2018.01.17 Wed posted at 10:05 JST
(CNN) 英国の男性がくしゃみをこらえたところ、喉に風穴が開き、病院に2週間入院する羽目になった――。そんな症例が医学誌のBMJで紹介された。
15日のBMJに掲載された症例報告によれば、それまで健康だったという34歳の男性は、鼻をつまんで口を閉じた状態でくしゃみをした。
その瞬間、首に衝撃を感じ、数時間後には喉と首が痛み始めた。やがて患部が腫れて声が変わったことから病院を受診したという。
「この男性は、大気中や他人の面前でくしゃみを放出するのは非常に非衛生的だと考え、いつも我慢しようとしていた。少なくとも30年あまりの間、そうしてくしゃみをこらえ続けてきた」。症例報告を執筆した英レスター大学病院耳鼻咽喉科のワンディン・ヤン医師はそう話す。
医師が男性の首の腫れを診察して検査した結果、喉の部分に小さな穴が空いていたことが分かった。幸い、裂け目は非常に小さかったことから、手術は不要と診断された。
くしゃみは鼻に入った刺激物を排出して身体を守るための防衛反射で、肺にたまった大量の空気を鼻腔から一気に噴き出すことで、刺激物を放出する。
くしゃみで飛沫が放出される速度は時速160キロにも達する。こらえようとすれば、空気の圧力を別の所に放出する必要が生じる。今回の症例では、この圧力によって、男性の喉の組織が損傷した。医師によれば、くしゃみを我慢することで鼻腔の問題や中耳・内耳の損傷、耳の感染症、鼓膜の破裂が生じることもある。
男性は抗生剤を投与され、7日間は経管栄養で過ごした。安静にしているうちに症状は改善し、徐々に口から物が食べられるようになったという。後遺症は残らなかった。
医師は男性に対し、次にくしゃみをする時は鼻をつままないようアドバイスした。
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