1月14日、厚生労働省によると「労災による死亡」と認定された外国人技能実習生が、2014~16年度の3年間で計22人に上ることが報じられた。政府統計で実習生の労災死の実態が明らかになったのは初めてで、大半が事故とみられるが、過労死も1人いたという。
死亡した実習生のうち、労災認定されたのは14年度が8人、15年度が9人、16年度が5人。実習生の国籍や都道府県別の人数は不明とされている。
実習生の数から単純計算すると、3年間の労災死は10万人当たり3.7人。日本の雇用者数で計算すると、労災死は10万人当たり1.7人となり、差が大きいといえる。
実習生の労災死亡率が、日本人よりも極めて高いことについて、Twitterでは、
“現代日本の恥ずべき奴隷制度”
““実習”とは、“ブラック労働”の別名ではないか”
“実習というのは名目で3K労働を改善せず、日本人が嫌がるなら外国人にという意図が明白”
といった、外国人技能実習の制度自体を批判する声が殺到している。
さらに先日、安倍晋三首相がリトアニアを訪問し、第2次世界大戦中に、ユダヤ人の命を救った杉原千畝の記念館を訪れたことについて、
“安倍首相「杉原氏の勇気ある人道的行動を同じ日本人として本当に誇りに思う」←日本は今、人権後進国として、世界に恥を晒しているのだが”
と皮肉の声も。
報道によると、実習生に詳しい自由人権協会の旗手明理事は「けがで働けなくなった実習生を強制帰国させるケースもあり、労災隠しは横行している」と、実際にはさらに多い可能性を指摘。移民を増やす議論の前に、まだまだ考えなくてはいけないことがありそうだ。
(飛鳥 進)
■関連リンク
・外国人実習生3年で22人労災死 国全体より高い比率
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25669590U8A110C1CR8000/
杉原記念館視察後の安倍晋三首相の発言詳報 「杉原千畝の勇気ある行動は日本人の誇り」
http://www.sankei.com/politics/news/180114/plt1801140024-n1.html
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