プログラミング教育が2年後に小学校で必修化。変化の激しいIT時代を担う子どもたちに求められる力は何か?
2020年度から、小学校でコンピューターのプログラミング教育が必修となります。三重県津市の小学校で15日、プログラミングの体験授業が行われました。
津市立高野尾小学校で行われた授業には、6年生15人が参加しました。情報通信技術の教育が専門の三重大学教育学研究科の須曽野仁志教授が講師を務め、「よろしくお願いします」とあいさつして授業がスタートしました。
使うのは、画面上の猫をプログラミングして動かすソフト。「10歩動かす」「90度右や左に向ける」など、さまざまな命令を組み合わせて動作させます。基本操作を学んだ児童たちは、思い思いに猫を動かしていました。参加した女子児童は「いろいろ自分で設定ができて、それでゲームをつくったりできるところも、おもしろいなと思いました」。男子児童は「このアプリをもっと知って勉強してみたいなという気持ちが生まれました」と話していました。
なぜこうした教育が必要になっているのでしょうか。今や当たり前になっているITを軸としたサービスが、短い期間で急成長しているからです。
例えば、Facebookの創業は2004年。Twitterは2006年、iPhoneの販売開始は2007年、LINEのサービス開始は2011年、メルカリの創業は2013年。短い間にあっという間に普及しています。
さらに今、ニュースでよく登場するAI=人工知能や自動運転、ロボット、IoTなどの技術が、未来の話ではなく、すぐ現実になる点が、プログラミング教育の重要性につながっています。
小学生の時からプログラミング教育を行うポイントは、難しいプログラミングをやるということではなく、プログラミング的な考え方を学ぶことにあるそうです。三重大学の須曽野教授は「論理的に筋道立てて考える力、表現する力が、世界の子どもたちに求められている。自分でいろいろなものをつくっていけるような創造的な思考力を身につけてほしい。そういう効果があるのかなと思います」と話しています。
なぜキーボードを打つと文字が出てくるのかなど、基本原理を学んで、自分のやりたいことをコンピューターの上で表現し実現すること。それによって機械に操られることなく、機械を使いこなす側になれるということです。
教育のあり方も変わってきそうですが、今はそういった人材を企業が求めているということなんですね。
企業はこうした動きをビジネスとして、また将来の人材育成としてとらえ、動き出しています。サイバーエージェント、富士通、ソフトバンクなどはプログラミング教室を開き、DeNAは教材を独自に開発しています。
テクノロジーの進化が教育内容を変える時代にきていると、ひしひしと感じます。