コトの始まりは、朝6時にかかってきた電話でした。
初めましての方も、また来てくださった方も、こんにちは!
当時から事務職と副業のダブルワークをやっていて。
副業ってのは、建築イメージをつくるんだけどね。
その日もやっと副業を終えて、夜中の3時ぐらいだったかな。
はー、やれやれ寝るか、とベッドに入ったの。
3時間後・・・午前6時。
何か音が聞こえてきて、うすぼんやり目が覚めた。
あれ?目覚ましの設定時間を間違った?
7時にしてたつもりだったけど。
目覚ましをみたけど、鳴ってない。
よ~く、見たら
電話だ!
こんな時間にかかってくる電話なんて。
ほぼ、ろくなこっちゃない!
救急車で運ばれた!とかね。
悪い事しか浮かばない。
いい事なはずがない。そうでしょ?
つか、こんなに朝はやくから誰なの?
祖母の入院先から?
それとも父親から?
ん?
着信に表示されている名前は・・・
私に副業の仕事をくれているクライアントの崎田さん (仮名) じゃないか!
今の相方ですがね、これ。
当時の崎田さんは、私が作るCGを営業ツールにしてガンガン売り上げてまして。
崎田さんとは、打ち合わせで月に2~3度会っていたんだけど。
色々と好意的に仕事をまわしてくれていて。
とても有難い存在でね。
仕事ができる真面目な男って感じには、まあ好感が持てたんですけどね。
見た目が全然、タイプじゃない!
はっきり言うとブサメンだよ。
とっても優しいんだけど、意味不明な行動がよくあったし。
つか、そもそも既婚者だし。
そんな感じで崎田さんとは、ほどよい仕事仲間っていうか。
お仕事をくれる、ありがたいクライアントさん。
ある日、
ずーっと仕事が順調だった崎田さんに事件が!
下請けの方のミスで大問題を抱えてしまい。
それも額がハンパなくて。
責任者として来る日も来る日も、あちらこちらに謝罪、謝罪、謝罪。
見るからにボロボロな感じ。
ブサメンでボロボロなんて、見てらんないよ。
真面目すぎる性格のせいか、責任感が強すぎなのか。
この先、どうなっちゃうんだろうって不安になったのか。
ずっと眠れなくなってたらしく。
奥さんが病院でもらってた眠剤を毎晩、飲んでたらしい。
とうとう、ストレス過多で全身にぶつぶつの蕁麻疹がでてしまい。
気が狂いそうな痒みに襲われて。
夜中だったから救急病院に行って注射をしてもらったんだそう。
その次の日が打ち合わせの予定だったので、崎田さんからLINEがきた。
蕁麻疹がひどくて、顔も腫れてて明日は無理みたいです。
会いたかったのに、残念です、と。
ちょっとさー。
会いたかった、なんてさ。
含みのある言葉を言っちゃダメでしょ!
仕事仲間なんだからさ。
まあ、連日の疲れでついつい弱気になっちゃってさ。
こんな事を書いたんだろーな。
と、思ったんで、これには一切触れずスルー。
お疲れ様です。わかりました。
体調がよくなったら、連絡ください。
お大事に。
と、返事したのが夜11時くらい。
今度会ったときに、こういうのは困るってビシッと言わなきゃね。
でも、なんで早朝に電話がかかってくるわけ?
急用かな?
とりあえず、元気よく
もしもし。おはようございます!
と、電話にでてみた。
梨子さんですか?
聞き覚えのない声。
主人が睡眠薬を飲んで、救急車で運ばれたんです。もう2度と、うちに入ってほしくないんです。引き取りに来てくれませんか?
え?
〇〇ストアの駐車場に連れていきます。
ツーツーツー
その言葉を残して電話が切れてしまって。
どうして、私が引き取りに行かなきゃいけないんだろ?
何が起こってるのか全然、理解できない!
このまま知らん顔っていうのもね。
今まで、散々仕事をまわしてもらってるし。
まあ、なんかの間違いだろう、と。
指定された駐車場まで車で向かい、事情を聞くことに。
まあ、話せばわかるでしょ!ってね。
駐車場について探したけど、まだ崎田さん夫婦は見当たらなくて。
少し、車の中で待つと・・・
ぐったりとした崎田さんを乗せた車が近づいてくるのが見えたから、車の外に出て待っていた。
奥さんは私の車に横づけにしたかと思うと、さっと車から降りて助手席の崎田さんを引きずり降ろした。
足元がおぼつかない崎田さんを掴んだまま奥さんは
まだ、足元がふらついているから、早く車に乗せてください!何かあったらあなたのせいですからね。
グラグラしてる崎田さんを私は車に乗せて。
あの・・・
と、事情を聞こうとしたんだけど
それから、私。離婚するなんて一言も言ってませんから!!!!!
