スピン経済の歩き方:モスバーガーが「創業以来の絶不調」である、もうひとつの理由 (1/5)

» 2018年01月16日 08時15分 公開
[窪田順生ITmedia]

 売上高、利益ともにフタケタ成長で絶好調のマクドナルドと対照的に、業界第2位のモスバーガーが苦戦している。

 「創業以来2度目の絶不調」(現代ビジネス 2018年1月8日)なんてことまで言われ、昨年からあれが悪い、これがマズかったなんて調子で、さまざまな敗因が取り沙汰されている。

 例えば、かつて成長の原動力だったフランチャイズシステムがオーナーの高齢化で機能しなくなっているとか、コンビニのコーヒーがおいしくなったことで競合となったという方がいる。また、安くもなく高くもない中途半端な価格帯がよくないからだという人もいれば、いやそうではなく、SHAKE SHACKやUMAMI BURGERなど海外から高品質・高価格をうたうプレイヤーの上陸で、モスバーガーの売りである「健康志向」や「品質」というアドバンテージがなくなりつつある、という指摘をするメディアもいた。

 立派な専門家やジャーナリストが分析していることでどれも納得のいく話である。ただ、どなたもまだ指摘していないものの、ここにきて王者・マクドナルドと大きな差が開いてしまった背景には、もうひとつ大事な要素があるのではないか、と思っている。

 それは、「分煙」だ。

 マクドナルドが2014年8月に「全店禁煙」へ切り替えたことを対象的に、モスバーガーは受動喫煙防止法案に反対する自民党たばこ議連が提案するように「禁煙」「分煙」「時間帯分煙」と店の自主性に任せて、店頭にステッカーを貼るなどして対応してきた。

 「2003年の健康増進法の施行を受け、モスバーガーでは受動喫煙防止のため店舗での禁煙または分煙化をすすめております。店舗案内で検索できる分煙店舗は、完全密閉型分煙のみ検索できるようになっております。また、店舗によっては時間帯分煙などに取り組んでおります」(モスバーガーの公式Webサイトより)

モスバーガーが苦戦している理由は?
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