奥村卓也
LINEは2018年1月15日にプライバシーポリシーの変更を行い、アップデートしたユーザーに対して同意画面を表示させました。しかし、プライバシーポリシーの変更への同意と共に、情報利用の許諾にも誘導するやり方には少し疑問を感じます。何に同意するのか、同意したのか簡単に説明します。
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LINE利用における「サービス向上のための情報提供」
アップデート後、このような同意画面が出てきました。「プライバシーポリシーの変更」これには同意が必須になります。「サービス向上のための情報提供」については選択することができます。見た目では両方に同意が必要に見えるため、筆者としては、この画面に作為的なものを感じます。
変更されたのは「サービス向上のための情報提供」の「内容」です。その内容の主なものを抜粋するとこのようなものです。
- 企業などの公式アカウントとのトーク内容やその他の情報
- ユーザー同士のトークにおける「スタンプ」「絵文字」 ※メッセージは利用されません
- 無料通話の相手、日時、通話時間、動画エフェクト ※通話内容は取得・利用されません
- タイムラインへ投稿された情報
- LINEアプリからWebサイトにアクセスした際、どの画面からアクセスしたか
- その他、各種機能(送信取消や写真の保存など)を使ったかどうか ※内容は利用されません
これらがサービス向上のための研究開発や、広告の表示のために利用されます。研究開発のために上記情報が使われることは歓迎すべきことでしょう。これからAIを使ったサービスなどを提供していくにあたって、情報の量は欠かせない要素になります。
LINEの基本的部分は無料で運営されているため、広告収入やスタンプ収入が重要な収入源になります。今、読んでいただいているこの記事も広告収入によって成り立っています。そのような性質の広告をLINE内で最適化するために上記情報が利用されます。
ユーザー情報を提供することによって、何かの不利益をユーザーが受けることはないと考えていいでしょう。しかし、知らずに同意してしまった場合、情報提供をやめることができますので次にお伝えします。
「サービス向上のための情報提供」を止める方法
まず、「・・・」をタップしてその他のメニューへ移動し、歯車マークの設定ボタンをタップします。
次に「プライバシー管理」をタップします。
「情報の提供」をタップすると提供する情報を選択できます。
「トークルーム情報」と「ウェブ追跡型広告の受信」のオン・オフを選択することができます。
ユーザーにとってわかりやすいか
このプライバシーに関わる情報を公式アカウントやグループ会社に「第三者提供」することもプライバシーポリシー変更で行われます。これはかなり重大なポリシー変更です。外部に提供された情報がどのように使われるのか。LINEの責任においてと書かれてますが、その通り、信用できるかどうかの問題です。
選択できる情報提供を「最初から同意にチェックが入った状態で」必須の同意項目となるプライバシーポリシー変更と「抱き合わせる」形でタップさせる。これは「良い方法ではない」と断言します。もっと丁寧な説明と透明性が必要だったでしょう。丁寧な説明とは長文で全て説明することではないと筆者は考えています。