And Then There Were None / BBC
アガサ・クリスティーの名作ミステリーのドラマ化
全3エピソードによるBBCのドラマです。
大事なことなので繰り返すけど、3話完結なのですよ?
ぶっちゃけ中国時代劇の100分の3程度の時間で、上質のミステリーがジットリ堪能できるのです。
そりゃぁ、題名からして「そして誰もいなくなる」んだってネタバレしてるし、さんざん映像化されてるし、本は全世界で読まれてるし、地球規模で犯人が知れ渡っているお話です。
でも、話の流れやオチを熟知してても、ニューバージョンが出るたびに、チェックせずにいられない話ってありますよね。
かぐや姫や小公女、オペラ座の怪人とかドラキュラとか、オチを知ってても見ますよね?え?見ませんか?小公女!
まぁ、高慢と偏見とゾンビみたいな新しいチャレンジ追加に越したことはないけど、別に小公女がゾンビ化しなくても見る人は見ますよね。私ですけど。
だって保存版にしてるもん、アニメの小公女セーラに至るまで!
そんなこんなで、私にとって、「そして誰もいなくなった」は、新しさよりむしろオーソドックスな魅力を再確認するために見る、珠玉の一本。
しかしながら、もしこのストーリーを知らない人がいたら、その人は相当ラッキーです!
このようなブログはいますぐ閉じて、その無垢に感謝を捧げ、ただちにドラマを見てください。
読んだり見たりしたことあるけど、詳細はあまし覚えてないんだよね~、という人はその次にラッキーです。
このようなブログはいますぐ閉じて、以下同文。
ぶっちゃけうらやましいですよ、私も豆腐のカドに頭をぶつけ、記憶を失ったりした暁には、いの一番にこのドラマ見たい!
■続き
あらすじ
謎のオーウェン夫妻の招待により、イギリス、デヴォン州の孤島にぽつんと建つ屋敷に集合した男女10人。
ディナーの席で、それぞれ犯した罪が暴露され、10人の兵隊になぞらえて一人消え二人消え、ついに誰もいなくなる。
感想
とにかくBBCのドラマらしい、上がるキャスト群ですよね!
アンナ・マックスウェル・マーティンとか、チャールズ・ダンスとかバーン・ゴーマンとか!
ですからして、メンバーが列をなす孤島への上陸シーンなんて、ツボすぎてのたうちまわってしまいます。
とくに!
とくにチャールズ・ダンスがいいんです!
なんせすらりとスタイルが良くて、しかも知的で薄情そうな面構えとくりゃ、仕立ての良いロングコート姿がビンゴすぎてて萌え殺されます!
タイウィンがカール・タナーに荷物を運ばせてると思えば腹筋崩壊のこのシーン。
お話は、哀愁の美女ヴェラに感情移入させられる感じで始まりますので、過去を暴かれる過程でヴェラが徐々に悪女としてキャラ崩壊していく流れがたまりませんでした。
この人たちは犯した罪の重さというより、どう考えても性格の悪さのランク順に殺されてんの。
つまり、最後に死ぬヤツが極悪人。
ただし、死に方の嫌さと罪の重さが比例しないのだけは残念でっす。
それはともかく、アタイは紳士淑女のディナー場面が好きなのでして。
もっと言うと、紳士淑女の皮をかぶったゲスどものお食事と共に繰り広げられる会話シーンのブラックさが、酒のツマミに最高でして。
しかも、一堂に会する面子がくせのある個性派揃いだし、お前ら誰もいなくなるんや!!とわかってるだけに、序盤で全員揃ってる状態が貴重でとても愛おしいです。
お気に入りキャスト、ロジャーズ夫妻。
とても芝居がかった大げさに怪しい言動をする割に、序盤でポックリ 逝ってしまうのがなんともはや。
個人的に、スピンオフを期待するならこの夫婦!!
もしクラウドファンディングで出資できるなら、二千五百円フンパツします!
ただ、サム・ニールとミランダ・リチャードソンというせっかくドス濃いキャストがいるのも関わらず、二人の見せ場がやや少なかったのが残念。
この二人の周辺で、もうちょっとえげつない一押しがあれば最高だったのに!
出演
- アンソニー・マーストン/ ダグラス・ブース
- ロレンス・ウォーグレイヴ/ チャールズ・ダンス
- ヴェラ・クレイソーン/ メイヴ・ダーモディー
- ウィリアム・ブロア/ バーン・ゴーマン
- エセル・ロジャーズ/ アンナ・マックスウェル・マーティン
- ジョン・マッカーサー / サム・ニール
- エミリー・ブレント/ ミランダ・リチャードソン
- エドワード・アームストロング/ トビー・スティーブンス
- トマス・ロジャーズ/ ノア・テイラー
- フィリップ・ロンバード/ エイダン・ターナー