「そろそろ寒くなってきたから、冬物のコートを着ようかな。でも、コートは今着ていてもいいんだっけ?」と季節の変わり目に頭を悩ませることもあるのではないでしょうか。
毎年コートは着ているけれど、いつから着ていたかをはっきりと覚えている人はかなり少ないはずです。
また、いつから半袖を着たかもよく覚えてないのではないでしょうか。
服を選ぶ時には、実は、気温がとても関係していると私たちは考えています。毎日天気予報を見る人が多いと思いますので、その日の最高気温、最低気温や天気は日々確認しているでしょう。
しかし、天気予報では、その日の最高気温、最低気温を伝えても、どんな服装で出かけたらいいかまでを伝えてくれることはほとんどないでしょう。そのため、多くの方が「何度になったら、どんな服装をするといいか」の知識がないはずです。
実は、最高気温、最低気温によって、最適な服装が決まることが多いです。気温は○○℃と数字で表されるので、一度覚えてしまえば、当てはめるだけでとても簡単にぴったりな服を選ぶことが出来るでしょう。
私は、男性専門パーソナルスタイリストサービスを提供する会社を経営しており、弊社は今までに10,000人以上のお客さまにご利用頂いております。また、前職は伊勢丹メンズ館でバイヤーをしていました。
現在もバイヤー時代も、気温はとても大事な指標の1つです。そのため、気温の推移は日々確認しています。
今回は、その服装と気温の関係性の知識を簡単にお伝えしていきます。
気象庁のホームページには過去30年の東京の月別の最高気温や最低気温などの平均データが掲載されており、以下でご説明する内容はそのデータをもとにしています。
(出典:http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=44&block_no=47662&year=&month=&day=&view=a2)
また、他のページには、その他の都市の気温や、過去100年以上気温のデータなどもありますので、参考にしてみて下さい。
そして、日毎の気温のデータについては、以下のサイトで1960年代以降の毎日の天気とともに、最高気温と最低気温が簡単に確認できます。明日以降の服装を考える際などには参考になると思います。
(参考:https://weather.goo.ne.jp/past/)
弊社にお越しになるお客さまにも服装と気温の関係性について説明をしており、その結果、かなり簡単に服装が決められるようになったという声を多く頂きます。
皆さんもぜひ、身につけて、その日の服装に悩まないようになりましょう。
目次 [非表示]
1.気温別オススメの服装
1-1 1日のうちの最低気温と最高気温がポイント!
まず、ポイントとなる気温は、最高気温と最低気温です。天気予報では、最高気温と最低気温は伝えることが多いので、よく目にすると思います。
最低気温は日の出前後の時間になることが多いです。これは、日差しがなくなり、地面が冷え切っていることが理由です。
日の出の時間が遅い冬場などは、最低気温が朝の通勤時間帯と重なることもあります。
最高気温は、14時から15時前後の時間帯になることが多いです。これは、太陽が真南にくる12時前後のあとに地面が暖められ、それが気温に反映されるまでに少し時間がかかるからです。
その日によっても気温変動は違いますが、まず最低気温と最高気温がどのくらいの時間になることが多いかは覚えておきましょう。
1-2 気温別のオススメの服装
気温別の服装について説明をしていきます。
まず、気温を5℃ずつに区分けをして、最適な服装を当てはめていきます。出かける時間を考えながら、最高気温、最低気温ともに確認することが大切です。
また、春夏秋冬と季節が進む中で、次の季節の気温が下がるのか上がるのかによって、最高気温、最低気温の重要さが変わってきます。
例えば、秋から冬になる時には、どんどん寒くなるので、最低気温により注意をしましょう。また、春から夏になる時には、気温が上がっていくので、最高気温により注意をしましょう。
<気温別 おすすめの服装>
【気温】 【おすすめの服装】
5℃未満 冬物コート、マフラー、手袋
5℃~9℃ 冬物コート
10℃~14℃ 薄手のコート、薄手のブルゾン、シャツ、セーター
15℃~19℃ 薄手のブルゾン、ジャケット、シャツ、セーター
20℃~24℃ シャツ、セーター(朝晩などはジャケットや上に羽織る物を着る)
25℃~29℃ 半袖(朝晩などは上に羽織る物を着る)
30℃以上 半袖
1-2-1 5℃未満の服装
5℃未満の時には、冬物のコートだけではなく、マフラーや手袋などの防寒アイテムがあった方がいいでしょう。
東京では、12月、1月、2月の最低気温の平均が5℃を下回ります。
冬物のコートの選び方や着こなしについては以下の記事にて詳しく説明しています。
モコモコ着ぶくれダウンは卒業。シュッとして女性ウケを狙うならステンカラーコート!
