連続テレビ小説 わろてんか(84)「泣いたらあかん」[解][字][デ][再] 2018.01.12
(栞)記憶が戻らないうちはいいがもし戻ってしまったら僕自身どうなるか分からない。
(志乃)帰るったら帰るんだよ!
(キース)お母ちゃん!私みたいな年寄り一人どうなろうがあんたらには関わりないだろ。
(てん)思い出さはったんですか?今すぐ志乃さんに会いに行ったげとくれやす。
あの人の容体が?いえ…。
ケガは何ともありまへん。
じゃあ?志乃さんみな思い出さはったみたいです。
急に「東京に帰りたい」言いださはって…。
体さえ治ったらすぐにでも帰らはるおつもりです。
いっぺんちゃんと話しはりまへんか?あの人が僕を捨てたんだ。
そやけどたった一人のお母さんでっせ。
たった一人だから厄介だ。
ほなこのまま志乃さん東京に帰さはるんですか?あの人と二度と会うつもりはない。
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」・「ありがとうと言いたいあなたのために」・「ごめんねと言えないあなたのために」・「パレードはまわり続けてる」冷たいと思われるだろうがあの人と僕は今や他人も同然だ。
そないな事…。
「お前がいると邪魔なんだ」。
離れる時にそう言われた。
「お前を厄介払いできてせいせいした。
もう二度と会わない。
お前はこれから正式な伊能家の息子になって自由気ままに暮らすがいい」ってさ。
そやけどそれはきっと何かご事情があって…。
どんな事情があるにせよそんなもの認めたくないんだ!すまない。
大きな声を出して。
うちもすんまへん。
自分の心も分からないような人間がこうして活動写真を作ってる。
(亀井)東京の地震からこっちどの寄席もお客の入りはええ事おまへん。
このままやったら大阪の芸人まで干上がってしまいますわ。
(藤吉)確かにお客さんの顔も沈んできた気ぃするな。
そうですなぁ。
どないしたもんか…。
・ああはいはい。
はいもしもし南地風鳥亭はい。
えっ!?風太から電話です。
おトキ!もしもし風太か?連絡もよこさんで…心配したで。
(風太)ああいやすまんすまん。
俺は大丈夫や。
師匠らみんな焼け出されてしもて東京中あちこち捜しに行ってたんや。
そら大変やったな。
そのかわりぎょうさん芸人見つけたで。
皆さんご無事やったか。
うんいやみんな明るいわ。
わろてたら腹減ってんのもつらい事も忘れられる。
「笑いが一番のごちそうや」ってな。
「笑いが一番のごちそう」か。
食べるもんも仕事もろくにないやろに大したもんや。
うん。
うちの高座に…。
東京の芸人さんらうちの高座に上がってもろたらどうですやろ?こういう時こそ笑いが必要やいう事ですやろ?やっぱり笑いは人を癒やす薬です。
それに売り上げを義援金にすればお客さんも遠慮のう笑えます。
ごりょんはんそれよろしいな。
ああすまんすまん。
なあ風太そっちの師匠ら大阪に招いたらどうや?おおそらええな。
早速話してみるわ。
・ああ。
ちょっ待て風太。
あ?あ?話し。
(トキ)風太うちや。
おう!・
(トキ)連絡もせんとこのアホ!戻ってきたらあんたの好きなお饅頭びっくりするほど用意してみんな食べてもらうさかいな。
おう!みな食うたるわ。
これ地震の時お母ちゃんが崩れそうな家ん中飛び込んで取ってきたもんや。
これを取りに?伊能さんのへその緒ですか。
何やびっくりせえへんのか。
あ…実は栞君から聞いてな。
けど親子やと認めてない言うてな。
は?何でや。
せっかく会えたのに。
なんとかお二人の仲取り持つ事てできひんのやろか。
せめて笑顔でいっぺん名乗り合うだけでも…。
うん。
ほならキースが笑わしたらええ。
え?お前こっち戻ってからずっと笑いもせんし高座にも上がらんかったやろ。
お前が2人を笑わしたってくれ。
お願いします。
キースさんにしかできひん事や。
よ!
(アサリ)何や。
どうしても笑わしたい人がおるんや。
もっぺん俺の相方になってくれ。
・
(アサリ)間違いないわいな〜!・
(キース)間違いないわいな〜!・
(アサリ)・「ちょいと出ましたお笑いは」・
(キース)・「華の浪花の八百八橋橋々づくしと参りましょ」お前や。
お前や!わいや!ほら!えっ何や?何や何や?「まず」…「まずは」からや。
・「まずは浪花の三大橋」・「天神橋」
(アサリ)お前!
(キース)いや…練習やから。
地震の時志乃さんが崩れ落ちる家に飛び込んで命がけで取ってきた伊能さんのへその緒です。
このままでホンマによろしいんですか?意地張ってるうちに会えんようになってしまうかもしれまへんのやで。
言いたい事あるんやったらそれがたとえ恨みつらみでも今言うとかなあきまへん。
じき志乃さんが東京に帰らはるんでお別れのお食事でもしよう思てます。
必ず来とくれやす。
(隼也)おばちゃんごはんここ置いとくで。
ありがとう。
洗濯もんはここに。
ほなてっちゃんとこ行ってくるわ。
気ぃ付けてな。
またケンカしたらアカンえ。
もういっつもうっさいわお母ちゃん。
行ってまいります。
ホンマ母親いうんは損な役回りです。
どない心配しても子どもからはうるさい言われるだけやさかい。
何もかんも思い出さはったんですやろ?伊能さんがホンマの息子さんやいう事も。
急に東京に帰りたい言いださはったんは…。
確かにあの子は私の子。
栞だよ。
向こうもこっちに気付いてたんだろ。
よく顔を覚えてたもんだって言いたいとこだけど…。
金であの子を売り渡した母親だ。
恨み骨髄覚えてて当たり前さね。
うちも母親です。
あの地震の中命がけでへその緒取りに戻ったそのお気持ちよう分かります。
そないなお人がお金で大事な子ども売る訳あらしまへんやろ!でも二度とあの子には会わないよ。
あの子が伊能家の立派な一員になるためには私みたいな芸者が母親じゃダメだって。
もう二度とあの子には会うなってそう言われたんだ。
だからたんまり手切れ金もらってあの子を捨てたんだ。
ごりょんさん後生ですからどうかこのまま東京へ行かせて下さい!2018/01/12(金) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 わろてんか(84)「泣いたらあかん」[解][字][デ][再]
てん(葵わかな)は志乃(銀粉蝶)が記憶を取り戻したことを伊能(高橋一生)に伝え、きちんと親子の名乗りをするべきだと説得するが伊能は二度と会う気はないと拒絶する。
詳細情報
番組内容
てん(葵わかな)は志乃(銀粉蝶)が記憶を取り戻したことを伊能(高橋一生)に伝えて、きちんと親子の名乗りをするべきだと説得するが、伊能は二度と会う気はないと拒絶する。東京で芸人たちの安否確認をしていた風太(濱田岳)から久しぶりに電話があり、てんと藤吉(松坂桃李)は東京の芸人を大阪の寄席に呼ぼうと風太に交渉を任せる。やっと風太と電話で話したおトキ(徳永えり)は、改めて無事に戻って来て欲しいと伝えた。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,濱田岳,徳永えり,大野拓朗,前野朋哉,藤井隆,内場勝則,銀粉蝶,高橋一生
原作・脚本
【作】吉田智子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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