ギャップと破壊力は抜群!意外な理由で世界を救う!?
小さな頃に憧れた存在と言えば、世界を救うヒーローではないでしょうか。ある日特別な力を手に入れた少年少女たちが、幾多の困難を乗り越えて、地球を救う物語は、多くの感動を呼びます。小さなころは憧れの対象としてありましたが、大人になってからも胸を打つ物語であることには変わりありません。
漫画作品でも世界を救う物語は数多存在しますが、現代を舞台としたSFやファンタジーもあれば、異世界を舞台としたハイファンタジーなど、設定は様々。しかし、世界を救うという最終目標は同じです。大切な誰かのため、人類のため、理由は様々ですが、『惑星のさみだれ』(ほしのさみだれ)ほど、特殊な理由を持った世界救済ストーリーは無いのではないでしょうか。
作者 | 水上 悟志 |
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出版社 | 少年画報社 |
出版日 | 2006年01月27日 |
本作は現代を舞台にした物語。大学生の雨宮夕日は、ある朝にしゃべるトカゲと遭遇します。「指輪の従者」と名乗るトカゲのノイは、夕日には超能力が授けられており、願いを叶える代わりに、「指輪の騎士」として魔法使いと戦ってほしいと話します。
興味が無いと断った夕日でしたが、魔法使いの生み出した泥人形に襲撃され、命の危機に。死を覚悟した夕日を救ったのは、指輪の騎士に守られる姫でありながら、自身も強力な超能力に目覚めた隣に住んでいる少女、朝比奈さみだれでした。
さみだれは自身の目的を語り、夕日を仲間に引き入れます。 さみだれの目的は、自身が愛する地球を、自分だけのものにするために破壊すること。そのために魔法使いと戦うという突拍子もないものでした。
さみだれの隠された秘密や、夕日との関係、敵方の魔法使いアニムスの謎に関する事柄など、伏線が随所にちりばめられており、読み応えは抜群です。単純なバトル物ではなく、戦いを描いているため、重い描写も多いですが、大人の胸を熱くする展開も満載で、一気読みに最適です。
子供向けと侮れない!国民的ゲームのコミカライズは伏線の宝庫
子どもの頃に流行したもの、という話題が出ると大概年齢がバレるもの。年齢を重ねるにつれ耳に痛い話題ともなりますが、長い間多くの人に愛されている作品ならば、共通の話題ともなりやすく、世代を超えて話が盛り上がることもあります。自分が子どもの頃好きだったものを、自分の子どもや、後輩が好きになってくれるというのも、なんだか嬉しいものです。
国民的人気を誇っている作品は数多くありますが、国民的ゲームのひとつといえば『ポケットモンスター』ではないでしょうか。架空の世界を舞台に、そこに生きる架空の生物「ポケモン」を捕獲、育成しながらストーリーを進めていくロールプレイングゲームです。アニメや映画も人気ですが、幅広い世代に読まれているのが、コミカライズ作品である『ポケットモンスターSPECIAL』です。
作者 | 日下 秀憲, 真斗 |
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出版社 | 小学館 |
出版日 | 1997年09月01日 |
本作はコミカライズ作品ということもあり、基本ストーリーはゲームのシナリオをベースとしていますが、コミックスオリジナルのアレンジも加えられており、ゲームをプレイした方でも新鮮な気持ちで読むことができます。また、ゲーム内の小ネタや設定が漫画に登場することもあり、原作ゲームファンはニヤリとする場面も多いでしょう。数多あるシリーズで主人公が代わるように、本作の中でも章ごとに主人公が交代していきます。
最初の物語は、カントー地方のマサラタウンという小さな町に住む、レッドという少年が主人公。レッドは、森で何かを探している様子の、怪しい黒ずくめの集団を発見します。そこで幻のポケモンの情報を手に入れて現場に向かったところ、光り輝く謎のポケモンと戦うグリーンに加勢しますが、倒されてしまいました。強くなろうと決意したレッドは、究極のポケモントレーナーとして成長するため、旅に出ます。
