知ってた? iPhoneを「お急ぎ充電」する方法
最近のiPhoneには、素早く充電ができる「急速充電」機能が搭載されています。しかし、その仕組みを理解していないと、せっかくの機能を活かすことができません。そこで、iPhoneの急速充電の基礎知識を、家電批評が行った検証データを交えてご紹介します。
知ってるようで知らない
「急速充電」の仕組み
気がついたら充電が残り10%、急いでいるのになかなか充電が進まない……こんな経験をした方は多いと思います。「どうすれば速く充電できるの?」「ケーブルって充電速度に関係ある?」といった素朴な疑問を解消するための「充電基礎知識」を、今から勉強しましょう!
電流を「送る力」と「受け取る力」
急速充電には両方が必要です
まずは、急速充電の基本的な知識を押さえておきましょう。急速充電とは、より多くの電流を送ることで充電速度を上げる方法のこと。「30分で50%まで充電」のように、一定容量までを急速で充電する「高速充電」とは区別されます。
急速充電を行うためには、「より多くの電流を送れる充電器」と「より多くの電流を受けられるスマホ」の両方が必要です。一般に、急速充電には2A(アンペア)以上の電流が必要と言われています。つまり、急速充電対応のスマホでも、充電器のA数が不足していればその能力を発揮しきれませんし、急速充電対応の充電器も、多くの電流を受けられないスマホ相手では使えないのです。
iPhoneを急速充電するためには
付属品ではなくiPad用充電器を選ぼう!
よく「iPhoneの付属充電器は充電が遅い」という声を聞きます。その理由は、先ほど述べたA数の不足。実際どれくらいの電流が送られているのか、充電器とケーブルの間に簡易テスターを挟んで計測してみました。
結果は0.99Aと1Aを下回りました。確かに、この電流では急速充電はできません。
一方、iPad用の充電器を使って計測すると、なんと2.3Aをマークしました。これなら、付属充電器を大幅に上回る充電速度が期待できますね。
急速充電に対応しているのは
「6&6s Plus」以降のモデルです
急速充電のもうひとつの条件が「2A以上の電流を受けられるスマホであること」でしたが、iPhoneの場合、これに該当するのは、6&6s Plus以降のモデルに限ります。各モデルの計測値を見ていきましょう。
まずは、iPhone 5sです。
電流:1A
急速:×
iPhone 5s以前のモデルは、1A以上の電流を受けることができません。当然、急速充電もできないということになります。しかしこれは、iPad用の充電器を用意しなくても、付属充電器で「最速」の充電ができる、ということでもあります。
次は、iPhone 6&6sです。
電流:1.4A~
急速:△
こちらは、テスターで1.68Aを記録しました。急速充電とまではいかないものの、5sに比べるとかなり速くなっています。
続いて、iPhone 6&6s Plusです。
電流:2A~
急速:○
「6」と同時期に発売された「Plus」ですが、見た目だけでなく充電速度にも違いがありました。テスターの値では1.92Aとなっていますが、このあたりになると急速充電の恩恵が感じられるようになるでしょう。
最後は、iPhone 8です。
電流:2A~
急速:○
ご覧のように、実測で2Aを軽く超えてきます。急速充電を受ける力は十二分にあると言えるでしょう。また、iPhone 8とXは、USB Type-Cやワイヤレス充電にも対応しているので、用途に応じた充電方法を選びましょう。
ケーブルも充電速度に関係します!
非認証製品にはご注意を
アマゾンなどで激安充電ケーブルが売られていることがあります。値段に惹かれて買いたくなりますが、アップル非認証製品には注意が必要です。
こちらの計測値は、先ほどその速さを見せつけたiPad用充電器と接続したときの計測値です。約1.6Aと、充電器の性能が活かせていないことがわかります。急速充電を利用したいなら、アップル認証製品を選ぶほうが無難でしょう。
一番簡単な方法は「iPad用」の
充電器とケーブルを使うことです
このように、急速充電に対応したモデルで適切な充電器とケーブルを使えば、iPhoneでも急速充電が利用できます。充電速度を上げたい方は、まずはiPad用充電器を使ってみてはいかがでしょうか?
アップル
iPad 10W USB電源アダプタ
実勢価格:2480円
360.life(サンロクマルドットライフ)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。広告ではない、ガチでテストした情報を毎日お届けしています。