マフラーのオシャレな巻き方、選び方を以下にまとめています。ぜひ参考にしてみて下さい。
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1-2-2 5℃~9℃の時の服装
10℃を下回ると、冬物コートを着た方がいいでしょう。5℃未満にならない場合は、マフラーや手袋まではいらない場合が多いです。
最高気温が10℃を下回ると、本格的な冬の到来です。東京では、12月中旬位から最高気温が10℃を下回り始めます。この時季に冬の訪れを感じることが多いでしょう。
また、11月下旬から最低気温の平均が10℃を下回ります。
1-2-3 10℃~14℃の時の服装
10℃~14℃の時には、薄手のコートやブルゾン等の羽織る物があった方がいいでしょう。ジャケットを羽織るだけでは、肌寒く感じる人が多いはずです。
東京では、11月中旬以降は最高気温が15℃を下回り、日中でも薄手のコートやブルゾンが必要になります。冬の訪れを感じるのがこの気温の特徴です。
また、春は3月上旬から中旬に最高気温が10℃を超えてきます。最高気温が15℃に近づいてくると、春の訪れを感じることが多いでしょう。
1-2-4 15℃~19℃の時の服装
15℃から19℃の時には、男性はジャケットとシャツだけでも過ごすことができるでしょう。スーツスタイルの際には、スーツで街を歩いても寒く感じることは少なくなるはずです。
私服の時には、薄手のブルゾンやパーカーなど、羽織る物があった方がいいでしょう。
東京では、10月中旬から11月中旬の最高気温が15℃から19℃くらいのことが多いです。また春先は3月中旬から下旬の最高気温が当てはまります。
ジャケットの選び方や着こなしについてはこちらにて詳しく説明しています。
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ジージャンの着こなしについては以下にまとめていますので、参考にしてみて下さい。
デートにも最適!女性にモテるジージャンの着こなしと取り入れ方!
1-2-5 20℃~24℃の時の服装
20℃から24℃の時には、長袖のシャツやセーターで快適に過ごすことができるでしょう。上に羽織るとしてもカーディガンなど薄手のもので大丈夫です。
東京では、9月下旬から10月中旬の最高気温、4月上旬から5月中旬の最高気温が当てはまります。
シャツの選び方や着こなし、カーディガンの着こなしについてはこちらも参考にしてみてください。
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1-2-6 25℃~29℃の時の服装
25℃から29℃の時には、半袖でいても寒さを感じることはほとんどありません。つまり、最低気温が25℃を超えていれば、1日中半袖で大丈夫と言えます。
東京で最低気温が25℃を超えるのは、結構遅く、通常は7月中旬から下旬の梅雨が明けてから、ようやく最低気温が25℃を超える日が多くなります。この梅雨明けの時期から、9月上旬位までが最低気温が25℃を超える日が多いです。
また、最高気温が25℃を超えるのは、4月下旬のゴールデンウィーク辺りからです。ゴールデンウィーク辺りから、日中に外に出る時や暑がりの人は半袖を着る機会が増えるでしょう。
ただし、7月中旬から下旬の梅雨明けまでは、朝晩などは半袖の上にカーディガンなど薄手の羽織る物があった方が安心です。
1-2-7 30℃以上の時の服装
30℃以上の時には、半袖でも暑く感じるでしょう。7月中旬から下旬の梅雨が明けた時期から最高気温が30℃を超える日が増えてきます。
1年間のうち、8月のみ最高気温の平均が30℃を超えます。
ポロシャツの選び方や着こなしについては以下に詳しくまとめていますので、参考にしてみて下さい。
ダサいとは言わせない!この夏買うべきポロシャツと簡単着こなし術
2.各月ごとの服装と気温のポイント
続いて、各月ごとの服装のポイントについて説明をしていきます。
2-1 1月の服装
平均気温5.2℃、最高気温9.6℃、最低気温0.9℃