物語はゲームシリーズの発売順とほぼ同じように進みますが、各所に伏線が仕込まれており、子供向け作品だと侮れない作りになっています。画面の端にいただけの人物が実は後のシリーズで主人公になったり、敵方の意外な真実が次の章で明かされたりするなど、書ききれません。主人公は違っても、連綿と続いていく物語、息の長い作品だからこそできる構成に唸ります。
複数主人公設定が新鮮!長い時を駆けるバトルファンタジー
物語には主人公が定められており、特殊設定ではない限り、大概は主人公を中心に物語が進んでいきます。主人公が苦悩し、成長していく姿に共感し、励まされた読者も多いのではないでしょうか。
主人公は物語の要であり、読者を映す鏡でもある存在です。 主人公というのは、1人だけというイメージがありますが、作品によっては複数人の視点で進むなど、人数を限定されているわけではありません。特殊な主人公の設定が目を引く作品と言えば『マテリアル・パズル』。とあるきっかけを引き金に、主人公の人格と肉体が入れ替わるという、驚きの設定があるのです。
作者 | 土塚 理弘 |
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出版社 | スクウェア・エニックス |
出版日 | 2002年06月22日 |
魔法が存在する世界。辺境の村ミルホットに、突然の脅威が襲います。村一番の武術の使い手である少年、御風(ミカゼ)は、村を救ってもらうため、不老不死という3人の魔法使いを訪ねます。そこで出会ったのは、まだ少女の姿である魔法使い、アクア。彼女に認められ、御風とアクアは村に向かいました。しかし、ほんの些細なきっかけで、アクアは命を落としてしまいます。
不老不死なのではなかったのかと驚く御風でしたが、死んだアクアは瞬く間に消え去り、まったく別の人間が現れます。
10代後半の少年の姿をしたティトォ、アクア、そしてもう1人の魔法使いであるプリセラは、同時に1人しか存在することができない不老不死の魔法使い。1人の死により、別の存在に変わることを義務付けられた存在でした。
死によって入れ替わるという、重めの設定でありながら、ギャグ展開はかなり多め。シリアスとギャグの配分がちょうどよく、重くなりがちな物語と、読者の肩を緩めてくれる力があります。3人の魔法使いが不老不死ということもあり、数百年単位での時間の流れがある物語。伏線も多く、3人の主人公それぞれの過去も気になってくるはずです。なぜ3人は運命を共にすることになったのか、長い時間の中で語られる物語を堪能してください。
じわじわくる面白さ!遅効性SFバトル漫画には謎がいっぱい
漫画は1話目、1巻目と、物語の始まりが肝心と言えるでしょう。読者の関心を惹きつけて物語にのめり込ませ、続きを読ませたいという気持ちにさせていかなければなりません。吸引力はそのまま人気に直結し、1話目が面白かった漫画は、そのまま人気作品となるケースが数多くあります。
とはいえ、全ての作品の面白さが、最初にだけ集約されているわけではありません。最初はそうでもなかった、という作品が巻数を重ねることにより、面白さを増していくということもあるでしょう。『ワールドトリガー』は、遅効性SFというキャッチコピーが付けられているとおり、じわじわとその面白さが伝わっていく作品です。
作者 | 葦原 大介 |
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出版社 | 集英社 |
出版日 | 2013年07月04日 |
人口28万人の都市、三界市。人々が穏やかに暮らすその町に、ある日突然異世界への「門(ゲート)」が開かれました。門から現れたのは、見たこともないような怪物。「近界民(ネイバー)」と呼ばれるそれは地球上の兵器がまったく通用せず、人々は恐れおののきます。しかし、そこに突然現れた近界民でもある、「界境防衛機関ボーダー」と名乗る一団が、怪物を撃退。ボーダーたちに守られ、三界市の人々は穏やかな生活を取り戻しました。
その4年半後、ボーダーに訓練生として所属している三雲修は、空閑遊真という不思議な少年と出会います。真っ白い髪に、小柄な体躯に似合わず、癖のある性格の遊真を放っておけず、行動を共にすることに。そんなとき、近界民に狙われる雨取千佳や、エリートボーダーである迅悠一と出会い、物語は進んでいきます。
