新酒づくりが始まり、スーパーなどでも目にすることが多くなってきた「酒かす」。実は最新研究で、肌のコラーゲンをアップさせることが判明しました!しかも、その効果はコラーゲンを作り出す細胞が減っている40代以上にこそ発揮されるという優れもの。そこで、我らが3シェフ(日本料理・橋本幹造シェフ、中国料理・井桁良樹シェフ、フレンチ・秋元さくらシェフ)の皆さんに、全く新しい「酒かすレシピ」を紹介してもらいました。「風味が苦手」「甘酒にするくらいしか使い道が分からない」という悩みも解消してくれる&簡単でおいしい&見たら絶対に献立レパートリーに加えたくなる酒かす料理です!
酒かす摂取でコラーゲン量UP
金沢工業大学の尾関さんたちの研究で、酒かすや日本酒に含まれる「α-EG」という成分が、コラーゲンを作り出す線維芽細胞に働きかけ、増殖を促進することが分かっています。
「α-EG」は、熱にも強いので、加熱調理をしても効果は変わりません。
尾関さんによると、1日50グラム(甘酒1~2杯分)の摂取を2週間続けることで効果が期待できるそうです。
万能調味料「熟成酒かす」
富山県の酒蔵では、1年間保管した「熟成酒かす」をラーメンやキムチなどにチョイ足しする調味料として使っています。今回は、自宅でもできる熟成酒かすの作り方を紹介しました。
熟成酒かすの作り方
- アルコールが飛ばないようしっかりとラップでくるむ
- 密閉容器に入れる
- 日光の当たらない場所で約6か月室温保管
橋本幹造さんの「豚バラ肉と白菜の酒かす蒸し」
材料・2人分
- 酒かす100グラム
- 甘酒100ミリリットル
- 豚バラ肉(うす切り)200グラム
- 白菜200グラム
- しめじ100グラム
- 水100ミリリットル
- 塩適量
- レモン4分の1コ
作り方
- すり鉢に、酒かすをちぎって入れ、すりこ木で軽く潰す。
ここに、甘酒を3回に分けて加え、酒かすと甘酒をなじませる。
※塊が残っていても大丈夫。 - 豚バラ肉は、長さ7センチ程度に切り、(1)のすり鉢に入れ、全体をまぜる。
これをポリ袋に入れ、冷蔵庫で一晩寝かせる。 - 白菜は、葉と軸を切り分ける。葉は食べやすい大きさに切る。
軸の部分は繊維に沿って、幅1センチの短冊切りにする。 - 冷たいフライパンに白菜の軸を入れ、その上に(2)の豚バラ肉を酒かすごと広げる。
白菜の葉のせ、さらに小房に分けたしめじを乗せる。 - (4)のフライパンに、水を回し入れ、ふたをして、中火で12分ほど、蒸し煮にする。
- 器に盛り、塩をふり、レモン汁をしぼる。
秋元さくらさんの「酒かすフレンチトースト」
材料・2人分
酒かす生クリーム
- 酒かす50グラム
- 生クリーム(乳脂肪分35パーセント)200ミリリットル
- 砂糖10グラム
フレンチトースト
- 牛乳50ミリリットル
- 卵1コ
- 酒かす生クリーム150ミリリットル
- 食パン(4枚切り)1枚
- バター10グラム
キャラメルソース
- 砂糖40グラム
- 水大さじ1
- 酒かす生クリーム100ミリリットル
盛りつけ用
- 好みの果物・粉砂糖・ミントの葉適量
作り方
酒かす生クリーム
- 酒かすは、5ミリ角のみじん切りにする。
- 鍋に(1)の酒かす、生クリーム、砂糖を入れ、強火で沸騰するまで加熱する。
- (2)の鍋を火からおろし、ハンディプロセッサーで1分ほどかくはんし、酒かす生クリームをつくる。
この内、100ミリリットルを別に取り分ける。
※取り分けた100ミリリットルは、キャラメルソースに使う。
フレンチトースト
- 酒かすクリームの鍋に、牛乳、卵を入れ、溶きまぜ、卵液をつくる。
- 食パンは、みみを切り落とし、4等分に切る。(1)の卵液をかけて、もむ。
- フライパンを中火で熱し、バター(5グラム)を溶かす。上下を返しながら全面に焼き色をつける。
最後の面を焼くときに、バター(5グラム)を加え、ふたをしてさらに1分半ほど焼く。
キャラメルソース
- 鍋に、砂糖・水を入れ、強火で加熱する。
茶色くなってきたら鍋をゆすり、全体にまんべんなく色をつけ、火からおろす。 - (1)の鍋に、酒かす生クリーム100ミリリットルを入れ、全体をまぜる。
仕上げ
- 皿にフレンチトーストを盛り、キャラメルソースをかける。
お好みの果物とミントの葉を飾り、粉砂糖を振る。
井桁良樹さんの「酒かす肉まん」
材料・12コ分
生地
- 酒かす60グラム
- ぬるま湯160ミリリットル
- 薄力粉300グラム
- ベーキングパウダー小さじ2
- 砂糖大さじ2
- 塩ひとつまみ
- ラード(サラダ油でも可)大さじ1と2分の1
あん
- 酒かす30グラム
- 水60ミリリットル
- 豚ひき肉200グラム
- しょうが(みじん切り)15グラム
- しょうゆ大さじ1と2分の1
- 砂糖大さじ1
- 紹興酒大さじ1
- こしょう適量
- 塩ひとつまみ
- ラード(サラダ油でも可)大さじ1
- ごま油小さじ1
- かたくり粉大さじ1
- ねぎ(みじん切り)40グラム
作り方
生地
- みじん切りにした酒かす(60グラム)とぬるま湯を合わせ、ハンディプロセッサーで1分ほどかくはんし、酒かす水をつくる。
- 薄力粉とベーキングパウダーは一緒にふるいにかけ、ボウルに入れる。
- (2)のボウルに、砂糖、塩、ラード、(1)の酒かす水を入れ、ヘラでひとつになるまでまぜる。
- 台に打ち粉(分量外:薄力粉適量)をし、(3)を2分ほどこねる。
※乾燥しないようにラップフィルムをかけておく。
あんを作る
- ボウルに、みじん切りにした酒かす(30グラム)と水をいれ、泡立て器でまぜる。
- 豚ひき肉に、みじん切りしたしょうが、しょうゆ、砂糖、紹興酒、こしょう、塩、ラード、ごま油をいれて、粘りが出るまでよくねる。
- (2)に(1)の酒かす水を加え、一定方向によくまぜる。そこに、かたくり粉・ねぎを加えてまぜる。
これを冷蔵庫で20分ほど、ねかせる。
仕上げ
- 生地を細長くのばし、12等分にちぎり、それぞれを丸める。
- (1)をめん棒で中央が高くなるように直径9センチほどに広げる。
- あんを12等分にし、(2)の生地にのせ、左右、上下から生地を真ん中に寄せる。
さらに、その間の生地も中央に寄せ、口を閉じる。 - 蒸気があがった蒸し器に、5センチ角に切ったオーブン用の紙を敷き、その上に肉まんをのせ、ふたをして12分ほど蒸す。