの最適化といったテクノロジの自動化が必要不可欠だという。自動化によって顧客はモデルの品質を今まで以上に迅速に向上できるようになると同氏は述べている。また開発者は、こういったモデルをシンプルなAPI呼び出しに変換できるようになる。
両氏は、同社のブログで以下のように述べている。
MLやAIの進歩を完全に把握するうえで必要となる人材や予算を確保している企業は、世界中を見渡しても現時点ではごくわずかしか存在していない。先進的なMLモデルを構築できる人材はとても少ないのだ。
このCloud AutoMLに対する取り組みは、画像の分析および最適化のためのCloud AutoML Visionから始まる。Google Cloud部門でAI製品マネジメント担当ディレクターを務めるRajen Sheth氏によると、顧客はAPIとコンピュートリソースの消費量に従って料金を支払うことになるという。同氏は「われわれは、それぞれの顧客が解決しようとしている問題に対する期待に見合った価格を、顧客とともに決定しようとしている」と述べている。
Cloud AutoML Visionはまず、DisneyやUrban Outfittersといった初期顧客に対して展開される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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