門より現れる敵と戦うというSF物語ですが、戦闘は集団戦で、戦略がメイン。1人だけが強くても勝てず、チームで勝つにはという方法を探っていく過程も面白く、心理戦では手に汗握ります。何度も読み返すことを前提として作られており、伏線はちょっとやそっとでは発見できないかもしれません。発見する驚きに満ちた物語、何度も読み返して奥深い世界にハマりますよ。
東京下町の女子高生が主人公の日常系!時系列ギミックがすごい
日常というと、何も特別なことなど起こらない、退屈な日々であると想像するでしょうか。はたまた、毎日繰り返される営みこそ尊く、愛おしいと感じるでしょうか。日常系と分類される作品の多くは、どこか人の心を穏やかにしてくれる効果があるように感じられます。
『それでも町は廻っている』は、日常系ではあるものの、少し不思議という注釈が付く物語でしょう。東京の下町で育った女子高生を主人公とした日常を、コメディタッチで描いた作品で、どこか裏路地に迷い込んでしまったような、不思議な気分を味わうことができます。基本的には一話完結ですが、物語が奇妙な繋がりを見せ、読者を不可思議な日常へと誘います。
作者 | 石黒 正数 |
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出版社 | 少年画報社 |
出版日 | 2006年01月27日 |
東京都大田区の下町、丸子に暮らす嵐山歩鳥(あらしやまほとり)は尾谷高校に通う女子高生。ありあまる行動力を持ち、ポジティブかつちょっと天然気味な明るい性格をしています。丸子商店街にある喫茶店シーサイドでアルバイトをしていますが、ある日マスターの磯瑞ウキの商売繁盛の秘策により、喫茶店はメイド喫茶に変更することに。
しかし、メイド喫茶とは名ばかりで、メイド服を着た歩鳥が接客をするだけという状態。歩鳥の同級生、辰野俊子がアルバイトに勧誘されることになり、そこにアルバイトのうわさを聞き付けた教師が登場し、と人が人を呼ぶ展開が続いていきます。
日常系というと、連載が長引くにつれて学年がループする事態が発生、暗黙の了解の上に作品が成立するという事態が多々発生します。本作の場合は、常にどの時系列の日常が描かれているのかわからない、というのが最大の特徴。そのため話が繋がらず、読者は不思議な感覚を味わいます。適当ではなく、全て計算された配列になっているので、歩鳥の日常がどうなるのか、わくわく感を堪能できるでしょう。
主人公は記憶喪失!ブラックメルヘンギャグがクセになる
主人公が記憶喪失であった場合、主人公にとっても、読者にとっても最大の謎となるのは、記憶ということになるでしょう。なぜ失われたのか、本当はどんな人物だったのか。失われたものを探す苦痛の果てにある真実を、一緒に探していくのです。
『ドロヘドロ』は、インパクトのあるタイトルと表紙の文字が目を引きますが、魔法が登場するダークファンタジー世界の物語です。とはいえ、完全にファンタジーではなく、機械のようなものも登場するので、スチームパンクのような印象を受ける読者も多いでしょう。ざらりとしたような、荒さのある絵柄が世界観にマッチしています。
作者 | 林田 球 |
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出版社 | 小学館 |
出版日 | 情報なし |
物語は魔法のケムリによって歪んだドアと、「魔法使いの世界」と繋がってしまった「ホール」と呼ばれている、とある一つの町から始まります。魔法使いは実験と称してはよくホールに現れ、好き勝手に実験をしては自分の世界へ帰っていくという行動を繰り返していました。当然ホールの人間たちは抵抗をはじめますが、被害者は増えるばかり。
カイマンもそんな魔法使いの被害者の1人。頭を爬虫類に変えられ、過去の記憶を失っていました。現在は倒れていたカイマンを拾ってくれたニカイドウと生活をしています。カイマンは魔法使いを狩り、自分自身の過去と本来の姿を取り戻すために戦っていました。魔法使い狩りを許容できない魔法使いは、ホールで発生する魔法使いの連続殺人を食い止めるべく、始末屋も動き出し、戦いは激化していきます。
カイマンは頭部が爬虫類にされていることもあり、見た目はかなりシュール。グロいと感じる場面は多いですが、どこか愛嬌のあるブラックユーモアとして流されている部分もあり、グロすぎるということはありません。
