温泉好きのお湯

静かな温泉ブログです。今度はどこへ行こうかな。

温泉旅と115系電車の思い出

ネットのニュースで見て、驚きとともに、いよいよだな、と思いました。 

news.mynavi.jp

電車に詳しくない人にとっては「何のこと?」かも知れませんので簡単に書いておきますと、群馬県内のJR線を走っていた「115系」という古い電車がこの3月で群馬県から引退する、というニュースです。自分の温泉旅でもお世話になった電車でした。

自分の温泉旅において、結構なじみの深かった115系電車。今回はそんな115系電車との思い出をつづってみます。あまり鉄分が強くならないように気を付けながら。

115系電車とは?

115系電車は、今から50年以上前にデビューしました。今のJRはその昔「国鉄」という名前でしたが、そんな国鉄の時代から走り続けてきた電車です。

国鉄の時代に走っていた電車はデザインも色も似たり寄ったりで、115系電車もそんな電車の1つでした。似たような電車は全国あちこちを走っていましたが、この115系電車は主に、寒い地方を担当していました。

(子供の頃に買ってもらった電車の図鑑に、そう書いてあったのを覚えています。)

やがて国鉄はJRへと変わり、新しいデザインの電車が全国のJR線にデビューするようになりました。国鉄の頃から走っていた古い電車たちは色を塗り替えられたり、内装をリフォームされたりして走り続けていました。

が、次第に世代交代が進み、今となっては少数派になっています。

115系電車も、かつては首都圏でも走っていましたが、他の国鉄時代の電車と同様、都市部では見られなくなりました。その後、地方にも新しい電車や都市部で走っていた電車がやってきて、115系電車が引退していきます。

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115系電車に乗ってみますと、まず、寒い時期はドアは手で開ける。結構固いドアです。よいしょ、と開けて中に入ると、内装はそこそこリフォームされていますが、昭和生まれの人には懐かしい雰囲気。

115系電車の車内の椅子の配置は「セミクロスシート」といいます。基本的にはドアの横が2人掛けの窓を背にした席で、その隣に2人掛けの椅子が向かい合っている「ボックスシート」です。

ボックスシートは旅行に向いています。首を少し横に向けるだけで車窓を楽しむことができますし、食事をしてもあまり違和感がなかったのです。最近の電車は窓に背を向けて座るロングシートばかりで車窓を見にくいので、ボックスシートは貴重です。

ここ最近の温泉旅でも、やってきた電車が115系だと少しうれしくなるのでした。昭和の雰囲気が残る古い電車ゆえの雰囲気の良さとボックスシートが良かったのです。やたらと揺れたり、冬は隙間風が寒かったりもしましたが、それもまあ、味かな。

でもそろそろ、見納めです。

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ここ最近の115系電車

ここ数年で、115系関東甲信越のJR線からどんどん姿を消していきました。それまでは、ローカル線の電車といえば115系、という感じだったのです。どこで走っていたのでしょうか、少し前まで走っていた路線も含めて、紹介してみます。

中央本線篠ノ井線(立川~松本等)

甲信地方の遠くに行くときは高速バスや特急あずさを利用していましたが、比較的近い大月や、勝沼ぶどう郷に行くときは115系電車を利用していました。大月から富士急線に乗って、河口湖近辺の山に登ったり、勝沼のワイナリー巡りをしたり。

115系電車が引退したころ、甲府まで普通電車で行きましたが、ロングシートでの長旅は結構きつかったです。。今後は特急か高速バスにしよう、と思ったのでした。

上越線(高崎~水上)、信越線(高崎~横川)、吾妻線(渋川~大前)等

群馬県では長らく115系電車が主役でした。国鉄の頃から変わらない、緑とオレンジのツートンカラー(湘南色、というらしいです)で走っていたので、よりいっそう懐かしい感じがしたのでした。

特に上越線水上温泉や老神温泉、吾妻線四万温泉草津温泉と温泉に近く、群馬県の温泉旅では115系電車に揺られながら温泉宿を目指すのがいつものパターンでした。

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上越線(水上~長岡)、弥彦線(東三条~弥彦)等

水上から先は新潟県を走る電車の担当で、様々な色に塗られた115系電車が走っていました。新潟県も少し前までは115系電車ばかりが走っていたところでしたが、最近は徐々にその数を減らしています。

越後湯沢の先、湯之谷温泉郷弥彦神社のある弥彦温泉等に行ったときに利用しました。115系の快速電車に乗ったことがあるのですが、古い電車なのに必死に走っていて、速度以上のスピード感を感じました。おいおい大丈夫か、と。

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しなの鉄道では健在

長野県に「しなの鉄道」という鉄道会社があります。もともとJR線だった路線を引き継いで、長野県内に電車を走らせている会社です。

しなの鉄道を走る普通電車は、この115系電車。JRでは引退間近な115系電車も、ここしなの鉄道ではまだまだ元気に走り続けることでしょう。色は赤と灰色に塗り替えられましたが、古さは健在? です。

そんなしなの鉄道には2種類の路線があります。過去に温泉旅を絡めて紹介しましたが、さくっとここでもおさらいしてみましょう。

しなの鉄道線(軽井沢篠ノ井)

千曲川沿いを走ります。沿線には、別所温泉戸倉上山田温泉といった温泉も多いので、温泉旅と115系電車の旅を両方楽しめます。途中の戸倉駅には車庫があり、115系電車がたくさん止まっています。

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北しなの線(長野~妙高高原)

黒姫山などの北信五岳を眺めながら、ぐんぐんと登っていく電車です。終点の妙高高原駅新潟県との境目で、赤倉温泉等が近くにあります。

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もし長野県や新潟県に温泉旅に行かれるときは、しなの鉄道に乗って昭和の電車を楽しんでも良いかもしれませんね。

個人的さようなら

群馬県での115系電車の引退までに、群馬県への温泉旅ができるかどうかは個人的にちょっと微妙な状況です。115系電車が当たり前のように走っていた時期は、冬は寒いし、手動ドアは固いし、ボックスシートも狭くて固いしと、少し不満もありました。

中央本線上越線(群馬県内)では、115系電車の跡継ぎ電車は、211系電車という車両です。この211系電車は席の大半がロングシート。車窓を楽しみつつ温泉旅をするのには向いていない席の配置になっています。

一部ボックスシートの電車もあるにはあるのですが、宝くじと同じで、ボックスシートに遭遇できるかどうかは、乗ってみないと分かりません。ちょっと不満・・・

この211系電車も、もとは首都圏を走っていたのが地方に移ってきた電車です。デビュー後30年のベテランなので、何年かしたら引退することもあるでしょう。その時、ロングシートが不満だと言っていたのが、引退間近になると寂しい気持ちになるのかも。

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当たり前のものが徐々にレアになり、いつか消えていく、というのは、最初はそのありがたみが分からなかったのが、最後のほうは名残惜しくなるのですね。何だか自分勝手な感じもありますが、そんなことを思いました。

さて、今度はどこへ行こうかな。