クサガメの飼育方法を紹介!外国では希少種のクサガメ

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クサガメ(Chinemys reevesii)はホームセンターのペットコーナーでもよく見かけるカメで、

国内にも広く分布しています。

本州、四国、九州の平野部に分布しており、最近は北海道や奄美大島でも帰化したようです。

 

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外国では希少種

 

国外では中国東部や朝鮮半島、台湾などに分布していますが、いずれに地域でも減少傾向だそうで、

実は中国産の個体群はワシントン条約の付属書Ⅲ類に指定されて、

韓国の個体群は政府により天然記念物に指定されています。

IUCNのランクでは絶滅危惧種に指定されています。

多いのは日本だけのようです。

日本のクサガメは外来種が定着したもの?

 

本種はイシガメMauremys japonicaと並び、日本を代表するカメとして有名でした。

しかし、近年の研究の結果、江戸時代中期以降に朝鮮半島から持ち込まれた可能性があるようです。

そのことと関係があるのかもしれませんが、イシガメとの間で簡単に交雑してしまい、

ウンキュウと呼ばれる交雑個体が野外で採取されます。

そのF1同士も子供を残せるようです。

もともと同所的に生息している近似種(たとえば淡水魚のオイカワとカワムツなど)は、

選好する微生息地が異なったり、交尾時期や配偶行動、

そのほか何らかの生殖隔離が働き、そんなに簡単には交雑しないのです。

そういう意味でも本種とイシガメはきちんとした生殖隔離されておらず、

クサガメが定着してから日が浅いのではないかと、妙に納得できていしまいます。

 

巨頭化には貝類

 

生物学的に定義のある言葉ではないかもしれませんが、

「巨頭化」という単語が趣味のカメ類には存在します。

そのままの意味で、頭が極端に大きくなることを指します。

これは本種やオオアタマヒメニオイガメ、ダイヤモンドバックテラピン、

オオアタマガメなどで見られる現象で貝類を食べることで即頭筋が鍛えられ、

嘴も広く深く大きくなり、全体的に「大頭」になることです。

ドイツの写真図鑑「Terra log」や

中国の図鑑にはオオアタマクサガメChinemys megalocephalaという独立種が紹介され、

その写真は異様にでかい頭のカメが映っています。

でも種として裏付けはないようで、巨頭化した普通のクサガメのメス個体のようです。

このように巨頭化したクサガメを最近ショップで見かけるようになりました。

クサガメとしては高額ですが、イシガメのように飼いにくいこともありませんので、お勧めできます。

この巨頭化、遺伝するようで、その親から生まれた個体は同様になるとのこと。

ただ、普通のエサをやっていても大きくはならないような気がします。

うちのメス親は若干巨頭化しており、その子供は一見普通だったのですが、

配合をやらず、ジャンボタニシやヒメタニシばかりやっていた個体は、

配合のみで育てた兄弟にくらべると少し巨頭化してきたかなと感じられるようになってきました。

稲の害虫であるジャンボタニシの有効利用にもつながりますので、

近くにジャンボタニシの生息地がある方は一度挑戦してみては。

間違っても希少種であるマルタニシは与えないように(笑)。

 

品種

 

本種はアルビノやリューシスティックなどの品種があり、

若干高価な「オオアタマクサガメ」とは比べ物にならないくらい高値で売られています。

少なくとも私はそれらの品種個体では巨頭傾向の個体は見ていませんが、

アルビノで巨頭化したクサガメが作れたら、結構、格好いいような気がします。

 

クサガメの飼育方法

 

イシガメと比べると格段に飼いやすいカメです。

余談ながら、最近ショップでよく見られるようになったイシガメは紫外線要求量が高く、

水がきれいで、きちんと体を乾かせる場所がないと簡単に調子を崩し、

簡単に死に至るのでとてもカメ初心者にはおすすめできません。

クサガメの飼育水はイシガメほどではなくてよく、くさくなる前に替えたほうが良いですが、

それほど神経質にならなくても意外と持ちます。

エサは無理に貝類を与えなくても配合で十分大きくなり、繁殖もできます。

我が家では親個体は鯉のエサのみで毎年産卵して子供がとれています。

孵化までの日数はおよそ2か月くらいです。

繁殖もカメ類の中ではかなり簡単な部類に入るでしょう。

逆に殖えすぎに注意です。

本種をはじめ、アオダイショウやニホンヤモリなど

国内に生息する爬虫類の普通種は結構飼いやすく殖えやすく、飼育もお勧めできます。

付き合えば新たな発見があるかもしれませんので一度飼ってみてはいかがでしょうか。

 

—はじめてのカメと暮らし方—

亀の飼育

 

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