刊行ペースは遅めなので、何度となく読み返して、そのダークな世界と張り巡らされた伏線を楽しみましょう。
中国古典小説が原典!仙人たちが活躍するバトル漫画の謎
創作物は国家どころか、時間も次元も、軽く飛び越えることができます。漫画では日本を舞台にした作品はとても多いもの。それ以外にも、ヨーロッパ文化に近いファンタジーものや、中華風の世界観をもった作品も、人気を集めています。
特に中国の歴史や小説、逸話などをモチーフとした作品は、日本でもなじみとなりました。中でも、日本に古代中国の壮大な物語を定着した作品として周知されているのが本作。中国の古典怪奇小説を原作とし、安能務訳『封神演義』を参考に描かれており、人間だけでなく、仙人や神の思惑が交錯する、壮大なストーリーが展開されています。
作者 | 藤崎 竜 |
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出版社 | 集英社 |
出版日 | 情報なし |
約3000年以上前の中国は、殷王朝が栄えていました。名君と謳われていた殷の紂王は、悪の仙女妲己を皇后に迎えてから、怪しい術に惑わされて放蕩三昧、悪政の果てに国が乱れてしまいます。仙人界ではこの事態を憂い、悪の仙道を神界に閉じ込め、新たなる王朝を作る計画を実行することに。多くの選任を育成する崑崙山の教主、元始天尊の弟子である太公望は、「封神計画」を任され、強大な敵に立ち向かうこととなりました。
物語は太公望を中心に進みますが、仙人界の事情だけではなく、人間たちのドラマも見どころのひとつ。特に、殷を滅ぼし、国を興そうと立ち上がる周の面々や、元々紂王の臣下だった人々の苦悩に、胸が締めつけられます。コメディタッチの描写は多いですが、さらりと残酷な描写が登場するので、苦手な方はご注意ください。
壮大なストーリーの本作ですが、人間と仙人の戦いは、予想外の方向へ進んでいきます。その展開を暗示している伏線が、コメディ描写の1コマに隠されていたり、コミックスの表紙に対比する関係性のキャラクターが対になって描かれているなど、見落としがちなところに集中しているのがポイント。物語を堪能しながら、もしやこれが伏線、と疑いながら読み進めるのも、楽しみ方のひとつとなりそうです。
後半の加速度は随一!異形との戦いを描くSFファンタジー
たくさん伏線が張られた物語を、わくわくしながら読み進めた経験はおありでしょう。次々と明かされる真実、盛り上がる物語、高揚したまま最後の頁を読み終え、満足して裏表紙を閉じながらふと気がつきます。あの伏線回収されてないじゃないか。そんな経験も、もちろんおありでしょう。
伏線をたくさん張るのは、物語の盛り上がりにおいても重要な作業ではありますが、回収されなかった伏線と、それにまつわる謎は、完結を迎えてしまえば明かされず、読者は悶々とした気持ちのまま日々を過ごさねばなりません。そんな回収されない伏線問題に悩まず、物語を楽しむことができるのが『ワールドエンブリオ』です。
作者 | 森山 大輔 |
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出版社 | 少年画報社 |
出版日 | 2006年03月27日 |
本作は、現代を舞台としたSFファンタジー作品。日常に人外の敵が入り込み、戦っていくうちに、世界の謎や自身に纏わる事実が明かされていきます。伏線は1巻から緻密に張られており、回収されるのは物語が後半に差し掛かった頃。物語は加速度的に面白さを増し、どんどん世界にのめり込んでいくことができます。
私立の高校に通う16歳の高校生天海陸は、2年前から行方不明となっていた叔母から、突然メールを受け取ります。添付されていた写真を元に廃病院に姉を探しに行くと、そこで異形の存在、棺守と遭遇。命の危機を迎えてしまいます。しかし、謎の繭を拾った陸は、繭から発せられた光により、窮地を脱します。その翌日、繭から生まれたのは赤ん坊。失踪した叔母の天音に瓜二つのネーネでした。
天音とネーネが物語のキーとなりますが、地味で嘘つきな主人公、陸の成長も見どころのひとつです。また、女性キャラクターが魅力的なところも注目ポイント。年上のお姉さんの包容力あり、幼女のかわいらしさあり、真面目美少女あり、とお気に入りのキャラクターを見つけることができるはずです。
