金正恩氏はトランプ氏に「尊敬の念」を伝えた?

「『平昌冬季五輪休戦』は『ニューヨーク・チャンネル』で実現」説が浮上

2018年1月16日(火)

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北朝鮮に対する姿勢が定まらないトランプ米大統領(写真:AFP/アフロ)

金正恩朝鮮労働党委員長が「平昌冬季五輪」を軸についに動きましたね。朝鮮半島での軍事対決の危険性は急速に和らいできた感がしますが、米国は一連の動きをどう見ていますか。ドナルド・トランプ大統領はどう出るのでしょうか。

高濱:金正恩委員長が元旦に演説して以降、トランプ大統領の言動は微妙に揺れ動いています。というより支離滅裂で本心が奈辺にあるのか分かりません。

 ワシントンの政治問題専門家の一人は、筆者に「トランプ大統領が何を考えているかは精神科医か心理学者にしかわからない」とメールしてきました。(笑)

 これは金正恩委員長についても言えることかもしれません。もっとも同委員長の目標は「国体護持」(つまり「金王朝存続」)という点ではっきりしています。その点、トランプ大統領の方は何をしたいのか、いっそうわかりませんけど。(笑)

 同委員長は、「新年の辞」で韓国との関係改善に意欲を示しました。その一方で米国に対しては「核のボタンが机の上にいつも置かれている」と表明。硬軟両様というか、真意はどちらにあるのか。米朝ともに相手の真意を探り合いです。

 トランプ大統領は2日、この金演説に対してツイッターにこう書き込みました。
 「ロケットマン(金正恩委員長のこと)は韓国と話がしたいと初めて言い始めた。これはよいニュースかもしれないし、そうではないかもしれない。様子を見てみよう。制裁やそのほかの手段による圧力は北朝鮮に大きな影響を及ぼし始めている」

 「北朝鮮は疲弊して食糧も底をついているか。私も核のボタンを持っていることを、彼(金正恩委員長)の政権の誰かが彼に知らせてくれないだろうか。しかも私のボタンは彼のものよりもはるかに大きく、より強力で、実際に機能するということを」

つまりトランプ大統領は、北朝鮮が変化したのは経済制裁と軍事的圧力の結果だと言いたいわけですね。なにも文在寅韓国大統領の「宥和政策」が功を奏したわけではない、と言いたげですね。

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高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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