社長と若手が本音で語る未来トーク
社長と若手が本音で語る未来トーク
プログラム内蔵式コンピュータが誕生してから約70年。
日本でソフトウェア専業の会社が誕生したのがその20年後、1960年代半ばでした。
創業50周年を迎える弊社も、ソフトウェア産業の黎明期に誕生した会社のひとつです。
そして新しく始まる次の50年。そのスタートにあたって、これからのメインプレーヤーである
若手メンバー達が管理工学研究所とは、未来とはを、社長と語りました。
金谷 直己
前田 浩隆 玉邑 和也
松本 大貴 市村 智和
塩沢 哲時 大岩 博史
三野 哲志 田辺 久雄
「スゴイを届ける」を実現するために
金谷 直己

管理工学研究所(管理工学、K3)が創業50周年を迎えるにあたり、会社の方向性を「スゴイを届ける」というコーポレートステートメントにまとめました。 これはいままでK3が歩んできた道、そこに関わったみんなの気持ち、そしてこれからも目指し続けるべきことを言葉にしたものです。

K3は今から半世紀前の1967年、まだソフトウェア開発が産業になっていなかった時代に、大学の先生をしていた関根智明さんが創業した会社です。 関根さんの「職人が威張れる会社を作りたい」という理想や、「気の利いた人間が作ったものは、必ず社会に価値を提供する」との信念は、個々の技術者を尊重する社風として、今に受け継がれていると感じています。 これから中核になっていく世代のみなさんが管理工学にどんな思いを持っているのか、テーマに沿って語り合っていきたいと思います。

テーマ1:管理工学研究所は、どんな会社でしょう?

市村 智和

メンバー一人ひとりが「私が管理工学です」と主張している会社だと思います。会社の中の一人ではなく、それぞれの技術者が自社のブランドをそれぞれ代表している印象があります。その分責任も大きいと感じています。

まだ会社に入ってからの年数も短く、ほかの部門のメンバーはよく知らないのですが、それでも「変な人」が多いという噂は耳にしています(笑)。

社内にまだ会ったことのない人はいますが、知っている人は全員が何かの分野のプロフェッショナルですね。それぞれがやりたい仕事を持ち、自由に挑戦できる環境がいいなと思っています。

この会社にはなぜか「管理工学『らしい』人」が入社してきますよね。いろんな個性の持ち主が集まるので、自分にはない考え方に触れて、刺激を受けたりしています。 入社したときにはやりたいことが見つからなくても、そうした人たちと仕事をするうちに、自分なりのこだわりを見つけられる場所じゃないかと思います。

田辺 久雄

いい意味で平均からズレている人たちの集まりだと思います。私も電子カルテの仕事では、管理工学らしい先端的なシステムを作れるかどうかで、いつも試行錯誤しています。

以前、先輩の仕事ぶりを見ていて、「このやり方はこの人にしかできないな」と感心したことがあります。メンバーの個性の強さが仕事における主張の強さにあらわれていると思います。

個性の強さはスキルの高さに裏打ちされていて、以前からお付き合いのある会社は、K3の技術力にかなり強い信頼を寄せてくださっているのを感じます。

お客様は、現場でこちらの意見を尊重してくださっているなと感じています。私もほかの会社ではなかなか受け入れてもらえない個性の人間だと自覚しているので(笑)、管理工学への信頼を損なわない仕事を心掛けたいですね。

テーマ2:管理工学研究所が今後目指す方向性は?

創業者の関根さんがおっしゃった「気の利いた人間」が集まって、個々の高い技術力で社会の評価と信頼を得てきた、というのが、これまでのK3の歩みでした。 ただ、ソフトウェアが使われる領域もずいぶんと広がり、お客様の要望も多様化してきています。 今までのような「個人戦」では対応できない仕事も出てくるでしょう。 メンバー個々のキャラクターをうまく束ねて、「個人による集団戦」にも挑んでいく必要があると考えています。

松本 大貴

若手(笑)としてはめずらしく、関根さんにお会いしたことがあります。K3同様ご本人もとてもユニークな方で、ソフトウェアの仕事に対する強い誇りと信念をもって管理工学を創業されたのも納得できます。 自分のいる会社が、50年経ってまだ創業者の理念が共有できる会社であるのはいいなと思います。

自分たちの技術力の限界を追求したり、他の開発会社とは違ったアプローチを試みたりして、自社の「スゴイ」技術を深く掘り下げていく姿勢が大切だと感じています。 「個人による集団戦」は、確立した技術者が個人を持ったまま同じ目標を共有し、追求していくことだと思います。 大きな集団で難しくても、まず2、3人のチームからやっていきたいですね。