平均、最高、最低気温ともに、一年で一番低いのが1月です。とにかく暖かくして出かけましょう。ただし、厚着をするとモコモコと着ぶくれ状態になる可能性も高いので、この点は気を付けましょう。特に、女性とのお出かけの際などには、すっきりとスマートな着こなしを心がける方が印象はよくなることが多いです。
【1月の服装例】
2-2 2月の服装
平均気温5.7℃、最高気温10.4℃、最低気温1.7℃
2月上旬までは1月と同じ位の気温です。下旬から最高、最低気温ともに少しだけ1月よりも上がりますが、1月と同じく防寒対策をしっかりとして出かけましょう。雪が降ることも多い月です。
【2月の服装例】
2-3 3月の服装
平均気温8.7℃、最高気温13.6℃、最低気温4.4℃
3月中旬から最高気温が15℃前後まで急に上がってくることが多いです。この辺りで春の訪れを感じるようにもなります。ただし、最低気温はまだ低いので、上旬は冬物のコートの出番も多いでしょう。
【3月上旬の服装例】
【3中旬から下旬の服装例】
2-4 4月の服装
平均気温13.9℃、最高気温19.0℃、最低気温9.4℃
4月は、最高気温、最低気温ともに急上昇します。上旬、中旬、下旬でどんどん気温が上がるので、着る服にも注意が必要な月です。
上旬は最高気温が15℃を超える日が多く、中旬から20℃を超える日が出てきます。そして、ポイントは下旬のゴールデンウィーク中です。このゴールデンウィーク中に最高気温が25℃を超える日が出てくることがあります。早い人はこの時期に日中は半袖を着ることもあるでしょう。
【4月上旬の服装例】
【4月中旬の服装例】
【4月下旬の服装】
2-5 5月の服装
平均気温18.2℃、最高気温22.9℃、最低気温14.0℃
5月は、最低気温が4月よりもかなり上がってくるのが特徴です。最低気温が15℃を超える日が多く、朝晩でも暖かく感じることが多くなります。
最高気温はそれほど上がらず、20℃から25℃未満くらいのことが多いです。
朝晩は上に羽織る物があった方がいいでしょう。
【5月の服装例】
2-6 6月の服装
平均気温21.4℃、最高気温25.5℃、最低気温18.0℃
6月は上旬位から梅雨入りをします。そのため、曇りや雨の日が多く、最高気温、最低気温ともに大きくは上がりません。
最高気温は25℃前後が多く、最低気温は20℃前後が多いです。まだ6月は1日中半袖でいるのは寒いことが多く、半袖の上に羽織る物があった方がいいでしょう。
【6月の服装例】
2-7 7月の服装
平均気温25.0℃、最高気温29.2℃、最低気温21.8℃
7月のポイントは梅雨明けの時期です。7月中旬から下旬に梅雨が明けます。
梅雨明け前の曇りや雨の日は、6月とあまり気温は変わりません。
しかし、梅雨が明けた後は、最高気温が一気に30℃を超える日が続きます。最低気温も25℃を超え、1日中半袖でも暑い日が始まります。
ポロシャツやTシャツを選ぶ際には特にサイズ感に気を付けましょう。男性の多くがだぼっとしたオーバーサイズを選びがちですが、細身のジャストサイズのものの方が大人っぽく着こなすことができます。
【7月上旬の服装例(梅雨明け前)】
【7月中旬以降の服装例(梅雨明け後)】
2-8 8月の服装
平均気温26.4℃、最高気温30.8℃、最低気温23.0℃
8月は最高気温、最低気温ともに、1年で1番高い月です。
最高気温は30℃を超える日が多く、最低気温も25℃を超える日が多いです。
半袖でも暑い日が続くでしょう。
また、夕立ちなど、雷を伴って短時間、雨が強く降ることがあるのもこの時期の特徴です。折り畳み傘なども鞄に忍ばせておくといいかもしれません。
【8月の服装例】
2-9 9月の服装
平均気温22.8℃、最高気温26.9℃、最低気温19.7℃
9月は秋の始まりというイメージですが、実はまだかなり暑い日が続きます。最高気温、最低気温ともに、7月8月に続き1年で3番目の暑さです。
9月上旬はまだ夏真っ盛りという日が続き、9月中旬から最高気温が30℃を下回る日が増え、下旬からは最低気温が25℃を下回り始めます。
9月中旬以降は、半袖を着る際、朝晩は薄手のカーディガンなど、羽織る物があった方がいいでしょう。
【9月上旬の服装例】
【9月中旬、下旬の服装例】
2-10 10月の服装
平均気温17.5℃、最高気温21.5℃、最低気温14.2℃
