1月12日、東京オートサロンのプレスカンファレンスでトヨタはとんでもないクルマを披露した。
「GRスーパースポーツコンセプト」。写真を見てお分かりの通り、これはFIA世界耐久選手権(WEC)に出場したTS050 HYBRIDをわずかにアレンジしたものだ。要するに2016年のル・マン24時間レースで残り3分までトップを走っていたレーシングカーとほぼ同じものが、お金さえ払えば買えるという話である。
もちろんその名に「コンセプト」という文字が入っていることが示す通り、市販化までにはまだ遠い状態ではある。しかし驚くべきは市販化に向けて本当に開発が進められていることだ。Gazoo Racing カンパニーのプレジデントである友山茂樹副社長は「市販車をレースカーに仕立てるのではなく、レースカーを市販車に仕立てる全く新しいトヨタの挑戦」とこのクルマに賭ける意気込みを語る。
実のところ、レーシングカーに法規適合用保安部品を取り付け、ナンバーを取得した先例は少なくない。TS050 HYBRIDのような屋根付きで4輪がカバーされたプロトタイプレーシングカーもあれば、コックピットもタイヤもむき出しのフォーミュラーもある。ジャガーXJR-15やメルセデスCLK-GTRなどの先例があり、それ以外にも本当にレースに出たクルマそのものを改造したケースも少なくない。金持ちの変人がワンオフでそういう酔狂に及ぶのはままあることなのだ。当然乗りやすくないし、能力を発揮するには公道は速度域が低すぎ、快適性もゼロ。「レーシングカーを道路で走らせる」というジョークの一発勝負だった。
だが、トヨタが言っているのはそういう趣味的にバカをやってみようという話ではない。この「まんまレーシングカー」を指して、友山副社長は「恐らくは、最先端のIT技術を駆使した、安全で、環境に優しい、コネクティッドカーになるであろう」というのだ。
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