前田 浩隆

同感です。2、3人がちょうどよくて、人数が多いと個性がぶつかり過ぎてしまいそうな気がします。 それから「スゴイを届ける」をビジョンにするのは大賛成です。 「これを見ればうちのスゴさが分かる」ぐらいの仕事をしていきたいですね。

私は「スゴイ」にも、いろんな種類があっていいと思います。 私個人は大がかりな技術革新よりも、ちょっとした工夫でお客様に感心していただける、スパイスのような技術の提供を意識していきたいと思います。

メンバーそれぞれが自分の主張を持っているので、うまいバランスで意見をぶつけ合うことができれば、きっと面白いものが生まれるんじゃないでしょうか。 「スゴイ」ものを生み出すための議論なら、進んで参加したいですね。

単に個性がバラバラなだけの会社ではないのが強みですね。 とはいっても、開発ならともかく、保守のような仕事では「スゴイ」をどう表現すればいいのか悩みます。

三野 哲志

私もまだ保守の仕事がメインなので、仕事での独自性の出し方については分からない部分がほとんどです。 自社の「スゴイ」を実感できる機会が少ないことが歯がゆいですね。

確かに仕事には色々な局面があります。なるほど、その気持ちはわかります。 でも「スゴイ」があらわれるのは成果物だけではない筈です。 お客様からの要望に対して、場合によっては要望が無くてもその方が良いと思えば、これまでにない新たなアプローチの提案する。 その提案を「なるほど」と納得していただくことができたら、それも「スゴイを届ける」仕事ですよね。

そういえば以前、私の上司が「(仕事の結果で)お客様を感動させて泣かせるのが自分の夢だ」と語っていたことがありました。 まさに「スゴイを届ける」の精神そのものですよね。 モバイルの開発はお客様と顔を合わせる機会も多いので、お客様を「泣かせる」仕事を目指したいです。

テーマ3:管理工学研究所で、これから何をしていきますか?

玉邑 和也

お客様の依頼にこたえる開発も面白いのですが、私としては会社を支えるパッケージ製品を生み出したいと思っています。 お客様に感動を届けられるアプリケーションのアイデアを出していきたいですね。

自分のやりたいことはまだはっきり意識できていませんが、面白い人が集まっている会社なので、まずは誰かが生み出した仕事に積極的に参加していきたいです。 個性的な先輩たちに引っ張ってもらえれば、いずれ自分の仕事のヒントも見つけられそうな気がしています。

私は現在の仕事環境に満足していて、新しいことを始めるよりは、今打ち込んでいる仕事に責任を持ってこたえていきたい気持ちのほうが強いです。 日頃から自分の意見も主張できているので、とても恵まれていると感じています。 創業者が願われたように、メンバーみんなが「威張って」仕事ができる会社になっていけたらいいですね。

お客様と社内の開発者を結び付ける調整役が、自分には向いているように感じています。 その一方で、いずれは社会に貢献できる新しいサービスを形にしたい思いもあります。 何人かで力を合わせて、目標を実現するためのチャレンジを少しずつ続けていくつもりです。

私は、何か新しいものを立ち上げる場に携わりたいという思いがあります。 「桐」のような自社を代表するパッケージ製品に関っていられるのはうれしいのですが、その次の新しい製品、自分の思いを反映した製品を実現したいです。 もちろん、そのために、自分の技術やアイデアのクオリティを上げていきます。

大岩 博史

私の今の関心は、お客様の信頼を得られる技術者になることです。 お客様の課題に対して、お客様にない視点を提供する、そして有益な解決策を提案できる。 そういう専門家になりたいですね。

お客様に「スゴイ」と感じていただける仕事はもちろん目指したい。 でも「スゴイ」にはもう一つ、私たち自身が「スゴイ」と思える仕事ができるか、との視点もあると思います。 お客様が十分満足していても、その上を目指す気持ち、さらなる性能や機能を追求する姿勢は忘れないようにしたいですね。 お客様の満足と自分たちの納得を実現できる仕事が目標です。

塩沢 哲時

自分が今手掛けている保守は、地味で自分が出しにくい仕事と思っていました。 でも今日の話し合いで、仕事との向き合い方や課題へのアプローチの仕方によっては、いくらでも「スゴイ」仕事にしていく方法がありそうだなと、気持ちが変えられました。 そのための具体的な方法論を自分なりに見つけ出していきたいと思います。

「スゴイを届ける」というコーポレートステートメントは、みんなが考えている管理工学とブレてなさそうですね。よかった。
管理工学が次の50年も生き残って、そして発展していくには、「スゴイ」ことを考えて、実現して、それを届けていかなければなりません。 そのための場所は用意します。そこでみなさんそれぞれの「スゴイ」を出してください。そして一緒にハッピーになりましょう。