と、人差し指をたてて私に向けて、念を押すような仕草で強く言い放って、バタンと車に乗ってとっとと帰ってしまった。
細くて割と派手な顔立ちの女性。
バッチリメイクで真っ赤な口紅が印象的だった。
落ち着いて話がしたかったんだけど。
殺気立っててそんな感じじゃなかった。
何か言うと逆なでしそうな勢い。ちょっとヒステリック。
離婚するとか、しないとか。
やっぱり勘違いしてるみたい。
奥さんの車を見送って、考えてたんだけどね。
夜中に発覚して、その朝に不倫相手に会って旦那を引き渡すシーンにしては、事務的すぎないか?
経験ないから想像でしか言えないけど、私だったら、情けないやら悔しいやらで涙も出そう。
まあ、崎田さんとは、そんな関係じゃないんだけどね。
いやしかし。
問答無用で去っていくとは。
困ったな。
崎田さんの自宅なんて、どこなのか知らないし。
本人はぐったり寝てるし。
ジャージの崎田さんを会社に送るわけもいかず。
仕方なく一旦私の家まで、帰ることにした。
職場にも急いで休みの連絡をした。
もー、なんなのこれ。
崎田さんの口には、血がついていて。
下の歯がね、折れてるみたいだったよ。
何があったんだろう?
本人に聞いても、まだ意識がはっきりしてない。
今までね、スーツ姿の崎田さんしか見たことがなくて。
グレーのジャージを着て、ぐったりしてる姿に哀愁があった。
スーツって、オトコを何倍もかっこよくするもんだね。
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助手席には、口から血を流したジャージの男。
仕事は休んじゃったし。
なにやってんだろ。
モヤモヤしながら家の駐車場について、崎田さんに話しかけたけど、返事がない。
寝てるってより、意識がない感じ。
そのまま、車のシートを倒してブランケットをかけて。
暖かな日だったから、そのまま放置して部屋に戻った。
起きたら、崎田さんのおうちまで送っていこうと思ってね。
後、2、3時間で起きるよね。
それから、なんどか覗きにいったけど、起きる様子が全くない。
まさか、お亡くなりになったのでは?と心配になったりしたよ。
つか、事情が知りたいんだよ、早く起きろよ!
もう、日が暮れちゃう。
一体、何がどうなってんだよ?
それでも、目を覚ます様子がない。
このまま車で寝かせてたら危ないよね?
さすがに夜は冷えるしね。
と、モウロウとした崎田さんを両手で支えながら、フラフラと家まで歩いてもらい。
用意した布団に倒れ込んで、またすぐに眠りの世界へ。
結局、崎田さんは次の朝になっても目を覚まさなかった。
もう、ほんと腹が立ってきて
あの、私ね、仕事に行かなきゃいけないの!と。
ブルンブルンと身体を揺らして、起こしたよ。
もう、なんでこんなメンドクサイことになってんだよ。
いい加減にしろ!何してくれてんだよ。起きろボケこらー!つったら。
崎田さんは目を開けたけど、ボーっとしていて、目をパチパチさせただけだった。
とにかく、お引き取り願いたいので、なんとか起こして最寄駅まで車で送って降りてもらった。
ちょっと、フラついてたけど大丈夫っしょ。
あーもう
急がないと遅刻してしまう、ったく!
崎田さんは眠り続けていたから事の真相なんて全く聞けなかった。
何がどうなって、救急車で運ばれたのか。
1日中モヤモヤを引きずって仕事をして、帰宅。
崎田さんからは、なんの連絡もなかった。
きっと、誤解が解けて仲直りできたんだな。
でも、連絡くらいよこせよ。
お礼の一言くらい、言えよ。
と、思っていたら
ピンポーン
誰かやってきた。
覗き穴でみると、
・
・
崎田さんだった。
お!
謝罪と事の真相を話しにきたんだな。
だって、1日仕事を休んだわけだしさ。
菓子折りのひとつも、持ってきてんだろーな!
と、ドアを開けると崎田さんはスーツじゃなかった。
あの、ジャージのままだった。
なんかイヤーな予感がしたよね。
顔色も悪かったし。
玄関で立ち話をしていると、ご近所に丸ぎこえなので中に入れて。
自宅に戻ってからの話を聞いたよ。
奥さんに
あなた、自殺したかったの?と問い詰められたらしい。
蕁麻疹が全身にでて注射をして病院から戻った崎田さんは、それでも眠れず。
連日の睡眠不足で情緒不安定マックス。
とうとう、奥さんの眠剤をいつもより多めに飲んでしまったらしく。
そのまま、昏睡状態に。
床に倒れている崎田さんを奥さんが発見して。
救急車を呼び、病院で胃洗浄をしたそう。
自殺未遂だと思った奥さんが、崎田さんのiPhoneを見ると。
つか、ロックしてないのかよ、と言いたいところだけど。
LINEで、私との会話を発見!
