朝日新聞広報部の公式Twitterが1月15日、小説家・百田尚樹氏に対し、ツイートで「強く抗議」した。Twitter上で批判されることが多い朝日だが、このような形で抗議を返すことは初めてだ。
朝日新聞が「読者を敵視するような差別的な発言」と抗議したのは、百田氏の1月13日のツイートだ。
「中国と日本が軍事衝突をすれば、朝日新聞は100パーセント、中国の肩を持つ」と断言し、「朝日新聞は日本の敵」「そんな売国新聞を支えている朝日の読者も日本の敵だ」と結論づけている。
このツイートは6500近くリツイートされ、13500以上の「いいね」が付いている(1月15日午後4時半現在)。
日頃から朝日新聞に対し、「誤報を垂れ流す新聞社」「捏造新聞」などと指摘している百田氏。この一つ前のツイートでも、「マジで潰れてもらわないといけない!!」などと述べている。
百田氏に限らず、 朝日新聞への批判ツイートは多い。なぜ、今回初めて広報の公式アカウントから抗議を返したのか。
BuzzFeed Newsが朝日新聞に取材したところ、広報から回答があった。
「百田尚樹氏がツイートの中で、弊紙の読者を『日本の敵』と決めつけたためです。弊社としては、看過できません」
朝日新聞の広報アカウントは、2017年8月に開設された。これまでは、新聞社として、政治家や評論家などに抗議したり、提訴したりする際は、「提訴しました」などと事実関係をツイートするだけだった。
今回のように、Twitter上で正面から抗議を返すのは実は初めてだ。
その理由について、広報部によると、今回は百田氏の発言を「ツイッター上での中傷」と捉え、Twitter上で反論したという。
記事の冒頭で紹介したこの抗議ツイートは、7000回以上リツイートされ、同じく7500以上の「いいね」がついた(1月17日午後4時半現在)。
百田氏はこの朝日新聞のツイートに対し、1月16日早朝にこう反論した。
朝日新聞の広報さん、 私はたしかに朝日新聞と読者を敵視したようなツイートをしましたが、差別的な発言はしていません。 なんでもかんでも、すぐに「差別だ!」と、がなりたてるのはやめませんか。精神が弱者ビジネス丸出しですよ。 https://t.co/6h40JEH6nB
朝日新聞と読者を「日本の敵」とした発言は、「敵視したようなツイート」と認める一方で、「差別的な発言」ではなく、そのような指摘は「弱者ビジネス」と改めて批判した。
この指摘に対する見解も質問したところ、朝日新聞広報部はこう回答した。
「ツイートした内容以上のコメントはありません。この件に限らず、今後も必要に応じてツイッターなどで弊社の見解や立場を説明いたします」
百田氏はその後も「私に絡むのもいいが、朝日新聞・広報に応援リプライを送ってやれよ」「百田尚樹と朝日新聞とのバトル、Yahoo!ニュースにもなってる」などと投稿している。
Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.
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