割り勘。
日本だと当たり前のこの習慣、中国人には馴染みがありません。中国文化をある程度知っている日本人は当然かもしれないけど、知らない人は全然知らないと思います。
今回は、割り勘しないの?じゃあ、どうするの?というお話。
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中国人は割り勘しません
中国人には割り勘という習慣はありません。じゃあ、どうするのか?
おごります!
えーっ!おごるの?厳しいなぁ。
なんて声が聞こえてきそうですが。おごるのですよ、中国人は。ヤンメイ妻の友人とのやりとりを見ると、おごりが普通ですね。
で、また次の機会にはおごってもらう。
つまり、おごっておごられてなので、一時的に財布から出るお金は大きく見えますが、結局は同じこと。損はしていません。
これが彼らの人付き合いの基本で、相手が友人だとおごることで親愛の情を示すというか、距離の近さを表すというか。そりゃ、他人にはおごりませんからね。おごるということは、「あなたと私は友達だよ」という意味でもあるわけです。
そして、当然おごった以上はおごられるターンがあります。
え〜っ!?でも、なかなか会えなくて忘れちゃったらどうするの?
忘れたらもうしょうがないかもしれないけど、友達ならもう少し頻繁に会おう!ってことです。そんなにご無沙汰しないわけですね。
中国人にとっての割り勘
この、おごったらおごられるターンがある、ということは、関係が続いていく、ということです。次回に続く、という連続ドラマな訳ですよ。
なので、日本式の割り勘というのは中国人にとって「貸し借りなし。一回で関係を終わらせる」という冷たい態度とも受け取られる訳です。1話完結のドラマですね。
連ドラだと、続きがどうなっちゃうんだろう?と気になるし、見逃したりしたら繋がらなくてモヤモヤします。でも、1話完結だと、見逃してもそんなにダメージないですよね。執着を生まず、あっさりとした関係です。
ある意味、日本人の人付き合いはそういう感じがあって、あっさりしているというか、あるラインから他人を近付けないというか。内と外の境界がとても強固です。
外国人から見ると、日本人は態度は親切だけど、心は冷たい、と受け取られることがあるのは、こういう距離感ゆえだと思います。
ひと昔前の田舎の社会ならもう少し濃い人間関係もあったかも知れませんが、外国人が集まる都会は人付き合いが淡白なので、こういう印象が強いんでしょうね。また、田舎は田舎で排他的なので、やっぱり外国人はなかなか受け入れられずらそうですし。
こんなところにも日本人の冷たさが!
なかなか他人をライン内に入れない、という分かりやすい例が立ち話です。
もちろん、日本人も立ち話もなんだから、と家に招いたり、場所を移したりもありますけど。井戸端会議というくらいで、いつまでも路上で立ち話も多いわけです。
一方中国人、井戸端会議しないんだって。立ち話するならお家に招き入れちゃう訳ですね。これには、人を寄せるのが好きとか、おしゃべりが好きとか、そんなにすごく片付いた家でなくても気にせず人を上げちゃうとか、ヒマがあるとか、色んな文化差が垣間見えるわけですが。
基本的に、特に最近の日本人にはおおらかさというか、あけっぴろげの人づきあいがないっていうのが、大きな違いなんだと思います。
国際化だなんだと言われていますが。留学生とか、日本語を話せる外国人も日本にはたくさんいますけど。じゃあ、外国人の友達何人いるのよ?っていうね。
外国からたくさん人が来ていて。仕事だったり勉強だったり、理由はいろいろだけど。何年か日本にいて、日本人の友人全然できなかった、とか残念だなぁと。せっかく日本のシンパを増やせる機会なのに、「あいつら何考えてるか全然わからなかったわ」とか国に帰って語られてしまうのはもったいないなぁ、と。
別に、知らない外国人にたまたま道案内するときのために英会話を習うとか、そーゆーリアリティのない努力は置いといて。こないだ外国人におごっちゃったし、今度はおごられにあいつのとこに行ってみようかな、みたいなトライをする人が増えたら、「日本人は冷たい!」とか言われないのかなぁ、なんて思ったりして。
そんな、日本人が冷たいと思われているよ、という割り勘ギャップのお話でした。