「上原多香子」に“AV出演騒動”が勃発……黒幕とされた発信元も「困惑」
日本有数の「アダルトサイト」に名前が表示
あの上原多香子(34)がAVデビュー!――ある者は興奮し、ある者は落胆した。しかし結論から言えば“フェイクニュース”だったわけだ。
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アダルトサイト「DMM.R18」に「AV女優名鑑」というページがある。女優名を「あいうえお順」で検索できるデータベースだ。「あ」だけでも1075人が収録されている。
そして、名鑑のフォーマットに則った形で、「上原多香子」のページが表示されていたのだ。いつごろに作成されたかなどは不明だが、少なくとも1月14日ごろからTwitterなどを中心に言及されるようになり、加速度的に流布していったようである。
内容は――「上原多香子(うえはらたかこ)」「生年月日:1983年1月14日」「星座:やぎ座」「血液型:A」「サイズ:T156cm」「出身地:沖縄県」――これで全部だ。写真は「Now Printing」と表示されなかった。
上原の公式サイトによると、「生年月日」「血液型」「出身地」は同じだ。1月14日の星座を調べてみると、「やぎ座」も間違いない。しかし「身長」の記述はない。
ネットで検索すると「159センチ」という数字が出てくるが、1999年の日刊スポーツの記事には「157センチ」とある(「SPEEDの上原多香子 河村隆一プロデュースのシングルでソロデビュー」99年2月12日より)。この「名鑑」の筆者は、なぜか身長だけ間違えてしまったようだ。非常に不思議な印象を受ける。
DMM.R18は「原因を調査中」
その後、様々な検索が行われるようになり、他にも華原朋美(43)、小阪由佳(現・小阪有花/32)、堀北真希(29)のページも発見されたと複数のネットメディアが報じた。ただし、上原多香子を含め現在は全てのページが削除されているようだ。
また、AV女優一覧は、例えば「あ」で1075人、「い」で446人を列挙できる機能があるのだが、「う」では上原の名前は表示されなかった。華原の「か」も同じだ。それにしても一体、どうしてこのような事態となったのか、DMMに取材を依頼した。
「大前提としまして、メーカーさんが製作や発売を公表していない作品を、私どもが先に告知するはずはありません。そのため、上原多香子さんの作品が発売されるという事実はまったくございません。現在、どういう経緯でサイトにお名前が公開されてしまったのか、社内で調査を進めております。ただ、外部の者がハッキングなどを行った可能性はゼロだと考えています。システムのトラブルか、何らかの人為的なミスか、そのあたりを中心に原因究明を続けています。ただ詳細が判明しても、公表する予定はありません」(担当者)
以上を踏まえて、ITジャーナリストの井上トシユキ氏に、どんな可能性が考えられるか、推測してもらった。
「誰かが何らかの形で原稿を書いたことは、疑いようのない事実でしょう。まさか人工知能が上原多香子さんのプロフィールを記入して、それをネット上に表示させるはずもありません。ここで思い出してしまうのが、東海テレビの『セシウムさん騒動』です」
ダミーデータが表示!?
これは東日本大震災の起きた2011年8月4日、東海テレビのローカルワイド番組「ぴーかんテレビ」において、「怪しいお米 セシウムさん」といったリハーサル用のダミーのテロップが、実際に生放送されてしまった事故を指す。
「『DMM.R18』でシステム更新などを行う際、表示のチェックなどでダミーデータを作成。何も問題ないことを確認したが、削除を失念。こうした背景があり、それが何らかの原因で表示されてしまった。そんな可能性が考えられるのではないでしょうか。とにかく今回の状況を考えると、DMM側が取材に回答した通り、外部からの攻撃や内部の愉快犯というシナリオは、現実性に乏しいでしょう。いわゆるヒューマンエラーが原因という印象が強いですね」(井上氏)
それにしても不運としか言いようのないのが上原多香子だ。これが仕事も私生活も絶好調というのなら、ファンも笑って済ますことができただろう。だが昨年の2017年、「女性セブン」(小学館)8月2・31日合併号が、夫の自死と上原の不倫の関係を追及する報道を行ったのは記憶に新しい。
今年に入ってからも、東スポが「“不倫休業”上原多香子 歩合給変更で豪華マンションから引っ越し」(1月4日・電子版)と伝えたり、「週刊女性」(主婦と生活社)が「上原多香子、2LDK地味物件で同棲開始も新恋人は周囲に苦悩漏らす」(1月16・23日号)と記事にしたりするなど、私生活では“苦境”のイメージが強かった。こうしたことから、AV転身話に思わぬリアリティが生じてしまったと言える。
とはいえ、ネットでは冷静だった層も少なくなかったようだ。SPEEDのヒット曲をパロディにして「上原多香子AVデビュー作のタイトル予想」が大喜利のように展開される一幕もあった。上原やDMMに舌鋒鋭く迫るより、ネタ合戦の悪ふざけの方が楽しいと判断したのだろう。
週刊新潮WEB取材班
2017年1月16日 掲載