あらゆる年齢層のトレーナー達が竜王の座を目指し,頭脳戦に挑んだ「第3回 ポケモン竜王戦」レポート
頭脳をフル稼働させ,運も味方に付けるゲーム部門
ゲーム部門は,「ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン」を使い,6匹のポケモンから3匹を選んでの「シングルバトル」対決だ。トレーナー達を年齢で分けた,「ジュニアカテゴリ」(2006年以降生まれ),「シニアカテゴリ」(2002年以降2005年以前生まれ),「マスターカテゴリ」(2001年以前生まれ)の3カテゴリで予選が行われた。会場には予選を勝ち抜いた選手達が集い,年齢に関係なくぶつかり合う,いわば無差別級マッチが展開された。
ポケモン竜王にはトロフィーと特製の将棋駒が贈られた |
飛車の成り駒「竜王」にはウルトラネクロズマが手彫りされている |
レギュレーションにも変化があった。これまでは“竜”王戦にちなんでドラゴンタイプもしくはメガシンカしてドラゴンタイプになるポケモンを入れなければならなかったが,今回はそうした制限は撤廃されている。とくに大きいのが「伝説のポケモン」を1体だけチームに入れられること。通常ならば出場禁止となる,ミュウツー,ルギア,ホウオウ,カイオーガ,グラードン,レックウザなどを使えるうえ,「ポケモンバンク」を使って過去作品からポケモンを連れてきてもOKとなっている。
決勝戦に進出したのは,スナオシ ケイスケ選手(インターネット予選シニアカテゴリ上位)と,ホシノ フウタ選手(インターネット予選マスターカテゴリ上位)。チーム構成,ポケモンの特性・性格・持ち物・技がすべて開示された状態での戦いとなる。自分の手の内を知られたところから,相手を上回らなければならないわけだ。
第1戦はスナオシ選手がカプ・テテフ,カプ・コケコ,マンムー。ホシノ選手がアーゴヨン,イベルタル,クチート(メガクチート)という布陣。ホシノ選手はメガクチート1匹にまで追い詰められてしまうも,カプ・テテフとカプ・コケコを連続撃破して1対1にまで状況を引き戻す。しかし,満を持して登場したスナオシ選手のマンムーがメガクチートの弱点を突いて貴重な先制点を手に入れる。伝説のポケモンが注目される今回のレギュレーションで,あえてこれを含まない3匹を選出するスナオシ選手のプレイが光る。
続く第2戦のメンバーは,マンムー,カプ・コケコ,ジュベッタ(スナオシ選手)対,イベルタル,クチート,アーゴヨン(ホシノ選手)。お互いの相性を意識した交代合戦で幕を開けた。ホシノ選手が「あく」タイプのイベルタルを出せば,スナオシ選手はこれに強い「フェアリー」のカプ・コケコに交代。相性で不利になったホシノ選手だが,当然黙っているわけもなく,素早くイベルタルを引っ込めてクチートを出す。この時点ではまだ一発の技も出ていないが,2人のトレーナーの間では激しく火花が散っている。まさに頭脳戦だ。スナオシ選手は第1戦同様,メガクチートにマンムーをぶつけて倒そうとするものの,マンムーの「つららばり」が2発しか当たらないという不運に見舞われてしまう。第2戦目はホシノ選手の勝利となった。
1対1で迎えた第3戦は,ルナアーラ,マンムー,カプ・コケコ(スナオシ選手)対,ゲンガー(メガゲンガー),イベルタル,アーゴヨン(ホシノ選手)。互いにこれまで出していなかったルナアーラとゲンガーを投入しての最終決戦となった。
ホシノ選手は先手を取ってカプ・コケコを倒し,さらにメガゲンガーの「みちづれ」でマンムーも仕留めてスナオシ選手を追い詰める。しかしスナオシ選手は,最後に残ったルナアーラで命中率60の「さいみんじゅつ」をイベルタルに決め,これを倒すことに成功。勢いに乗ったスナオシ選手は,そのまま残るアーゴヨンも倒して鮮烈な逆転劇を決めた。
交代合戦に代表される読み合いと頭脳バトル,そしてつららばりやさいみんじゅつといった運。どちらも必要になるポケモンバトルらしい,熱い戦いだったと言えるだろう。
巧みなデッキ構築と強運が光るカードゲーム部門
カードゲーム部門の決勝戦では,オカダ リュウキ選手(「ポケモンカードゲーム チャンピオンズリーグ2018 横浜」シニア1位)と,ナナヤマ リョウタロウ選手(「ポケモンカードゲーム チャンピオンズリーグ2018 公認大会1st」オープンリーグ2位)が激突した。
この試合では,ナナヤマ選手のデッキと強運が印象的だった。ナナヤマ選手のデッキは,「おとりよせパッド」を活用したユニークなものだ。おとりよせパッドは「使用時にコインを投げ,表が出たら自分の山札にあるグッズを手札に加えられる」というカードで,うまく使えるかどうかはコインの運次第となる。大一番で使うにはリスキーにも思えるが,ナナヤマ選手はおとりよせパッドを使う度に表を出すのだから運が良い。
ナナヤマ選手は「コイキング」をトラッシュに送って「ギャラドス」の攻撃の威力を上げるプランで挑む。オカダ選手もそうはさせじと「ターゲットホイッスル」でコイキングをトラッシュからベンチに出したり,「ルガルガンGX」の「ブラッディアイ」でベンチにいたギャラドスを引きずり出して倒したりと,激しい戦いが続く。
しかし,勝利の女神はナナヤマ選手に味方したようだ。5回連続でコインの表を出す強運に加え,「エルレイド」と「ヤレユータン」の特性を組み合わせて必要なエネルギーを調達する巧みなプレイングにより,見事ストレート勝ちでの優勝となった。
激闘の後は,ゲームフリークの増田順一氏,ポケモン代表取締役社長の石原恒和氏,そして史上初の永世七冠を獲得した羽生善治竜王が優勝者にトロフィーと記念品を贈った。
史上初の永世七冠を獲得した羽生善治竜王 |
羽生竜王からは新たなポケモン竜王に将棋駒が手渡された |
大会終了後に行われた,羽生竜王への合同インタビューの様子をお伝えして本稿の締めくくりとしよう。
――よろしくお願いします。今回の大会は将棋界とポケモンのコラボですが,どういった印象を抱かれましたか?
戦略を立てる,相手の先を読んで自分の手を決める,2人で対戦する,若干の運や偶然性が入る……と,両者には共通項も多いのではないかと感じられました。
――本日の大会で,どのシーンが印象に残りましたか?
羽生竜王:
ゲーム部門の決勝戦,ラストの逆転劇ですね。勝敗が入れ替わったスリリングな戦いが印象的でした。
――今日,新たに誕生したポケモン竜王の姿を見てどう思われましたか?
羽生竜王:
想像していた以上に若い人が活躍されている大会でしたね。引き続きがんばってほしいです。
――仮に羽生さんがポケモンを始められるとしたら,ビデオゲームとカードゲームのどちらをやってみたいですか?
羽生竜王:
ビデオゲームをやってからカードゲームをやってみたいです。
――ありがとうございました。
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- ライター:箭本進一
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