東京第1検察審査会が議決 再捜査を求められる東京地検
東京都中野区の駅ホームで歩きスマホをしていた女子大学生とぶつかり重傷を負わせたとして、50代の男性が重過失傷害容疑で書類送検される事件があり、東京第1検察審査会が、この男性について不起訴とした東京地検の処分を不当とする議決をしていたことが15日、明らかになった。地検は今後、再捜査を求められる。議決は昨年12月14日付。
昨夏には、神戸市のJR三ノ宮駅ホームで歩きスマホをしていた女性に体当たりして転倒させ、重傷を負わせたとして男が傷害罪で起訴された事件もあり、東京地検の再捜査の行方が注目される。
関係者によると、事件は2015年11月19日昼に発生。JR中野駅のホームを歩いていた女性が男性とぶつかって転倒し、電車に接触して頭を骨折するなどの重傷を負った。
男性は現場から立ち去ったが、防犯カメラの映像などから特定され、警視庁が重過失傷害容疑で書類送検した。男性は容疑を否認し、東京地検が昨年5月に不起訴処分としていた。
検察審査会は議決理由について「検察が被害者の挙動について十分検討したのか疑問がある。ぶつかれば被害者が電車に接触する可能性があると男性が予見できた余地がある」などとした。【飯田憲】