ビットコインは間違いなく、2017年にたびたび耳にしたバズワードの一つだ。あなたが、いずれ弾けるかもしれないバブルと疑っているか、あるいは、その可能性について力強い信念を持っているかはともかく、ビットコインはあらゆる場所に存在する。今や、およそ9ビットコインで、ランボルギーニが1台買えてしまう。
トップのベンチャーキャピタリストたちも、その価値を見出している。DFJ および Draper Associates の設立パートナーである Tip Draper 氏は、長年にわたり仮想通貨の熱狂的な支持者だ。彼は2014年、1ビットコインあたり600米ドルで3万ビットコインを購入した。今日、その価値は2億1,300万米ドルで、1,083%も上昇したことになる。
ビットコインの価値は今年も上がり続け、11月だけで1ビットコインあたり7,000米ドルから11,000米ドルにまで跳ね上がった。先週にはシカゴの CBOE(オプション取引所)で、ビットコインの先物取引が開始された。先週日曜日には1ビットコインあたり19,700米ドルに達したが、今朝(アメリカ太平洋標準時22日朝)には12,500米ドルにまで下落した。この常態的な価格変動は、投資家たちを不安にさせる。
(ツイートの訳)ビットコインの真の信者は、自信を持ってこのボラティリティを乗り切ることができるだろう。世界の通貨需要は引き続き、衰えることを知らない。
著名な VC もビットコインを保有しているが、(スクルージ・マクダックのように)Draper 氏は彼らをそのうちにカウントしない。Draper 氏は投資家として、ビットコインやブロックチェーンに賭けている。CB Insights はこの分野で、Draper Associates を4番目にアクティブな投資家として評価している。
我々は Draper 氏に、ビットコインブームと ICO(イニシャル・コイン・オーファリング)の将来について、いくつかの質問をした。
<関連記事>
(このインタビューは、内容を明確なものにし、長さを調整するために編集されたものだ。)
VentureBeat:
ビットコインに初めて投資したのはいつですか? その理由は?
Tim:
私は、仮想通貨がそれまでよりも状況がよくなり、価格も安定し、政府の気まぐれの影響を受けにくくなると考え、ビットコインを購入した。ビットコインは、統治がよくない環境に対応するヘッジであり、世界中でも、そのような意図で求められる傾向が多いようだ。
VentureBeat:
仮想通貨は、今年とてつもなく成長しました。2018年も同様の成長が続くでしょうか?
Tim:
私が思い描く将来は、より仮想通貨があらゆる場所に普及し、その規模はフィアットよりも大きくなるだろうというものだ。これは、仮想通貨の価値が現在よりもはるかに大きなものになることを意味している。
VentureBeat:
ビットコインが常に高値である今、その一部を売ろうと考えていますか?
Tim:
何のために? それは、金を貝と交換するようなものだ。私は過去を振り返ることには興味はない。
VentureBeat:
ビットコインを金と比べる人は多いですが、それには賛成されますか?
Tim:
いいえ。金は形あるもので運びにくいし、モノの購入に使うには現実的ではない。しかし、とても輝いている。ビットコインの方が、もっと役に立つだろう。
VentureBeat:
中国が ICO を禁止したことについて、不安はありますか?
Tim:
この技術が普及し、今や自由に他国へ移動できる素晴らしいエンジニアや起業家によって開発が続けられる中で、中国のような政府は敗者になるのではないかと思う。世界中の政府は、市民、お金、企業、起業家を求めて競争し合っている状態。中国はその戦いに敗れ、ビットコインを国の通貨にした(取引高世界1位)日本は勝者になるだろう。
VentureBeat:
最終的に、ICO は IPO に代わるものとなるでしょうか?
Tim:
ICO は全く IPO と違うものだ。むしろ、会社(に対する投資)よりは Kickstarter のクラウドファンディングに近い。ICO がもたらす最良のメリットは、社会学上での変化だ。
VentureBeat:
ある時点から、トップティアの VC がスタートアップに対して、従来型の資本ではなくビットコインで投資を始めるとお考えですか?
Tim:
私はすでに、ビットコインで何度も投資をしているよ。他の投資家が私と同じようにし、規制当局も加わって、ビットコインをペソ、日本円、ユーロと同じように通貨として扱うだろうというのは疑わしい。ビットコインで投資することの利点は、すべての会計処理が自動的にブロックチェーン上で処理されること、そして、スマートコントラクトにより、曖昧な言葉での契約を置き換え、法的問題を最小限に抑えられることだ。
<関連記事>
- スタートアップ向け資金調達プラットフォームの「CapBridge」、シンガポール証取とTim Draper氏らから290万米ドルを資金調達
- Draper Associatesがインドネシアに初の出資、消費者金融スタートアップUangTemanの1,200万米ドルの調達ラウンドに参加
- WaveMaker Partners、5,000万米ドルのファンド資金調達が間もなく完了、Tim Draper氏の視線は中国からインドネシアに
- ブロックチェーンを使った証券取引所Funderbeamを利用し、アーリーステージスタートアップらが5,800万米ドルを調達
- 韓国のビットコイン取引所Korbitが、Tim Draperら有名投資家から40万ドルを調達