10月の気温変動が大きい月です。覚えておくべきことは、10月中旬から一気に気温が下がってくるということです。最低気温が15℃を下回る日が増え、最高気温も20℃を下回る日が出てきます。
多くの人がイメージする涼しい秋は、大体10月中旬前後から始まると考えて下さい。秋物の薄手のウールセーターや薄手のコートなども10月に入ってから着ることが多くなります。
【10月上旬の服装例】
【10月中旬、下旬の服装例】
2-11 11月の服装
平均気温12.1℃、最高気温16.3℃、最低気温8.3℃
11月も気温変動が大きい月です。11月の気温のポイントは中旬から一気に冷え込んでくるということです。
11月中旬以降は最低気温が10℃を下回る日が増えてきます。また、最高気温も15℃を下回る日が増えてきます。
そのため、中旬以降は日中でも薄手のコートが必要になるでしょう。朝晩は冬の到来を感じることも出てくるはずです。
強い北風の木枯らし1号が吹くのは大体11月上旬から中旬位です。
【11月上旬の服装例】
【11月中旬、下旬の服装例】
2-12 12月の服装
平均気温7.6℃、最高気温11.9℃、最低気温3.5℃
12月は、ほぼ毎日最低気温が10℃を下回り、中旬以降は5℃を下回る日が増えてきます。最高気温も10℃から14℃位の日が多く、日中でも寒さを感じます。
12月のポイントは、下旬のクリスマス前後の時期に気温がぐっと下がってくることです。これはクリスマス寒波と呼ばれ、強い冬型の気圧になり、気温がかなり下がります。この下旬位からが本格的な冬になります。
マフラーや手袋などでしっかりと防寒するようにしましょう。
【12月上旬、中旬の服装例】
【12月下旬の服装例】
2-13 おまけ
最後に、皆さんが悩みがちなクリーニングに出すタイミングと、衣替えの時期についてのポイントをまとめておきます。ぜひ、こちらも参考にしてみてください。
〇クリーニングに出す、おすすめの時期について
冬物:4月下旬のゴールデンウィークに入ってからクリーニングに出すのがおすすめです。まだ4月は最低気温が低く、10℃を下回り、冬物を着る可能性が残っています。
夏物:10月中旬位にクリーニングに出しましょう。10月中旬からは気温が下がってくるので、半袖は着ないことが多い時期に入ります。
春物:7月中旬から下旬の梅雨明け後にクリーニングに出すと安心です。梅雨明け後は、ほとんどの日が半袖で問題ない気温になります。
秋物:12月上旬位にクリーニングに出しましょう。12月に入ると冬物を着る機会が増えてくるので、この時期が目安となります。
〇衣替えのおすすめの時期について
秋物:9月中旬位に準備を始めましょう。9月中旬から最低気温が25℃を下回る日が増えるので、長袖を着る機会が増えてきます。
夏物:4月下旬位に準備を始めましょう。ゴールデンウィーク中に最高気温が25℃を超える日が出てくるので、日中は半袖でも過ごせる日が出てきます。
春物:3月中旬位に準備を始めましょう。3月中旬から最高気温が15℃を超える日が増えてきて、一気に気温が上がってきます。
冬物:10月下旬に準備をしましょう。11月上旬の木枯らし一号が観測される辺りから、気温が下がってきます。11月に入ると最低気温が10℃を下回る日が増えてきます。
3.まとめ
「何となく寒さが厳しくなってきた気がするから、コートを着よう」、「もう暖かいから、半袖でいいか」と、その時々の肌感覚で服装を選ぶ方が多いかとは思いますが、実は、これまで述べてきたように気温で着るべき服装を体系的に理解することができます。
この基準を身に着けておけば、事前に最適な服の準備が可能になります。衣替えやクリーニングに出すタイミング、また、足りないものを買い足す時期などを前もって把握することができます。
その時になって、あわてて「まだ冬物コートを出してなかった!でも時間がないから・・・」と薄着で出かけ、風邪をひく羽目になるようなこともなくなるでしょう。体調管理にもつなげることができるはずです。
もちろん、気温と着るべき服装について完全に覚えるのは大変でしょうから、節目ごとにチェックができるようにお気に入りなどに登録をして頂けると便利かもしれません。
ぜひ、有効に活用してみてくださいね。