水着とゆるさに騙される!終末系日常SF
共感するポイントも多く、癒される要素の多い日常系漫画ですが、そのシチュエーションは様々。学校が舞台となっていることもあれば、田舎や離島、異世界の日常が描かれることもあります。そこにあるのは、何でもない普通の日々ですが、その普通の日々は、何も起こらない、平和な世界であるからこそ、送れるものではないでしょうか。
日常系というジャンルに片足を突っ込んでいるものの、本格SFという側面も持っているのが『地球の放課後』です。1巻の表紙が水着を着た少女であるため、とてもゆるそうな印象を受けますが、騙されてはいけません。地球は未曽有の危機を迎えており、彼らの身も安全であるとは保障されていないのです。
作者 | 吉富 昭仁 |
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出版社 | 秋田書店 |
出版日 | 2010年02月19日 |
地球には少年少女、あわせて4人の人間しかいなくなっていました。原因は、謎の生命体「ファントム」が襲ってきたため。ファントムは人間を輪切りにし、存在を消滅させていきます。1人、また1人と人類は姿を消し、ついには4人となってしまったのです。
川村正史は、唯一生き残った少年。自家製農園を運営して野菜を育て、3人の少女とともに自給自足の生活を送っていました。誰もいない世界だからこそ、悠々自適な生活を送っていた4人でしたが、正史はある日、消えたはずの妹と遭遇します。再会をほのめかす妹の存在や、突如現れたファントムの正体など、日常の中で謎が少しずつ明らかにされていきます。
日常系のゆるりとした空気の中に、緊迫した状況や、多くの謎が散りばめられているため、読者は気を緩めがち。しかし、ストーリーは緻密に作られており、全6巻で伏線も回収されるため、気を抜ける場面は一切ありません。なぜ人類は消滅しなければならなかったのか、ゆるい日常の中にある答えを、正史たちと一緒に探してみましょう。
ゼロから文明を取り戻す!2人の少年の地道な戦いがカッコいい
人類の歴史は長く、猿人が誕生したのは300万年ほど前、ホモサピエンスとなれば数万年前という、途方もない時間があり、今日の人間という存在があります。その数万年の間にも、様々な人間の営みがあり、それが歴史という形で積み重なってきました。わたしたちの日常も、やがて歴史のひとつとして積み重なっていきます。
人の営みは連綿として続くものであり、生活している場に文明が存在します。では、人間がいなくなってしまった後の世界は、いったいどうなってしまうのでしょうか。その疑問に一つの問いを出しているのが『Dr.STONE』です。本作では、突如として文明を奪われた世界で生きることを余儀なくされた、少年たちの奮闘が描かれています。
作者 | Boichi |
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出版社 | 集英社 |
出版日 | 2017年07月04日 |
大木大樹が、告白という一世一代の大舞台に挑むその時に、突如として空が発光し、全人類が石化するという事態に見舞われてしまいました。長い年月を経て、石化が解かれた大樹でしたが、目の前に広がっていたのは石像となって転がる人間たちと、樹木が生い茂り、自分たちの世界が風化した姿でした。
大樹の幼なじみであり、科学部の部長でもある主人公、石神千空は、発光し石化した時点から、秒単位で時間を数え続けるという、気の遠くなるような作業の果てに生還した、驚異的な精神力の持ち主。
西暦5783年、ふたりは失われた3700年を取り戻す決意をします。
本作は、千空たちが知識と体力を武器に困難を乗り越えていく過程を描いていきます。極限状態ならではの人間ドラマも見どころで、石化から生還した人間たちの、様々な思惑が交差します。読み進めていくと発見する小さな疑問は、伏線である場合が多く、明かされていない謎はまだ数多くあります。千空たちとともに、世界の謎と文明の再興に挑んでいきましょう。
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