蕁麻疹がひどくて、明日は無理みたいです。
会いたかったのに、残念です
会いたかった?
なにこれ、浮気じゃないの?ってなって。
意識が少し戻った崎田さんに、奥さんが問い詰めたところ、あっさり認めたらしく。
腹を立てた奥さんが、そのまま私のところに直送ってなわけで。
え?認めるってなにを?私達、そんな関係じゃないですよね?
と速攻、崎田さんに突っ込んだ。
自分の気持ちを認めたってことらしい。
崎田さんは、薬のせいで精神的にかなりゆるくなっていて、自分の気持ちを心置きなく奥さんに話せたんだとか。
私に引き渡されるとき、すでに崎田さんは自宅の鍵を奥さんに取られていて。
帰ってはみたものの、追い出され。
いや、だからってまた、うちに来なくても。
じゃあ今日はビジネスホテルに泊まってください
正直、もう勘弁してくれって思ったよね。
だって、眠剤を多めに飲むなんてアホなことするから、こんなことになるんだし。
仕事で精神状態が悪くなってたとしてもさ。
私とあなたは、ただの仕事仲間だよ。
巻き込まないでほしいんだけど。
恋愛感情なんてのはサラサラないんだよ。
と怪訝な顔をしていたら。
免許証以外、ほとんど抜かれてて・・・
今、小銭しかなくて・・・
ダサい。
ちょーダサい。
溜息がでたよ。
飛ぶ鳥を落とす勢いっていうのかな。
営業で数々の賞をもらって絶好調!
ちょっと前までは、そんな感じだったのに。
ビシッとスーツをきてバリバリだったじゃない。
月収、3桁の月もあるって聞いてたよ。
あの時と同じ人とは、思えないよ。
結局、うちの廊下に布団を敷いて寝せた。
なんせ私も残念なことに、その日は給料日直前で現金の持ち合わせがなかったし。
そして・・・
この日から、いきなり相方との同居が始まった。
その時は「ちょっとの間シェアハウス」的なノリで。
資金ができたらすぐに、引っ越す約束でね。
まあ、そうならなかったわけだ。
結局、相方はあの日以来、2度と家には帰ることなく。
自宅の車も、家具もなんもかんも置いてきて、奥さんが監視する中、Macと何箱かのCDと少しの服だけを持ってきた。
その後、元嫁からは毎月10万の養育費と400万近くの慰謝料を請求され。
相方は長年働いていた仕事を辞め、退職金で慰謝料を払って離婚となった。
不貞行為があるわけじゃないのに、言いなりになってる相方に納得がいかなったけど。
結婚してから、ずっと専業主婦だったから、元嫁が今さら自立するのは難しいと相方は話してた。
相方は、自分の心変わりで養っていけなくなったから、精一杯の事をしたいんだって。
ちょっとあなた達さー。
給料はそこそこもらってて、家賃もいらない環境で、子供もいないのに、貯金はないわけ?
で、子供がいないのに毎月10万の養育費ってなにかっつーと。
それはね、猫ちゃんなの。
相方は、しばらく10万を必死で払ってたけどね。
たぶん、退職金の残りでせっせと払っていたんだと思う。
でも、
転職先がなかなか決まらず、35000円に下げてもらったって。
その金額の理由はこちらに書いてる。
と、まあそんな感じで。
6年経った今も、払ってるみたい。
もう、この件は聞かないことにしてる。
でもさ、
気持ちがなくなった相手にも、優しいよね。
元旦那からの養育費が、再婚やなんやかんやで滞ることが多いという世の中にさ。
この養育費は、私の立場からいうと、もうええやろ!ってなるけど。
元嫁の立場だと、ほんと有難いよね。
相方のそんなとこ、馬鹿正直っていうかなんていうか。
嫌いじゃないんだよね。
でね、
歯が抜けてたのも、結局、本人に記憶がないから理由がわからないままでね。
睡眠薬を多めに飲んだ → 意識がなくなった → 目が覚めたら山倉さんちにいた → 帰ったら嫁が怒っていた。
ざっくり、こんな感じらしい。
アホか!
完全にアンタ、病んでるわ。
本人が自ら波乱万丈を選んでるとしか思えないわ。
こんな、こんなしょーもない事情が相方との始まり。
記事にするのも、お恥ずかしい。
でもね、
不器用で言葉も足りないやつなんだけど、いつも一生懸命。
毒親とか発達障害とか、何年もかけて理解するまで本当に色々大変だった。
僕は梨子ちゃんと暮らせるようになったから幸せ!
だって。
文字、大きくしちゃったよ。
目の病気も少しずつですが、良くなってるようです。
皆さん、いいね♡を本当にありがとうございます。
長くなっちゃった!
ここまで、読んでくれてありがとう!
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