この人がいると何でもめでたくなるね、という話をします。
幼稚園や小学校のイベントごとで装飾に使われる、ふわふわしたお花がある。「紙花」というそうだ。
紙花、作るのが楽しいし、飾った時の雰囲気がめでたくてとてもいいのだ。 いいないいなと思っており、一度本格的に向き合いたかったので、たくさん作って着ることにした。 歩く祝賀会の誕生である。
1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。
前の記事:「モナリザの顔付きハンガーにはエプロンを掛けろ」 人気記事:「何も作らないベルトコンベア」 「紙花」がいいこの紙花、簡単に作れて見栄えもとてもいいのだ。なによりちょっと飾るだけで平和でめでたい雰囲気が出てとてもいいのだ。
これが紙花。
飾るとこのようになる。この記事の時に作った。
この記事の時も使った。やはり平和でめでたい。
この紙花、身に付けることができたら、すごく平和でめでたい存在になれるのではないか。というわけで身に付けてみた結果がこちらである。
おめでとう!
「花マン」だこれは「花マン」だ。「花マン」としか言いようがない。
背中はこうなっている。妙にでかい。
お祝いの装飾に身を包んだ花マンは、めでたい場に現れて更にめでたい空気を作ってくれる。歩く祝賀会会場なのだ。
たとえばこちら。卒業証書を持つ編集部藤原さん。
藤原さんに卒業証書を持ってもらったが、この写真をもっとめでたくすることができる。
こうだ。おめでとう!!
無事にめでたくなった。隣にいるのは誰なのだ、という疑問が残るが、めでたい写真だな、という感じはする。装飾として一緒に写真におさまっておきたいのだ。合格発表の会場にいたら花マンは引っぱりだこだろう。
ひとりでもめでたい。なにがあったのかは分からないが。
仕事をしていてもめでたい。マウスも花だ。今日誕生日の、知らない人のFacebookに「おめでとう!」と書き込んでいる。
花マンの作り方花マンを作るのにも手順とコツがある。紹介させていただきたい。
まず何よりもお花である。「お花紙」を買う。学童文具のコーナーによくある。
何枚か重ねて蛇腹に折っていく。今回は5枚にした。ここの枚数を増やすと花びらの多いお花ができる。
折れたら真ん中を止める。写真は針金だが、輪ゴムやホチキスで止めてもいい。
端を切る。切り方で花びらの形が変わる。
で、重なった紙を一枚ずつ上にほぐしていけば完成!
このお花を作るのが楽しかった。
作った経験がある人、多いのではないかと思うが、あらためてやってみるとすごく楽しい。最後に紙をほぐして花の形を作っていくところにすごく達成感があるのだ。昔楽しかったことの追体験というやつなのだろうか。ニンテンドークラシックを求めて列をなす大人たちの気持ちがよく分かった。 ちなみに、蛇腹に折ったあと紙を縦に半分に切って進めていくと小さいお花ができる。
今回使うのは大きいお花。それをたくさん作る。
ここの説明でタイムスリップばりに時間がとんだ感じがするが、実際に一週間ぐらい経っている。作業机が機能しなくなってしまった。
お花がもこもこ増えていった。
だいたい上半身片面で40個の紙花が必要。花マンになるには80個あるとよい。
80個の紙花は、キャリーケースと大きめのダンボール一箱分くらい。大荷物だが、花しか入っていないので笑っちゃうぐらい軽い。
準備ができたら花を付けていく。ガムテープを裏返して、粘着面が外に来るように体に巻く。
紙花を好きなように付けていけば完成である。おめでとう!
ポイントは下記のとおりである。
<ポイント>
・ 上半身で約80個紙花が必要 ・ 紙花80個運ぼうと思ったら、キャリーケースとダンボール一箱が必要 ・ 花を体に付ける時はガムテープを裏返して体に巻いておく ここに気をつければ計画的に、いい花マンができる。
ガムテープを丸めて、ひとつずつ付けたのでは強度が足りない。ひとつはがれると連鎖的にぽろぽろはがれていく。
花マンが自分を見るとこんな感じだ。妙にでかいなあと思う。
めでたさの向こう側へ花マンはできた。どこまで場をめでたくできるかやってみよう。
仕事場の隅に観葉植物として置いてみてはどうか。
めでたくて気が散るようだ。
ブラインドの隙間からパーティーを探す。
花マンのめでたい講義。
色々やってみたが、やはりめでたくて楽しい雰囲気が出る。紙花の力だろう。冬の暖かい日差しが差し込む会議室で、僕と藤原さんはめでたい写真をたくさん撮った。
外ではどうか日差しに誘われて外に出てみた。
歩く祝賀会会場がついに出張コングラッチュレーションへと動いた。
めでたいものを探す。
大きな植物に「大きく育っておめでとう!」
川に「下流まで流れておめでとう!」
花マンは室内では暑くてしょうがなかったのだが、外に出ると寒かった。紙花はだいたい厚手のカーディガンぐらいの暖かさだと思っていただければいいと思う。
電車に「ホームに着いておめでとう!」
遠くに行っても目立ちますね。
上の、植物と撮った写真や川を見ている写真だが、花マンの、紙花の部分をじっと数秒見つめてから写真全体に視線を戻すと、一瞬何かのセレモニーに見える。一瞬だが、見える。というわけで見事大自然を相手にコングラッチュレーションに成功した花マンであった。
逆に、電車をお祝いしている写真は、紙花のディテールが分からないのでいくら見つめても派手な人がいるよな、としか思えないだろう。現在、ここがめでたさの果ての世界なのだ。 これ。これがぎりぎりめでたくない状況。
人以外にも、紙花をまとわせていた。
炊飯器。
どうだろうか。めでたいだろうか。
炊けたお米が出てきた!それはめでたいだろう。
あと私ごとで恐縮なのだが、先月子どもが産まれて、藤原さんからお祝いをいただいてしまった。
この格好の時に。
絵本をいただきました。ありがとうございます!
周囲をめでたくしようと必死な人間が、逆に祝われてしまった。逆どっきりみたいなものだろうか。突然のことにどうしたらいいか分からなくなり、おどけた格好でただ素直に感謝することしかできなかった。
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