2018年01月14日

自尊感情が高い人にマインドフルネスは逆効果

社会的排斥という文脈において、自尊感情が高い人にマインドフルネスは逆効果で、かえって反すうや収縮期血圧を高めることになる、という研究があります。

Ford, M. B. (2017). A Nuanced View of the Benefits of Mindfulness: Self-Esteem as a Moderator of the Effects of Mindfulness on Responses to Social Rejection. Journal of Social & Clinical Psychology, 36(9), 739-767. doi:10.1521/jscp.2017.36.9.739.

アメリカのロヨラ・メリーマウント大学心理学部の研究者による単著論文です。

マインドフルネス瞑想は出来事への有害反応を低下させ、健康的なコーピング反応を促す手段として効果的だとされます。そこで、本研究では、マインドフルネス瞑想で社会的排斥のネガティブ効果を弱めることができるかどうか検証しました。特に社会的排斥の負の影響に脆弱だと考えられる自尊感情が低い人において、マインドフルネス瞑想がレジリエンスや適応的コーピングを促進するのに有効かどうか調べました。

出会い系サイトでの交流において、133人の参加者が他の参加者から拒絶、または非拒絶のフィードバックを受けました。このフィードバックは実験者が勝手に決めた嘘っぱちでしたが、参加者当人はそのことを知りませんでした。次に参加者の半数がマインドフルネス瞑想を短時間実施し、心理的、生理的反応を評定しました。

その結果、自尊感情が低い人ではマインドフルネス瞑想の後に、排斥に対する有害反応が低下しました(潜在的自己注目が低下)。しかし、自尊感情が高い人ではマインドフルネス瞑想の後に、排斥に対する有害反応が高まりました(反すうや収縮期血圧の増加)。

マインドフルネスの副作用に関する研究
コンピューター上のやり取りでマインドフルネスは逆効果

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posted by マーキュリー2世 at 23:33 | Comment(0) | (マインドフルネス)瞑想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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